キャラクター/キンベエ

マスター！　そう、お前さんだ。
……今、ちょっといいか？

わしのことは、キンベエと呼んでくれ。
よろしく頼む！

がーっはっはっは！　なかなか、いい名だろう？
わしも気に入っとる。

なんてったって、わしを作った職人から
もらい受けた名だからな。

日本に初めて伝わった火縄銃は、
フルサト殿だが……。

わしは、そのフルサト殿を模して作られた、
最初の火縄銃だ。

わしを作った職人の影響なのかのう……
わしも銃の構造には興味があってな。

ありがたいことに、手先は器用な方だ。

そのうち、銃の修理なんかも
できるようになりたいと思っとる！

戦うだけじゃあなくとも、
レジスタンスの役に立てることがあるなら、
協力は惜しまんぞ。

それからなあ……ゴ、ゴホン！

わしからこんなことを言うのは、
差し出がましいかもしれんが……

その、レジスタンスだけじゃなく、
お前さんの役にも立てればと思っとるんだ。

メディックとして、戦場に向かうお前さんを
見とると……どうにも、心配でなあ。

……ああ！　もちろん、お前さんが
頼りないって話じゃないぞ？

歳を食うと、
無駄に慎重になっちまうもんなんだ。

だからな、ちょっとしたことでも……
頼ってくれたら、嬉しいんだが。

……は、はっはっは！
ま、まあ、それよりもだな！
まずは、明日の作戦だな！

古くさい火縄銃だからとて、
世界帝軍とやらに遅れはとらんぞ！

なあに、わしに任せとけ！
がーっはっはっは！

おお、〇〇！　今帰ったぞ！

今日は初めて、
世界帝軍と交戦したんだが……。

戦場で、わしも絶対高貴になれたぞ！

世界帝軍に、果敢に向かっていく
レジスタンスの皆を支えてやりたいと
思ったら……。

ぐわっと、力がみなぎってきてなあ。
がーっはっはっは！

熱い想いには、
つい応えたくなってしまうもんだからのお。

わしは職人の情熱に支えられて、
ここにある銃だ。

わしを作った職人は……。

火縄銃に使われていたネジの作り方を
知るため、南蛮人に娘を嫁がせたのだ。

……娘を遠い異国の地へ送り出すのは、
親としてどんなに辛かったことか！

わしは、あの人を尊敬しとる。あの熱い
想いに応えたいと、常々思っとったんだ。

しかもあの人は、熱いだけじゃあない。

いつもどっしり構えた、
職人たちの大黒柱のような存在だった。

わしも、レジスタンスの大黒柱となって
皆を支え……。

皆に頼られるような、
強い貴銃士になりたいもんだ！

おお、そうだ。強いと言えば……古銃でも
新しいもんは、性能が段違いだのお。

ふりんとろっく、だとか、
ぱーかっしょんろっく？　だとか……。

構造が気になってなあ。
修理所を覗いてみたいんだが、構わんか？

……そうかそうか！　では明日、
さっそく修理所に行ってみるとしよう。

いやあ、楽しみだのお！
がーっはっはっは！

おお、〇〇、どうした？
わしの体調はなんともないが……。

……ああ！　わしが修理所から
出てきたから、心配してくれとるのか！

いや、すまんかった！
なぁに、わしが壊れたわけじゃないぞ。

修理所の職人に、新式銃の構造を
教えてもらっとったんだ。

それにしても、最近の銃は……
なんとも面白い作りをしとるのお！

ありゃあ、研究のし甲斐があるってもんだ！

修理所に、天才と呼ばれとる職人が
いるんだが……彼がまた、博識でなぁ。

銃のことなら、古いもんから
新しいもんまで、なんでも知っとるんだ。

その上、あまりに素晴らしい修理の腕前
……思わず、神通力かと目を疑ったわい！

銃が粉々になっては、
さすがに難しいのだと言うが……。

それ以外なら、どんな状態の銃も、
すぐさま修理してしまうのだ。

彼の腕前を間近で見ていたら、
わしの職人魂がこう……
むくむくと膨らんできてのう！

鉄は熱いうちに打てというだろう？
わしも銃の修理ができるようになりたいと、
彼に頼み込んだら……。

さっそく明日から、
教えてもらえることになったぞ！

天才職人に師事できるとは、
ありがたい話だ。

あそこには、からくりの助手もおるしのお。
わしはあやつの、弟子仲間というわけだ！

しっかりと学んで、すぐ修理ができるように
なってみせるでな！　がーっはっはっは！

……む？
〇〇じゃないか、
わしに用かのお。

わしの顔に煤が……？

……うおっ！　よく見れば、
どこもかしこも煤まみれになっとる！

新式銃の研究に没頭しとったら、
いつの間にか……。

こりゃ、フルサト殿に叱られてしまうなあ。

わしが汚れた格好をしとると、
いつもフルサト殿が拭こうとしてくれるの
だが……。

初伝来様であるフルサト殿に、
そのようなことをさせるわけにはいかん！

わしはフルサト殿を模して作られとるから
のお。どうにも、あのお方には頭が
上がらんのだ……ははは。

……のう、〇〇よ。
フルサト殿は、あのようにのほほんと
しておるが……。

あらゆる歴史の波を超えて、
何百年も存在し続けていらっしゃる。

〇〇、
これはすごいことなのだ！

本来なら、歴史的価値のある文化財として、
大事に保管しておくべきなのかもしれん。

だが……わしらは銃として、
人の役に立ちたいという思いも深い。

貴銃士として、レジスタンスのために
戦えるのは、本当にありがたいと思っとる！

次の作戦、わしは基地で待機なんだが……。

お前さんは、メディックとして
参加するんだろう？　気を付けてな。

わしはずっと修理所で、
お前さんらの帰りを待っとるからな！

……さて。わしはフルサト殿に
見つかる前に、水浴びでもするかのお。

……おお、〇〇！
お帰り……むうっ！？　その銃たちは……。

〇〇が、ここまで
運んでくれたんだな。大変だったろう。

それにしても、これは……
どいつもこいつも、かなり損傷がひどいな。

粉々、とまではいっとらんが……あの
天才職人でも、元に戻せるかどうか……。

……む？　なあ〇〇。
その足……。

まさか、お前さんも怪我をしとるのか！？

そんな足で、こんなにたくさんの銃を
運んでくるとは……何を考えとる！

銃よりも、
自分の心配をせにゃいかんだろ！！

……ああ、すまん。
急に大きな声を出しちまって。

しかしだな……レジスタンスの中心である
お前さんがそんな調子じゃ、
皆も心が休まらんだろう？

しっかり養生して、早く元気にならんとな。

この銃たちはわしに任せて、
お前さんは衛生室で休んどれ。

ああ、待て待て！　その足で、
お前さんを歩かせるわけにはいかん。

……さ、わしの背中に乗れ。

遠慮するこたあない！
お前さんひとり運ぶくらい、わけはないぞ！

〇〇、傷の具合はどうだ？

そうか……少しでもよくなったなら、
それでいい。

今日はお前さんに、
こいつらを見てもらいたくてのお。

お前さんが、このあいだ修理所まで
運んでくれた銃たちだ。

……驚いたか？　ボロボロだったが、
なんとかここまで直した！

さすがに、徹夜になっちまったけどな。
がっはっは！

……先日の作戦は、大変だったろう。

世界帝軍にやられちまうわ、
銃もボロボロにされちまうわで……。

基地の皆、
言葉には出さんが不安になっとる。

……ここが、わしの踏ん張りどころだと
思ってな！　必死で修理したのだ。

この修理された銃たちを見て、
皆には勇気を取り戻してもらいたいもんだ。

次の作戦まで、
そう時間はないだろうが……。

勇気を出して、みんなが協力し合えば、
倒せん敵はいない！

貴銃士の誇りを信じろ！
……そのように、皆には伝えるつもりだ。

……なあに、心配はいらん。

これでもまだ、
不安に思うような奴がいたら……。

わしがそいつをイチから鍛え直して、
自信をつけさせてやるさ！
がーっはっはっは！

〇〇！　どうだ、見とったか！

今日の作戦で、
先日のかたきを取ってやったぞ！

しかもなあ……
わしの心銃も、強くなっとったんだ。

前の作戦でボロボロにされちまった銃を、
徹夜で修理して……。

そのあと、レジスタンスの皆を
励まして回って。

いやあ、
必死すぎて気が付かんかったが……。

いつの間にか、
高貴さが磨かれとったみたいだな！

これで、皆の士気も元通り……。

いや、先日の作戦のかたきを取ったことで、
それ以上に高まっとるだろう。

これも、皆が勇気を出して、
誇り高く戦ったおかげだ！

皆の頑張りを、しっかりねぎらって
やらんとなあ！　がーっはっはっは！

……む？　そうか？
わしが、レジスタンスの大黒柱……。

お前さんにそう認めてもらえると、
わしも自信が持てるってもんだ！

しかし……なんだなあ、
面と向かって言われると……。

はっはっは、照れるのお……。

〇〇……
最近、なんだか疲れとりゃせんか？

さっきも、貴銃士の若いモンが
衛生室から出てきたが……。

ちょっと怪我をしただけで、
お前さんに治療をせがんどるようだな？

……まったく、たるんどるっ！

お前さんの負担も、よく考えんと……
けしからん話だ！

お前さんも、治療をするには
気力や体力を消耗するだろう？

若いモンに遠慮するこたあない！
お前さんからも、バシッと言ってやれ！

『根性が足りんのだ！　しっかりしろ！』
……とな！

お前さんに、こんなことを
言いたくはないが……。

お前さんは少々、貴銃士に甘すぎやせんか？

言いづらいようなら、
ここはわしがビシッと……む？

……お前さんの『大丈夫』は、信用ならん。

お前さんは、
壊れちまった銃を心配するあまり……。

足を怪我したまま、修理所に
駆け込んできた前科があるだろうが！

……やはり我慢ならん！　若いモンには、
わしからひとこと言ってやる！

止めてくれるな！
お前さんは衛生室で休んどれ！

〇〇、
フルサト殿の居場所を知らんか？

……お前さんにもわからんか。
まあ、仕方ないのお。

わしは今日も、修理所にいたんだが……。

サカイとクニトモに、修理所に
こもりっきりはよくないと言われてな。

たまには外の空気を吸わにゃ身体に悪い
と、修理所から引きずり出されてしまって
のお。

しかし、修理所を出てみたものの……。

わしには銃をいじることの他に、
趣味らしい趣味もないでなあ。

フルサト殿に声をお掛けして、茶菓子でも
買いに行こうかと思っとったが……。

お姿が見えんのだ……
まあ、いつものことだがな。

フルサト殿のことだ、どこかで
昼寝でもなさっているのだろうなあ。

……ん？　マスターは今から出掛けるのか？

それなら、わしもお供させてくれんか。

なあに、暇を持て余しとったところだ。

お前さんさえよければ、
話し相手にでも使ってくれんか。

はっはっは！
もちろん、荷物持ちも任せてくれ！

○○、ちょっといいか？

この間、お前さんの買い物に
お供させてもらったろう。

あの日から、たまには外を歩くのも
いいもんだと思ってなあ……。

銃の修理に必要な
道具の買い出しなんかを、
ちょくちょく請け負っとるんだ。

それでだな……
さっきも部品の調達に行ってきてな。

そこで菓子をもらったんだが……。

わしは、甘いものが
それほど得意じゃあないんだ。

よかったら……この菓子は、
お前さんが食べてくれんか？

……そうか、ありがとう。
喜んでもらえたようで、なによりだ。

……なあ、○○。

いや、な……まあ、なんだ。その……。

お前さんが、マスターで……
わしは、幸せもんだと思ってな！

わしに、貴銃士としての生きがいを
与えてくれたこと……
お前さんには、感謝しとるんだ。

わしは、古臭い火縄銃だ。
こんなふうに生き生きと戦える日は、
もう来ないと思っとった。

それなのに今、また銃として、
人の役に立つことができとる！

しかも、新式銃の研究や修理まで……
ここでの日々は、本当に楽しくてなあ！

これも、お前さんのおかげだ！

だから……ありがとな、○○。

わしに勲章か……がっはっは！
なんだか照れるのお！

だが……、ありがとな、〇〇。

わしの力が、少しでもお前さんの役に
立っとるなら、こんなに嬉しいことはない。

わしや、他の貴銃士たちが、
こうして立っていられるのは……。

〇〇、
お前さんのおかげだからのお。

素直じゃないやつもおるだろうが……
皆、心の底では、
お前さんの役に立ちたいと思っとるはずだ。

お前さんの役割は、
替えもきかんし負担も大きい。

だからわしは、銃の修理や若いモンを
鍛えることで、お前さんを少しでも
楽にしてやりたいと思っとる。

それ以外でも、わしにできることがあれば
なんでも頼ってくれ。

レジスタンスの大黒柱として、
必ず力になろう！

……ああ、もちろん作戦でもな。
がっはっはっは！

おお、〇〇！
次の休暇だが……。

フルサト殿やサカイ、
クニトモを連れて旅行でも……と、
恭遠殿に言っていただいたのだ。

だが……本当にいいのかのお。

貴銃士としても職人手伝いとしても、
長いこと基地を空けるのは、
ちょいと不安でな……。

はぁ……
しかし、旅行に行けると知ったフルサト殿の
楽しそうな顔を見るとな。

……わしには、どうにも断れんのだ。

〇〇も、
わしらと一緒に来てくれるのだろう？

わしはどうも、
フルサト殿に甘くなってしまうでな……。

お前さんから見て、目に余るようなときは
……遠慮せず、ビシッと言ってくれ！

気恥ずかしくて他のやつには
頼めんからのお。すまんが、よろしくな。

この……ビュッフェ？
という形式は、初めて見るのお。

サカイもクニトモもずいぶんはしゃいで……
あいつら、どれだけ食べるつもりだ？

サカイときたら『もとを取る』とか言って、
もう５回もおかわりしとる。

まったく……腹を壊しても知らんからな。

〇〇は、ちゃんと食っとるか？
お前さんは、旅先でも
わしらを気遣ってくれとるだろう。

ただでさえ、
お前さんは頑張りすぎる節がある。
これでも心配しとるんだぞ？

この旅行、
お前さんもきちんと息抜きができたか？
やり残したことはないか？

む？　お前さん、皿が空になっとるぞ。
わしが取ってきてやろうか？

……むう、すまん。
わしはついつい、
世話を焼きすぎてしまうでなあ。

この調子じゃ、そのうちお前さんにも……。

『しつこい！』だとかなんとか、
叱られてしまうかもしれんのお、
ははは……。

発生場所：武器修理所付近

発生場所：訓練所付近

発生場所：食堂付近