ホール | なるほど…… そうだったんだ。 |
ホール | ……ごめん、俺も つい面白がって、「面白そう」ってだけで 後押ししちゃったよ。 |
マルガリータ | ううん、ホールが悪いんじゃないよ! 案を出したのはオレたちだし……。 |
エンフィールド | あの、アレクサンドルさんはどうでした? エカチェリーナさんに、 喜んでもらえましたか? |
アレクサンドル | ……え、ええ。白鳥にしては 首が太いと評されましたが、 嬉しそうに受け取ってくれました。 |
マルガリータ | そっかぁ……。 オレたちはどうして駄目だったんだろ。 オレ、プレゼントのセンスないのかなぁ。 |
マルガリータ | ねーねー、アレクさんはなんで スワンシュークリームを作ろうと思ったの? |
アレクサンドル | 先日、エカチェリーナとふたりで 街へ買い物に行ったのですが……。 |
アレクサンドル | パティスリーの前を通りかかったとき、 カーチャがスワンシュークリームを じっと見ていたのです。 |
アレクサンドル | 結局、買わずに買ったのですが…… あのときの表情が、頭に残っておりまして。 |
アレクサンドル | エカチェリーナは 美しいものが好きですから。 きっと気に入ったのでしょうね。 |
アレクサンドル | ですから、スワンシュークリームなら 喜んでもらえるかと思い、 作ってみたのです。 |
エンフィールド | エカチェリーナさんが、 喜びそうなものを……。 |
マルガリータ | ……エンフィールド……? |
エンフィールド | 僕はただ、ブラウン・ベス先輩と 〇〇さんが びっくりして喜ぶ顔が見たくて……。 |
エンフィールド | でも、どうすれば おふたりに喜んでもらえるのか、 深く考えていませんでした……。 |
マルガリータ | ……っ、オレも……。 ただ、おじさんをビックリさせたいって、 それだけだった。 |
エンフィールド | 思い返せば、以前ブラウン・ベス先輩に 贈り物をしたときも、 〇〇さんへの贈り物も……! |
エンフィールド | あの時、先輩や〇〇さんは、 驚いていらっしゃいましたけど……。 |
エンフィールド | その後に見せてくれた表情は…… 心からの笑顔では なかったような気がしてきました。 |
エンフィールド | 僕は……サプライズ演出や インパクトにこだわりすぎて、相手が 何を求めているかを考えていなかった……。 |
エンフィールド | これでは……ただの自己満足、ですね。 大英帝国が誇る名銃として、 情けないばかりです……。 |
マルガリータ | うん……考えてみたら、 おじさんはおじさんだもんね。……もっと、 胃に優しいものが食べたいはずだよ。 |
マルガリータ | おじさんのことはよく知ってるはずなのに、 オレも気付けなかった……。 |
ホール | ……よし、仕切り直しをしよう! このままで終わるわけにはいかないだろ? ね、みんな。 |
アレクサンドル | もちろん、私もお手伝いいたします。 |
マルガリータ | うん! 失敗は成功のもと、だもんね。 今度はちゃんと よく考えた贈り物をしなきゃ! |
エンフィールド | そうですね……! やり直しをしましょう! |
エンフィールド | 今度こそ、最高のバレンタインデーに するために! ええ! |