エンフィールド | ふぅ……ごちそうさまでした! スナイダー、 君も少しは食べればよかったのに。 |
スナイダー | 食事に興味はない。 ……なあ、エンフィールド、知っているか? |
スナイダー | 異界に迷い込んだとき、 その場のものを口にすると…… 元の世界へ二度と戻れなくなるという。 |
スナイダー | 家主の姿はなく、廃墟になった屋敷で 温かい食事が出てくる……ふむ。 普通の世界ではあり得まい。なぁ? |
エンフィールド | えっ!? もう、お腹いっぱい 食べちゃったんだけど……。 |
エンフィールド | そ、そういうことは先に言ってくれよ……! 言わないのなら、 最後まで言わないままでいてくれ! |
アリ・パシャ | チッ……つくづく呑気な奴らだな。 おい、この分だと嵐はまだ止みそうにない。 他に客間や寝室がないか探すぞ。 |
シャスポー | ……すまないが、僕は少し休んでいるよ。 どんどん頭痛が酷くなってきて……。 |
シャスポー | ああ……大丈夫だよ、〇〇。 きっとこの湿気のせいだから、 君が手当をしなくても治るはずさ。 |
エンフィールド | では、〇〇さんは 僕たちと行きましょう。 優秀なこの僕がお守りします! |
エンフィールド | ……おや? せ! 先輩じゃあありませんか! ああ、良かった! 無事だったんですね! |
エンフィールド | 先輩がいらっしゃれば一層心強いです! さあ、先輩も僕らとともに行きましょう! |
スナイダー | …………? エンフィールド…………? |
エンフィールド | あれ? スナイダーはどこに行ったんだ? ま、いいか。そのうち帰ってくるだろう。 |
エンフィールド | ささ、ブラウン・ベス先輩、 ○○さん! まずは2階の方へ行ってみましょうか。 |
スナイダー | …………。 よくわからんが、行くぞ。 ○○、おまえもついてこい。 |
ナポレオン | ……うおおっ! なんだこれは!? |
スナイダー | ん? 今の声は……ナポレオン……か? |
スナイダー | 声はあっちから聞こえたな。 ……行ってみるか。 |
アリ・パシャ | これは……人骨、だな。 それも、ふたり分……。 |
エカチェリーナ | となりにあるのは、古銃……ですねー。 ずいぶんと錆びついて ぼろぼろになっていますけれど。 |
エセン | ここまで壊れてしまっては、 修理も無理でしょうね。 それより、この状況は……? |
ナポレオン | ふむ…… 争った形跡のない部屋に、 寄り添うふたり分の骨。 |
アリ・パシャ | ……心中、だろうな。 見ろ。大きい方の骨は、 ご丁寧に靴と靴下を脱いでいる。 |
ナポレオン | なるほど…… この長い銃で自らを撃つには、 足の指で引き金を引く他ないからな。 |
シャスポー | んん……うるさいなぁ……。 一体なんの騒ぎ? |
シャスポー | ……っ! これは……!? |
エカチェリーナ | あら、しゃすぽー。ちょうど、 やしきの主らしき方を見つけたのですー。 ……もう、骨になってらっしゃいますけど。 |
シャスポー | あ……! そ、その銃は…… シャスポー銃じゃないか……! |
全員 | …………! |
シャスポー | まさか……その"僕"を使って 命を絶ったっていうのかい……? うっ……頭が、痛い……! |
シャスポー | ……あ、ああ。〇〇、 大丈夫だよ、これくらい……。 大丈夫、心配しないで……。 |