イベント/DOUBLE FACE ―或る男の裏切り―/エピソード

Last-modified: Sun, 31 Mar 2019 02:21:03 JST (1867d)

第1話 新たな幹部補佐官 Edit

+  ネタバレ注意
兵士1中佐、大変申し訳ありません……。
明朝までに
代わりの車両を手配してまいります。
世界帝軍・上官当然だ。まったく……
今度は予備のタイヤも多めに積んでおけ。
この辺りは随分と道が悪いようだからな。
兵士2はっ、はしこまりました。本日は急ぎ
この先の宿を取っておりますので、
そこまで案内させていただきます。
世界帝軍・上官必要ない。早く行け!
兵士1・2はっ!
世界帝軍・上官宿は……角のあれか。
フン……まともなサービスは
期待できそうにないな。
キセル──安心しな。アンタは別の所で
しばらく眠ることになるんだからよ。
世界帝軍・上官なっ……何だ貴様は……!
キセルハッ、答える義理はないねェ。
世界帝軍・上官ぐっ……ぅ……!
???コードネームは“スモーク”か。
……これで俺も、
世界帝軍の仲間入りってわけだな。

 

兵士1今日からだったっけか?
新しい幹部補佐官が来るのって。
兵士2ああ。名前は……なんて言ったかな。
確か、モ……?
いや、フ……?
兵士3“スモーク”だろ。技術面にも理解がある
優秀な中佐だって聞いたぜ。
兵士1ふぅん、スモーク中佐か。
……特別幹部と同じで、
コードネームっぽい感じだな。
兵士3しっ! 来たみたいだぞ。
スモーク……ん? 出迎えか。
いい心がけじゃねぇか。今日から着任する
幹部補佐官のスモークだ。話は聞いてるな?
兵士たちはっ!
スモークてめえらは荷物を運べ。
1人は基地の案内を頼むぜ。
兵士1・3了解しました!
兵士2では、自分が案内をさせていただきます。
ええと、まずは……。
スモーク基地の大まかな構造は資料で見ておいた。
詳しく案内してもらいてぇのは、
研究室と工場部分だな。
スモークこの基地は、
新兵器製造のために作られたんだろ?
スモークだが、重要機密に当たるからって、
そのあたりの施設について
ほとんど資料が渡されてねぇんだ。
兵士2かしこまりました。ご案内します。
……こちらへどうぞ。

 

兵士2こちらが研究室です。現在は、
大量生産が容易な、小型で威力の大きい
新型通常兵器の試作を進めています。
スモークほう……通常兵器を優先してるのか。
兵士2はい。
ミルラミサイルの製造よりも費用を抑え、
量産もしやすくなっております。
兵士2ミルラと同様、局所的に高威力の攻撃が
可能です。帝府へ反抗的な輩へ使うのに
もってこいですよ。
スモーク……へぇ。そいつは随分と
頼もしい兵器になるんだろうな。
兵士2ええ。開発チームによると、完成は
目前だそうです。地上階にある工場で、
随時試作品を製造しています。
兵士2完成したあかつきには、
褒賞も出るかもしれませんね。
中佐はいい時期にいらっしゃいましたよ。
スモークははっ……まったくその通りだな。
兵士2スモーク中佐、
次は工場の方へご案内しますね。
少尉──おい、
浄水業者のリストアップは済んだか?
兵士4はい、こちらです。週明けに
取り急ぎ2社が来訪予定となっております。
スモークん……? 浄水業者?
兵士2ああ……新たに掘った井戸の件ですね。
飲用にも使えるようにするには、
特殊な浄水装置が必要なんだそうです。
スモークほう……なるほどな……。

第2話 契約を勝ち取れ! Edit

+  ネタバレ注意

第2話 契約を勝ち取れ!
 

イエヤス──ここが例の基地か。
我が社の浄水しすてまを売り込む絶好の機会
……なんとしても契約を取り付けるぞ!
アリ・パシャ“しすてま”ではなく“システム”だ。
そんなことよりも、なぜ俺様が
鞄持ちなどせねばならんのだ!
イエヤスいいではないか。
君は新人営業マンという設定なのだから、
それらしくあらねばな。
アリ・パシャチッ……覚えていろよ……!
ラップ──先程の言葉、聞き捨てなりませんね。
成約するのは我が社です。
あなた方には譲りませんよ。
イエヤス君は……
クリスタル・ヴァッサー社のエリート、
ラルフ・ホフマンか。
イエヤス我が社のエースだった君が、
競合会社に引き抜かれ、
こうして対立することになるとはな……。
ラップ商売の世界ではよくある話かと。
……お手柔らかに頼みますよ、“部長”。
アリ・パシャ…………。
アリ・パシャくだらん茶番はもういいだろう!
さっさとこの爆薬を届けて帰るぞ。
イエヤスいや、さっさと出ていってはまずかろう。
相応に時を稼がなければなるまい。
イエヤス俺達が基地のお偉方を相手に
売り込みをしている間……
キセルが爆薬を設置するのだからな。
ラップええ、ですから、役になりきり
真剣に売り込みバトルを繰り広げなくては。
……スーツ、お似合いですよ。
アリ・パシャくっ……
何故この俺様がこんなふざけた作戦に……!

 

──5日前
恭遠・グランバード世界帝軍が新たな兵器の開発を
進めているという情報が入った。
完成間近という噂もあるようだ。
恭遠・グランバード兵器についての詳細は不明だが、完成して
しまえば、我々レジスタンスにとって
非常に不味い事態になる。
恭遠・グランバードそこで、新兵器及びその製造技術の
抹消作戦を決行する。基地には既に、軍部の
人間になりすましたキセルが潜入済みだ。
アリ・パシャそれは結構だが、あとはどうするんだ。
内部構造を把握した上で
奇襲でも仕掛けるか?
恭遠・グランバードいや、こちらの被害を最小限に抑えるため、
大掛かりな襲撃はしない方針だ。
ラップふむ……となると、
妥当なのは爆破でしょうか。
ラップ内部にも爆薬はあるでしょうから、
小規模な爆破から
大爆発を引き起こすことも可能かと。
恭遠・グランバードああ。君たち3人にはそのための
遠隔起爆装置付き爆弾を
基地へ運び込む役割を頼みたい。
アリ・パシャ……待て、俺様もか?
配達業者という風貌ではあるまい。
恭遠・グランバードいや、君たちに頼みたいのは
配達業者ではない。
浄水器の営業マンだ。
アリ・パシャはぁ……!?
恭遠・グランバードやり手の若手ビジネスマンに見えそうな
顔ぶれということで、
〇〇たちと考えたんだが……。
アリ・パシャはっ、冗談はそこまでに──
イエヤスなあ、アリ・パシャ。耳を貸してくれ。
アリ・パシャむ……?
いきなり何だ!
イエヤスまあまあ。時には君風の流儀で行くのも
手かと思ってな。
実は俺は、君が──で、──を──……
アリ・パシャなっ……、貴様がなぜそれを知って……!?
イエヤスはっはっは。さて……どうだ?
レジスタンスのための重要な作戦、
君も手を貸してくれるだろうか。
アリ・パシャチッ……!
イエヤス応、だそうだぞ。
〇〇、恭遠。
恭遠・グランバード……?
た、助かるよ。それじゃあ、
作戦について細かく詰めていこう。

 

ラップそろそろ時間ですね。
“本物”を捕らえに行きますか。基地では
リハーサルした通りにお願いしますよ。
イエヤスうむ。俺は上司で、
アリ・パシャは新人の部下だったな。
……期待しているぞ、アリ・パシャ。
アリ・パシャイエヤス……よもや貴様も
情報線を得手としているとはな……。
イエヤスなに。
他の情報を追う中で偶然知り得ただけさ。
ラップ……さあ、行きましょうか。

第3話 侵食する傷 Edit

+  ネタバレ注意
ベルガーアリンコが17匹~アリンコが18匹~、
アリン……
うおっ、一気に出てくんなっての!
ベルガーはぁ~あ、連続プチプチ記録
途切れちまったじゃねぇかよ~。
つまんねぇの。
ラブ★ワン……あれ?
ベルぴょーん。こんなとこで何してんの?
ベルガーそれがよ~!
虫を喰うおもしれぇ草があったから
あの人んとこ持ってったらよぉ。
ベルガーモーゼルの野郎が
「雑菌まみれのものを持ってくるな!」とか
怒鳴って、追い返しやがって……。
ベルガーあいつマジうぜぇ~!
ヒマだから、ここで蟻潰して遊んでんの。
ラブ★ワンあらら……モーたんピリピリしてるねぇ。
マスターの傷、かなり悪化してるみたいだし
無理もないか。
ベルガーあー、そういやちらっと見えたとき、
あの人肩のあたり押さえて呻いてたぜ。
ラブ★ワンおいらたちを呼び覚ました時は、
まだ腕におさまってたと思うんだけど……
だいぶ進行してるねぇ。
ベルガーニンゲンは修理できないから不便だよなー。
それよかさぁ、なんか面白いことねぇ?
暇すぎて死にソ!
ラブ★ワンんー……、あ、そうだ!
どっかの基地で新しい激アツな兵器作ってる
って話があったよん★
ベルガーお、いーじゃん!
試し撃ちでもして遊ぼうぜ。
あひゃひゃひゃ!

 

エフ……あら、アンタたちも来たのね。
ベルガーうげ! お前もいたのかよ。
……つか、そいつダレ? 新入り?
エフ異動してきた新しい幹部補佐官。
コードネームはスモークですって。
このコ、あんまり可愛げがないのよねぇ。
スモーク…………。
ラブ★ワンおっと、クール系なカンジ?
エフちんの好みは、おっちょこちょいで
イジメ甲斐のある子だもんねー。
ベルガーぷぷっ。
調教されないように
せいぜい気をつけろよ~。
エフ……で、マスターの調子はどうなの?
ラブ★ワン一言で言うと、絶不調。
なーんでどんどん傷が悪化してんだろうね?
ラブ★ワンファルるんが言うには、この間見たとき
向こうのマスターはピンピンしてたって。
ラブ★ワンそれどころか、
前に見た時より傷が治ってたらしいよ?
何が違うんだろ。
エフアタシもその話は聞いたわ。でも──
……あ。
スモーク、アンタはもう戻っていいわよ。
スモークはい。
エフ……アタシたちを貴銃士にした力の源って、
あの傷でしょ?
エフファルちゃんが言ってたの。
傷が治ったら、
貴銃士も消えちゃうんじゃないかって……。
エフマスターのことは心配だけど、
きっとあの傷は治らない方がいいのよ。
ラブ★ワンフゥ~★ ってことは、ドブネズミちゃん、
おいらたちが退治する前に
自滅するかもジャ~ン!?
スモーク……っ!

上へ戻る

第4話 3人の営業マン Edit

+  ネタバレ注意
イエヤス13時からの商談で参りました、
ピュア・ウォーター社の
スルガ・ウィリアムズです。
アリ・パシャ同じく、アリー・パターソンです。
ラップ私はクリスタル・ヴァッサー社の
ラルフ・ホフマンです。
門兵ああ、例の浄水器業者だな。
話は聞いている。
まずは来訪者名簿に名前を。
ベルガーん? そいつら何だ?
アリ・パシャ……っ!
イエヤスこちらの基地で
高性能な浄水装置が必要とのことで、
弊社製品のご案内に参りました。
イエヤス不純物を取り除き、
必要なミネラルはしっかり残し、
美容と健康に良い水を──。
エフ美容に良い、ですって……?
それは素敵ね!
アタシからも口添えしといてあげるわ♥
ラブ★ワンフゥ~!
エフちんってば美意識高~い!
兵士1よし、名前は書いたな。
セキュリティチェックへ進め。
イエヤス……はい。
アリ・パシャ(おい、“あいつ”がいないではないか!
あいつがセキュリティチェックを
パスさせる段取りだろう!)
ラップ(ええ……
何か、トラブルでもあったのでしょうか)
イエヤス(さて、どうするか……
鞄の中身が露見するとまずいことになるぞ)
兵士1おい、どうした? 早く進め。
全員…………。
スモークお、ここが噂のセキュリティチェックだな。
最新の探知機を使ってるんだろ?
見学するぜ。
兵士1スモーク中佐!
ええ、最近導入したばかりのものでして──
あれ? 探知機がないな……。
兵士1さっきまではここに……
いえ、急ぎ予備の機材を取ってまいります!
スモーク……鞄をこっちに。
イエヤスやれやれ、
序盤から危ういところであったなぁ。
ラップ小型爆弾6個と
遠隔起爆装置が入っています。
スモーク……ああ。
アリ・パシャ……あいつ、
何やら様子がおかしくはなかったか。
イエヤスうむ……もう5日も敵の基地にいるのだ。
気が張っているのかもしれんな。
兵士1大変おまたせし──
あれ、スモーク中佐は……?
ラップ特別幹部の方に呼ばれたそうで、
慌てて行かれましたよ。
兵士1あー……そういうことか。
セキュリティチェックをする。
鞄を開けて台の上に並べるように。
全員…………。
兵士1──よし、問題ないな。
真っすぐ進んで、右手の第3会議室へ進め。
イエヤスあいわか……かしこまりました。

第5話 連携プレー Edit

+  ネタバレ注意
少尉えー、それでは
クリスタル・ヴァッサー社の方から
始めてください。
ラップ承知いたしました。

 
第5話 連携プレー
 

ラップこの度は我が社へお声がけいただき、
誠にありがとうございます。
ラップ我が社が誇る浄水器は、どこよりも高性能な
ろ過フィルターを搭載し、
不純物を超微粒子まで除去できるのです!
ラップご覧ください。この泥水、
この通り濁っており
飲めるものではありませんが……。
ラップ我が社の浄水器を使えば……この通り!
兵士たちおお~!
綺麗で美味そうな水になったぞ……!
ラップええ。泥水すらもたちまち、
清浄な飲料水に変わるのです!
兵士たちこれはすごいな……!
ラップありがとうございます。フィルター掃除や
交換などの面倒なメンテナンスも、
我々にお任せください。
~略~
イエヤス──さらに今なら、
オプションのオゾン処理装置まで加えて
お値段はそのまま!
少尉ほうほう……!
ラップくっ……では、こちらは高品質の
粒状活性炭フィルターを付けましょう……!
少尉ふむふむ……
どちらも実に興味深い……!
アリ・パシャ……くだらん。さっさと決めてしまえ。
どうせ大差はあるまい。
少尉む……?
何か言ったかね、君。
イエヤスおっと、これは失礼。
アリーくんの独り言は
気にしないでいただければと。
ラップええ。どうぞじっくりご検討ください。
よろしければ、
水の飲み比べはいかがでしょう。
少尉そうだな、試してみるとしよう。

 

スモーク研究室、武器庫。
残りは試作品に取り付けて──。
スモーク……ん?
これは……どっかの城の見取り図か?
ずいぶんと警備が堅いが……。
スモーク……!
まさか……!

 

マルガリータ……あ、来た来た!
お疲れ様、トレーガー。
はい、おやつにカボチャの種だよ。
マルガリータんで、手紙は──っと。
よかった、ちゃんと付いてる!
さっすがドライゼさんが訓練した鳩だね!
マルガリータ外すから、そのままじっとしててね。
……よし、と!
マルガリータそれじゃ、急いで皆のところに行こう!

第6話 森の中で Edit

+  ネタバレ注意
ベルガーおーい、お前!
そこのお前だよ!
兵士……はっ!
なんでしょうか?
ベルガーここで新しい兵器作ってんだろ?
10発くらい寄越せよ。
試し撃ちしてやっからさぁ! アヒャヒャ!
兵士い、いえ! それは無理です!
ベルガーあぁ? なんでだよ!
別に減るモンでもねぇし、
それくらいいいだろ!?
エフはぁ……お馬鹿ね。
撃ったらどう考えても減るでしょうよ。
ラブ★ワンエフちん、ツッコミナイスゥ~ッ!
フゥ~!
ベルガーうるっせぇな! 一発くらいいいだろ?
ケチケチすんなよ。
兵士出し惜しんでいるのではなく
不可能なんです! まだ試作段階の
未完成品なので、発射できる状態では……。
ベルガーはぁ~あ! つっまんねぇーの!
わざわざここまで来てやったのによぉ!
ベルガーお前あとで罰金な!
コーク1ダース買ってきやがれこの野郎!
兵士は、はぁ……。
ラブ★ワンちょちょ、ベルぴょんどこ行くの?
エフはぁ……バカの相手は疲れるわぁ。
あらやだ、爪が割れてる。磨かないと~。

 

ベルガーあ゛~~~っ、クソ! 外した!
逃げんな焼き鳥!
ラブ★ワンえ、ベルぴょん、小鳥食べるつもり?
美味しくなさそうじゃ~ん??
ベルガーだってやることねーしー。
鳥じゃなくて熊とか鹿とか?
なんかでかくて食えそうなのいねーかな。
ベルガーにっくにく~コークー♪
……あ? 何だこいつら。おい、ラブワン。
こっちで3人昼寝してんぞー。
ラブ★ワンおおっと、侵入者?
端っこも端っこだけど、世界帝軍基地の
敷地内で昼寝なんて大胆だね~★
ラブ★ワン何かIDは……お、名刺はっけーん!
えーっと、ピュア・ウォーター社……?
ラブ★ワンこれ、さっき門のところにいた業者と
同じじゃ……?
ってことは……。
ベルガーん?
なんかオモシロそうなやつ??
ラブ★ワンフゥ~! オモシロそうなやつキタ~★
基地に戻るよ~ん!

上へ戻る

第7話 迫る危機 Edit

+  ネタバレ注意
ラップえー……続きまして、
ランニングコストについての説明を
させていただきます。
ラップ資料を配布しますので、
そちらを見ながらお聞きください。
アリ・パシャ(……おい、あいつからの合図はまだか?
一体いつまでこの茶番を続ければいい)
イエヤス(わからん。
何か問題が起きたのかもしれんな……)
アリ・パシャ(であれば、予備隊を呼んで
突入に切り替えないと、あいつも危ういぞ)
イエヤス(うむ……よきところで話を切り上げて、
キセルの状況を確認するとしよう)
──バンッ!
スモーク侵入者を捕縛しろ。
兵士たちはっ!
アリ・パシャ……っ、いきなり何をする!
我々はあなた方軍部の招集で
商談に来たのに──
スモーク──黙れ。
お前らが偽物だということはわかっている。
イエヤス…………!
ラブ★ワン残念だったね~。
おいらたち、森の中散歩してたら
“本物”見つけちゃってさぁ★
ラブ★ワン殴ってみても起きないし、
君たちが薬でも使って眠らせたんでしょ。
ラブ★ワン……森の中に隠しとけば
見つからないとでも思った?
ハッ、甘すぎー!
ベルガーうくく……ザマァ!
お前らの尋問が終わったらぁ~、
俺が的にして遊んでやんよ! あひゃひゃ!
ラブ★ワンスモーク。おいら尋問下手っぴだし、
お前に任せちゃうよぉん!
ラブ★ワン基地に潜り込んで何をしようとしてたのか、
そいつらの目的と正体……
きっちり聞き出せ。いいな?
スモーク承知。
スモーク……おい、こいつらを連れていけ。
アリ・パシャくっ……! 離せ! 気安く触れるな!
イエヤス&ラップ……ッ!
スモーク喚くな。話ならたっぷり聞いてやる。
──地下牢の中で、な。

第8話 地下に響く苦悶の声 Edit

+  ネタバレ注意
兵士入れ! ぐずぐずするな!
ラップくっ……!
スモーク鎖で繋いだら、お前たちは外してろ。
兵士たちはっ、かしこまりました!
……こちらお使いください!
スモーク鞭か。さぁて……お楽しみの時間だな。
泣くも喚くも好きにしろ。
情報だけはきっちり吐いてもらうぜ?

 

スモークさあ、言え!
誰の差し金でこの基地に来た。目的は何だ?
アリ・パシャふん……俺は何も話さない!
スモークへぇ……その決意がいつまで保つか、
見ものだな。
アリ・パシャ……ぐぅっ!
スモークどうだ?
これで少しは気が変わってきたか?
アリ・パシャ……っ、黙れ下郎。
……ぐああああっ!!
アリ・パシャ俺は、何も……っ、っく……!
あ゛ぁああっ!!!
兵士1う……、
スモーク中佐は割と穏やかな人だと
思ってたけど……。
兵士2ああ……
やっぱり、幹部補佐官まで上り詰めるだけは
あるよな……。
エフウフ♥
拷も──じゃなくて、尋問してるって
聞いて来たんだけど。
アリ・パシャやめ、ろ……っぐ、……ぁああ゛っ!
エフあら……いい声で鳴くじゃない♥
ゾクゾクしてきちゃった……
アタシも楽しんじゃおうかしら♥
兵士2うわぁ……終わったな、あいつら。
兵士1……外に出とくか。
兵士3そうだな……。

 

エフ新入りちゃん、
アンタなかなかやるじゃな──
んぐっ!
エフんんんん、んんんん゛!
キセル何言ってるかさーっぱりわからねぇぜ、
特別幹部サンよぉ。
キセルまあ、言いてェことは見当がつくがな。
「裏切ったのか」「グルだったのか」とか、
そんなとこだろ?
キセルハッ……俺は最初っから、てめぇらの
仲間なんかじゃねぇ。本物の仲間を
傷つけるわけもねぇ。そういうことだ。
アリ・パシャふん、間抜けめ。俺様の芝居に騙されたな。
……貴様のことはよーく覚えているぞ。
エフ……!
んぅ、んーんんんー!?
(アンタ、あの時の!?)
アリ・パシャさて、立場が逆転したわけだが……
どう料理してやろうか。ククク……。
アリ・パシャ爪を剥ぎ、末端からじわじわと肉を削ぎ、
なぶり殺しにしてやりたいところだが……
あいにく俺様は忙しい。
ラップええ。彼はここに吊るしておきましょう。
どの道爆発で吹き飛びます。
イエヤスそういうわけだ。
君にはしばらく眠っていてもらおうか。
エフんんん~~~~~!
(やめなさいよ~~~~~!)
ん゛っ!
キセルさーて、最後の仕上げといくぜ!

第9話 業火 Edit

+  ネタバレ注意
兵士1……あっ、スモーク中佐!
スモーク奴らが吐いたぜ。基地内に
他にも仲間が潜り込んでいる、だとよ。
兵士2なっ、どうやってセキュリティを……!?
急ぎ全室の点検を行います!
スモークいや、その必要はない。奴らがなぜ
この基地に来たか──それは
ここにしかないものが目当てだからだ。
兵士1まさか、新型兵器を……!?
スモークああ。俺は尋問を続ける。
お前ら、ここはいいから、全兵士を
大至急で研究室と武器庫に向かわせろ!
兵士たちはっ!!

 

キセル……よし、誰もいないな。
イエヤスおお……ドライゼからの合図が出ているぞ。
脱出の準備は整ったようだ。
ラップでは、最終仕上げに入りましょう。
兵士1……中佐ー!
スモーク中佐!
兵士1えっ!? そいつらがなんで……
尋問されているはずでは……!?
スモーク中佐、一体何を……。
キセルそいつはなぁ……。

 
第9話 業火1
 

キセルレジスタンスのお仕事さァ!
兵士1なっ! なにぃぃぃ!?
兵士2爆発!?
どういうことだ!! いったい何が!!
兵士1き……貴様!
スモーク! 裏切り者め……!
兵士1ぐあぁっ!
イエヤス背中を狙うなど卑怯なことを。
アリ・パシャ変装して侵入している男の言うセリフか?
キセルあんがとよ!
助かったぜ、イエヤスさん。
兵士たちに、逃がすか!
捕らえろーッ!
キセルおうおう。てめえら道を開けな!
退勤の時間だぜ!

 
第9話 業火2
 

兵士たちうわぁああっ!
兵士たちだめだ!
逃げろぉ!
ラップやれやれ、騒がしい職場でしたね。
おまけに2時間も残業です。
イエヤスはっはっは。
しかし時にはこういう労働も悪くない。
そうであろう、キセル。
キセルおうよ! これで忌々しい兵器とも
ガスマスクともおさらばだ。
いい気分だぜ!
アリ・パシャチッ……
契約外のオーダーばかりでうんざりだ。
俺はこんな仕事、二度とやらんからな。
ドライゼさあ、車に乗れ!
キセルおう、〇〇!
大丈夫だぜ。俺たちは全員無傷さァ!
キセルよっしゃ!
そんじゃあ、基地へ戻ろうぜェ!!

 

エフハァ……ハァ……
あっぶないところだったわ……。
ラブ★ワンちょっ……! うっそぉん!
これ何の騒ぎ!?
ベルガーずっりー!
俺にはダメだって言いやがったクセに、
新兵器試したのかよ!?
エフ違うわよお馬鹿!
侵入者にやられたのよ!
ラブ★ワン侵入者って、さっき捕まえた奴らのこと?
つかエフちん、その手錠どしたの。
エフ奴らにかけられたのよ!
意識が戻って、怒りに任せて
引きちぎってやったわ!
ベルガーうお……お前すげぇな、変態野郎……。
エフ殴るわよ駄ウサギ!
さっさとあいつらを
捕まえてきなさい~~~ッ!!!

上へ戻る

第10話 決戦は目前に Edit

+  ネタバレ注意
キセルた、ただいまぁ……。
ケインおや、キセルさん!
潜入任務、お疲れ様でした。
カトラリー聞いたよ。こっちの被害はゼロで、
基地と武器を破壊してきたんでしょ。
キセルう、うん……!
研究室も壊したから、
これでしばらくは大丈夫、なはず……。
キセル緊張したけど……
う、上手くいって良かったよ……。
マルガリータたっだいま~! あ、キセルおかえり!
お手紙バッチリ受け取ったよ。
キセルえへへ……ちゃんと届いてよかった……。
ドライゼマルガリータ、素早い伝令をありがとう。
助かったぞ。
マルガリータえっへへ~、どういたしまして!
ねね、キセル。
手紙についてた図面ってどこの?
ドライゼ……図面?
マルガリータこれだよ!
今回潜入してた基地とは全然違うし、
お城っぽい形なんだけど……。
キセルあ、うん……
基地で爆弾を仕掛けてるときに
見つけたんだ。
ドライゼ……待て、この形……
まさか、イレーネ城か!?

 

ブラウン・ベスおい、〇〇、恭遠。
急に全員を呼び出すなんて、
何かあったのか?
恭遠・グランバードああ、世界帝軍の新型兵器破壊作戦のことは
皆知っているな?
その作戦中に、キセルが重大な情報を得た。
キセルおうよ。皆、こいつを見てくれ。
世界帝軍の親玉の根城……
イレーネ城の見取り図だ。
キセル俺が潜入してた基地では、
新型兵器の開発をしてたんだが……
どうもそれだけじゃなかったようだ。
キセルイレーネ城に配備するための
新しい迎撃装置も研究してたみてぇだな。
キセルこの見取り図には、警備兵の位置や数、
既存の迎撃装置の在り処が記載されてる。
キセル警備強化のために
必要な情報だったんだろうが……俺たちが
入手するとは思ってもみなかっただろうな。
恭遠・グランバード──この情報をもとにすれば、
イレーネ城攻略の可能性が
かつてなく高まる。
恭遠・グランバード絶対的な権力を有する世界帝さえ
押さえてしまえば、
軍部も簡単には動けない。
アレクサンドルですが……
世界帝軍に属している“マスター”が
動いた場合が気がかりです。
アリ・パシャああ。世界帝が排除されたのをこれ幸いと、
敵のマスターが軍を掌握して、
新たな世界帝になるかもしれんぞ。
恭遠・グランバードその件なんだが……諜報員からの
情報によると、世界帝こそが
敵のマスターである可能性が非常に高い。
全員……っ!!!
恭遠・グランバード世界帝が表舞台にほとんど
姿を表さない理由について探る中で、
彼が臥せっていることが判明した。
恭遠・グランバード状況の詳細は不明だが……手や腕に
重度の負傷があり、それが一向に治らない
という噂が流れているそうだ。
ホール治らない傷って──〇〇の
薔薇の傷も、そうだったよね。
キセル……現代銃の貴銃士たちも、奴らの
マスターについて話してたぜ。傷がどんどん
悪化して絶不調だとかなんとか。
恭遠・グランバードそうか……『世界帝=マスター』の情報は
ほぼ確実だな。
ケンタッキー──……っつーことは、
イレーネ城に侵入して世界帝を倒せば……?
ブラウン・ベス俺たちは、この戦いに
終止符を打てる、のか……?

上へ戻る