イベント/聖夜にクリスマス・キャロルを/エピソード のバックアップ差分(No.5)


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**第1話 12月24日の急報 [#episode1]
#region(ネタバレ注意)
|ナポレオン|諸君! クリスマスの支度は順調かね!?|
|ニコラ&ノエル|はい、陛下……!|
|ニコラ|○○と一緒に、&br;飾りを作りました! えへへ……。|
|ナポレオン|うむ、素晴らしい!&br;この調子で存分に飾りつけてくれたまえ!|
|ノエル|はい……任せてください、陛下……!&br;ねえニコラ、&br;向こうの飾り付けもしてこよう……。|
|恭遠・グランバード|――ああ、ナポレオンにラップ!&br;……よかった、かなりの貴銃士が&br;出払ってしまっていてどうしようかと……。|
|ラップ|……何かあったのですか?|
|恭遠・グランバード|ああ、本部から緊急の救援要請だ。&br;世界帝軍が北方支部付近の町を&br;襲撃するという情報を掴んだ。|
|恭遠・グランバード|だが、北方支部には&br;対処できるだけの戦力がない。&br;急ぎ応援を送ってほしい、と……。|
|ナポレオン|なにっ!? それは由々しき事態であるな。&br;すぐに隊を編成し、出発しようではないか。&br;……ラップ!|
|ラップ|はっ、急ぎ出立の準備をしてまいります。|
|アレクサンドル|こちらでは、今日と明日が&br;クリスマスなのですよね……?|
|アレクサンドル|皆が心穏やかに過ごす……そんな日にも、&br;彼らは攻めてくるというのですか。|
|エカチェリーナ|まったく、無粋というものですねー。&br;きつーくお灸をすえてさしあげましょう。&br;ね、アレク。|
|アレクサンドル|ええ、もちろんです。|
|ナポレオン|ほう……この雪の中、ロシア生まれの&br;貴銃士が来るというのは心強いではないか。&br;無論、余も雪なぞ平気だがなっ!|
|アレクサンドル|おや……? ナポレオン殿は、&br;寒いのはお嫌いだと伺ったことがあるような&br;気がいたしますが……。|
|ナポレオン|な、なんだとぉっ!?&br;余は皇帝ナポレオンだぞ!?&br;冬将軍など恐れるわけがなかろうっ!!|
|アレクサンドル|はっ……し、失礼しましたっ!|
|恭遠・グランバード|はは……&br;ナポレオンがいれば、&br;寒い雪道も賑やかになりそうだな。|
|恭遠・グランバード|○○、急な話で、&br;しかもクリスマスの日にすまないが、&br;君も同行してくれるだろうか。|
|恭遠・グランバード|……ありがとう。&br;一人でも多くの同士が助かるよう、&br;俺も情報収集を続けるよ。|
 
|カール|やあ。ラップが弾薬を補充していたが……&br;急ぎの作戦、というところかな?&br;助力が必要なら僕も同行しよう。|
|アレクサンドル|カール殿……!&br;これは、心強い味方ですね。|
|カール|そういえば、君と作戦に行く機会は&br;あまりなかったね。&br;よろしく頼むよ、アレクサンドル。|
|アレクサンドル|ええ、こちらこそ。&br;カール殿の作戦での手腕を拝見できる、&br;良い機会にもなりそうです。|
|エカチェリーナ|あら……アレク、いつのまに&br;かーると親しい仲になったのです……?|
|アレクサンドル|近頃、チェスのお相手を&br;していただいているのですよ。&br;彼の戦法は、大変興味深いのです。|
|エカチェリーナ|むぅ……たたかいかたなら、&br;ぼくに聞けばよいではありませんか。&br;ぼくは女帝の銃なのですよ?|
|カール|おや? 僕も皇帝の銃だが?|
|エカチェリーナ|……!|
|アレクサンドル|ええと……あの……。|
|ナポレオン|否! この余こそが皇帝だぁ―――っ!|
|エカチェリーナ&br;&カール|わっ!?|
|アレクサンドル|ひっ! ナ、ナポレオン殿……。|
|エカチェリーナ|うぅ……こまくが破れるかと……!|
|ラップ|まったく……&br;陛下、遊んでいる場合ではありませんよ。&br;出立の支度は整いました。|
|ラップ|厚手の靴下を持ってきたので、&br;履き替えてください。&br;○○も、こちらを。|
|ナポレオン|うむ! これでよし、と……。&br;それではいざ進軍……ゆくぞ皆の者!|
#endregion

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**第2話 雪景色に思うものは [#episode2]
#region(ネタバレ注意)
|ナポレオン|さて、この先は……ふむ。&br;分かれ道を右だな。&br;皆、ついてくるがいいっ!|
|ラップ|右、ですか……?&br;北方支部は、北西の方角だったかと。|
|カール|どれ、僕にも地図を……。|
|カール|……ふむ。ナポレオン、君は随分と&br;変わった地図の見方をするのだねー。|
|ナポレオン|なにっ!?|
|ラップ|はぁ……&br;陛下、地図の向きを間違えておいでですよ。|
|ナポレオン|な、なんだとぅっ!? 皇帝たる余が&br;そのような過ちを犯すはずな、ど…………!|
|ナポレオン|ぐぬぬ点…この忌々しい寒さのせいだっ!&br;これだから冬というものは……。|
|アレクサンドル|…………?|
|ナポレオン|は、はーっはっはっは! このような吹雪、&br;皇帝の前ではそよ風のようなものだっ!&br;そうであろう、ラップ!|
|カール|ラップ、肩車を頼む。&br;この先の道の様子を見ておきたい。|
|ラップ|あ、はい。かしこまりました。|
|ナポレオン|おい、ラップ! お前は私の副官であろう!|
|カール|うーん、右に半歩ずれてくれ。|
|ラップ|こう、でしょうか。|
|カール|もう少し――よし、ここだ。|
|ナポレオン|ラ―――――ップ!|
|エカチェリーナ|うるさいですよ、なぽれおん。&br;さわいでいないで、地図をかしてください。&br;道あんないはアレクにまかせます。|
|ナポレオン|く……っ、く~~~~!|
|ナポレオン|ええい忌々しい……! 思い通りに&br;ならぬことばかりで、嫌なことまで&br;思い出してしまうではないか……!|
|ナポレオン|私は……&br;冬将軍にはやはり勝てないのか……!?&br;いや、そんなはずは……っ!|
|ナポレオン|ああ、〇〇……&br;心遣いに礼を言おう。&br;余は……余は平気だとも……うむ……!|
 
|兵士|あっ、89さん!&br;急ぎの任務で招集がかかっております。&br;至急集合願います!|
|89|あぁ? 勘弁しろよ。今日はミカエルの&br;ピアノ・リサイタルに行くっつー、&br;リア銃なイベが……。|
|兵士|は、89さん……?|
|89|つーわけで、俺はパスだ。&br;悪ぃが、まぁ……なんかテキトーに&br;誤魔化しとけ! じゃーな!|
|兵士|そ、そんなっ!?&br;89さんが、クリスマスに予定!?&br;まさかっ!!|
|兵士|待ってください、89さぁ――ん!!|
#endregion

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**第3話 ディナーのために [#episode3]
#region(ネタバレ注意)
|エフ|んもう!&br;クリスマスに任務だなんてあんまりだわ。&br;余程大事な任務なんでしょうね?|
|エフ|もしも、そうじゃなかったら…………。|
|兵士|ひっ!&br;いえ、非常に重要かつ&br;迅速性が求められる任務でして……。|
|兵士|例の"石"を持ち去った者が潜んでいるとの&br;報告が……。|
|エフ|ふぅん……なるほどね。こうなったら、&br;さっさと行って片付けちゃいましょ。|
|エフ|お兄様がね『ディナーは用意しておくから、&br;早く帰ってこいよ』って&br;言ってくださったのぉ♥|
|エフ|ウフフ……♥&br;アタシ、頑張っちゃうわ~!|
|兵士|は、はぁ……。|
|ナインティ|…………!|
|ベルガー|あひゃひゃひゃ! エフのやつ、&br;ザコ兵士に引かれてやんの~!&br;ダッセ~!|
|エフ|ああ?&br;やぁね、おバカと一緒に任務だなんて。&br;無駄に時間かかっちゃいそうだわ~。|
|エフ|ハァ……いい?&br;さっさと片付けてディナーにするんだから、&br;気合入れなさいよ!|
|ナインティ|『でぃなー! でぃなー!』&br;『わくわく! ぐーぐー!』|
|ベルガー|つか、あいついねーの?&br;ジェームズのおっさんが、&br;89もいるっつってたけど。|
|ナインティ|『はちきゅー いない』&br;『にげた ぴゅーん!』|
|ベルガー|あ"? あいつサボりかよ!&br;うっわ~! 俺もサボりてぇっつーの!&br;ずっりぃ~!|
|エフ|ほら、ぎゃーぎゃー言ってないで行くわよ。&br;ディナーまでには絶ッッ対に戻るんだから!|
#endregion

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**第4話 悪夢と吹雪 [#episode4]
#region(ネタバレ注意)
|アレクサンドル|くっ……この吹雪は……!&br;マスター、大丈夫ですか?|
|エカチェリーナ|このまますすむのは危険ですねー。どこかで&br;吹雪をしのげたらいいのですが……。|
|ナポレオン|むむっ! あれを見ろ。&br;民家……いや、山小屋か?&br;ともかく、あそこへ避難するのだっ!|
|ラップ|マスター、私の後ろについてきてください。&br;極力離れずに進めば、&br;風よけになりますので。|
 
|カール|ふぅ……人はいないようだな。|
|カール|やれやれ、ここまで天候が荒れるとはねー。&br;ただ、雲の流れは早い。&br;数時間もたてば出立できるだろう。|
|アレクサンドル|では、それまではできる限り&br;休息をとっておきましょう、ここまででも、&br;かなり体力を消耗したはずですから。|
|ナポレオン|うむ……。&br;さあ、〇〇、来たまえ!&br;君は奥のベッドで休むといい。|
|ラップ|皆さんも休息を。&br;私は体力には余裕がありますので、&br;見張りをしておきます。|
|ナポレオン|うむ! 頼んだぞ、ラップ。|
 
|ナポレオン|(む……? ここは……?)|
|ナポレオン|(破壊された街、焼け焦げた匂い……&br;そして、忌々しい雪……)|
|ナポレオン|(これは、あの日のモスクワの光景か……?&br;火を放たれ、焦土と化した、あの……)|
|???|……あ、……レ……か。|
|ナポレオン|(――いや、違う。これはロシアではない。&br;だが、この焦燥は現実のものだと&br;確信がある……!)|
|ラップ|……か、ナポレオン陛下!|
|ナポレオン|ハッ……!? ここは……。|
|ラップ|寝ぼけているのですか? 山小屋ですよ。&br;……随分うなされていましたが、&br;悪い夢でも?|
|ナポレオン|あ、ああ……悪い夢を……。&br;……いや、しかしこの胸騒ぎは……。|
|ナポレオン|……ラップ。皆を起こせ。&br;――先を急ぐぞ!|
#endregion

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**第5話 妨害せよ! [#episode5]
#region(ネタバレ注意)
|ナインティ|……! ……! ……!|
|エフ|ンもう、どうしたのナインティちゃん。&br;なんなのその布……あらっ!?|
|エフ|ま――っ! よく見つけたわねぇ!&br;偉いわぁ~~~!!!&br;まったく、そんなところに隠してたのね~。|
|ナインティ|……♪♪|
|エフ|ちょっとそこのアンタ!&br;ケース持ってきなさい!|
|兵士|はっ!&br;あ……”赤い石”ですか……!?|
|エフ|そう♥ アンタが触れてもきっと死ぬだけ&br;だから、絶っ対素手で触るんじゃないわよ。&br;石が砕けたらオシマイよ?|
|エフ|さ、これで仕事は済んだわ。&br;さっさとおさらばしちゃいましょ。&br;ベルガー、そっちはどーお?|
|ベルガー|あー、だいたい全部捕まえたんじゃね?&br;トラックぱんぱん。あっひゃひゃ!|
|エフ|もぉ……あとで尋問するんだから、&br;圧死しないようにしなさいよ。&br;さてと……あとは、この町の始末ね。|
|エフ|そこの兵士ちゃん! 火を放ちなさい。&br;油もまいて、徹底的に燃やし尽くすのよ。|
|兵士|はい、エフ様!|
|エフ|ウフフ……いいお返事ね♥&br;レジスタンスの護送も任せたわよ。&br;石はアタシがだ=いじに♥ 持ち帰るわ。|
|兵士|はっ、かしこまりました!|
|ベルガー|お、任務かんりょー?&br;んじゃ、早く帰ろーぜ!|
|ナインティ|『でぃなー! でぃなー! けーき♪』|
|エフ|待ってて♥ アインスお兄様~♥♥♥|
 
|エカチェリーナ|まったく……〇〇の休息も&br;じゅうぶんではないのに、&br;いきなりなんなのです?|
|ラップ|皆さん、申し訳ありません。&br;ですが、こういう時の陛下は&br;馬鹿にできませんので……。|
|アレクサンドル|エカチェリーナ。&br;ここは彼についていきましょう。|
|エカチェリーナ|……しかたありませんねー。|
|カール|彼が持つ閃きの才に、&br;一目置いている者は多いと聞く。&br;僕も異存ないよ。|
|ナポレオン|……むむっ!&br;見ろ、町から煙が上がっているぞ!|
|全員|…………!|
|カール|目的地の町ではないが……&br;奴らは目標を変えたのか?&br;ともかく、急いだ方がよさそうだ。|
|ナポレオン|いや……その前に、”あれ”を止めるべきだろう。&br;向こうからくるトラック――……|
|ナポレオン|あれは、世界帝軍の人員輸送車両だ。&br;捕虜を運ぶ時に使用する、な。&br;……おい、ラップ!|
|カール|トラックを止めるぞ!&br;アレクサンドル、ラップ。&br;先に仕掛けて注意を引いてくれ!|
|ラップ&&br;アレクサンドル|はい!|
|ナポレオン|なっ……!&br;むうぅ!&br;この皇帝を差し置くとは……!|
|ナポレオン|私が……&br;いや、余こそが皇帝だ~~~っ!|
|ナポレオン|ええい、止まれ~~~~!|
|運転手|な、なんだ!? 人!?|
|>|キキ――ッ!|
|ナポレオン|そうだ! 余は皇帝ナポレオン!&br;余を前にすれば大軍も進むにあたわず!&br;ましてトラック数台なぞ言うまでもなしだ!|
|ラップ|ちょ……陛下、何をしているんです!&br;轢かれますよ!|
|カール|へぇ、彼も無茶をするねー。&br;うん、面白い!|
|ナポレオン|さぁ――総員、かかれっ!!|
#endregion

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**第6話 燃えゆく町 [#episode6]
#region(ネタバレ注意)
|ナポレオン|はーっはっは!&br;まさしく快勝、であるなっ! 流石は余!&br;皇帝ナポレオン!!|
|ラップ|まったく……陛下は無茶をしすぎです。&br;少しは危険を顧みていただかないと。|
|ラップ|いえ……そもそも、陛下から目を離した私が&br;間違っていましたね。|
|ナポレオン|そうであろう! 反省したならば、今後は&br;私の副官としてより一層励むことだな。&br;はっはっは!|
|エカチェリーナ|なぽれおんはどうして自慢げなのでしょう。&br;ちっとも褒められてはいませんのに……。|
|アレクサンドル|カ、カーチャ……!&br;し~っ、ですよ……!|
|カール|君たち、大事はないか?&br;町で一体何があった。|
|レジスタンス男性A|俺たちにもよくわからない。&br;いきなり、奴らが町へ攻めてきて……。|
|レジスタンス男性B|町は一体どうなっちまったんだ?&br;急いで戻らないと……!|
 
|アレクサンドル|ああ、なんてひどいことを……。|
|ラップ|この匂いは……油ですね。道理で、&br;この雪でも燃え続けているわけですか。|
|レジスタンス男性A|俺たちの町が……。|
|レジスタンス男性B|……っ、もうおしまいだ……。|
|ナポレオン|いいや、まだ諦めるのは早い。&br;幸いにして雪は山程ある。消化するぞ!|
|ナポレオン|諸君の大切なものが、&br;少しでも多く残るように務めるのだ!|
|エカチェリーナ|……ええ、そのかんがえには&br;ぼくも同意しますー。&br;さあ、アレク。ぼくたちもやりますよ。|
|アレクサンドル|はい、エカチェリーナ。|
 
|アレクサンドル|……はっ!&br;カーチャ、スカートに火がっ!|
|エカチェリーナ|……っ! いえ、このくらい&br;だいじょうぶです。ぼくよりも、&br;じぶんのてもとに集中なさい。|
|カール|消火もいいが、程々にねー。&br;レジスタンス奪還の情報が入れば、&br;奴らがまた攻めてくるかもしれない。|
|カール|早々に避難することを、&br;勧め、るよ…………。|
|ナポレオン|む!?&br;カールよ、どうした!?|
|エカチェリーナ|ねつは……ないようですね。&br;みたところ、けがもありませんし……。|
|アレクサンドル|……もしや、レオポルト殿が言っていた&br;あれでしょうか。力を使いすぎると、&br;気を失ってしまうとか……。|
|レジスタンス男性A|おーい! 森の教会が無事だったぞ!&br;逃れた奴らも全員そこだ!|
|レジスタンス男性B|ああ、良かった……!&br;おい、君らもそこで休んでくれ。&br;あそこには毛布も食料もあるんだ。|
|アレクサンドル|お気遣い痛み入ります。&br;ですが……よろしいのですか?|
|レジスタンス男性A|ああ、あなた達は恩人だからな、&br;これくらい当然さ。俺たちも、&br;あらかた片付けが済んだら教会に向かうよ。|
#endregion

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**第7話 皇帝の閃き [#episode7]
#region(ネタバレ注意)
|エカチェリーナ|ぴくりとも動きませんけれど……&br;ほんとうに大丈夫なのです?|
|アレクサンドル|ええ。レオポルト殿の話では、&br;心銃で力を使いすぎると気を失う――&br;というより、眠ってしまうそうです。|
|エカチェリーナ|ふぅん……&br;では、疲れてねむっている、と&br;かんがえてよいのですね。|
|エカチェリーナ|さっきはかつやくしていましたし、&br;今はゆっくり休ませてさしあげましょー。|
|アレクサンドル|ふふ……ええ、そうですね。|
|男の子|う……、ぐすっ……&br;僕のおうちがぁ……。|
|女の子|パパ、ママぁ……&br;怖かったよぉ……ぐすっ。|
|アレクサンドル|ラップ殿、その子たちは……?|
|ラップ|麓の町へクリスマスの買い物に行っていて&br;事なきを得たそうです。&br;ですが、家はあの有様ですので……。|
|アレクサンドル|……。&br;子供たちにとっては、&br;尚の事辛い出来事でしたね……。|
|エカチェリーナ|大切なおうちが&br;なくなってしまったのですからね……。&br;今は――。ああ、ありました。|
|エカチェリーナ|さあ、こっちにおいでなさい。ぼくの&br;とっておきのくっきーをさしあげます。|
|エカチェリーナ|甘いものは、&br;ちょっぴりげんきをくれるのですよー?|
|子供たち|うん……、ありがとう。|
|ナポレオン|私も何か……。むむっ、何もないだと……!&br;菓子のひとつやふたつでも&br;持ってきておけば……!|
|ナポレオン|いやっ!&br;それを今考えても仕方あるまい。&br;ならば、余にできることは……っ|
|ラップ|陛下、木の下をうろうろするのは&br;やめておいた方がよいのでは?&br;雪が落ちそ――|
|ナポレオン|ふぎゃっ!!|
|ラップ|…………ふっ。|
|ナポレオン|つ、つつつ冷たいっ!&br;何をするのだ、ラップ!|
|ラップ|いえ、私は何も。雪が落ちそうだと&br;忠告申し上げようとしたところでしたが。|
|ナポレオン|くぅ……! 気付いていたのならば、&br;もっと大きい声で早く言わんか!&br;おい! 笑いを堪えているな!?|
|ラップ|いえ? 笑うなどそんな……。|
|ナポレオン|肩が震えているではないか!&br;お前など……こうだっ!|
|ラップ|……っ! おやめください、陛下。&br;雪合戦をしている場合ですか?&br;マスターにも当たってしまいますよ。|
|ナポレオン|ふふん、皇帝のコントロールは完璧なのだ。&br;○○には&br;万が一つにも当てまい! それっ!|
|ラップ|ちょ……大人げないですよ。&br;あれは私のせいでは……ぷっ。|
|ナポレオン|こら! 避けるな!&br;皇帝の怒りを知れーい!|
|ラップ|あ、陛下。また木から雪が……。|
|ナポレオン|のわあああっ!!|
|ナポレオン|…………。|
|ラップ|陛下? 大丈夫ですか?|
|ナポレオン|……木――、そうだ、木だ!!&br;閃いたぞっ!!|
#endregion

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**第8話 優しい光 [#episode8]
#region(ネタバレ注意)
|カール|ん……、&br;ああ、僕は眠ってしまっていたのか……。|
|エカチェリーナ|あら、目がさめたんですね。&br;ないすたいみんぐ、ですー。|
|エカチェリーナ|あなたも動けそうなら、&br;かざりつけをてつだってくださいな。|
|カール|飾り付け?&br;……ああ、なるほど。&br;そういえばクリスマスだったな。|
|エカチェリーナ|ええ。&br;おそとにはたくさん気がありますから、&br;1本をくりすますつりーにするのですよ。|
|エカチェリーナ|落ち込んだ人々を元気づけようと……。&br;なぽれおんも、なかなか冴えたことを&br;かんがえますねー。|
|エカチェリーナ|なぜか雪まみれで、&br;くしゃみをれんぱつしていましたけど。|
|アレクサンドル|外にいらっしゃる時には、&br;そちらの服をどうぞ。街の人が&br;差し入れてくださった防寒着ですよ。|
|カール|ほう……これは暖かそうだね。&br;着替えたら僕も手伝いに行くとしよう。|
 
&attachref(./第8話 優しい光1.jpg,zoom,第8話 優しい光1,259x200);
 
|エカチェリーナ|○○、&br;りぼんはこのあたりでどうでしょう。|
|エカチェリーナ|もうちょっとみぎ……このあたりですね。&br;ふふっ……&br;とってもすてきにしあがりそうですー。|
|アレクサンドル|カーチャはいつも服を作っているからか、&br;飾り付けのセンスは抜群ですね。|
|アレクサンドル|きっと、素晴らしく&br;幻想的なツリーになるでしょう……!|
|エカチェリーナ|うふふ。&br;まだここしかおわっていないのですから。&br;さきは長いですよー?|
|アレクサンドル|ええ。共に力を合わせて&br;頑張りましょうね、カーチャ。|
 
&attachref(./第8話 優しい光2.jpg,zoom,第8話 優しい光2,259x200);
 
|カール|おお……! これはすごいねー。&br;僕が寝ている間に、&br;随分華やかになったものだ。|
|カール|さて、何か手伝うことはあるかなー?|
|ラップ|では、下の方の飾り付けをお願いしても?&br;このオーナメントを――。|
|ラップ|……っ!&br;えっ、ト、トナカイ……?|
|カール|ははっ! 君は動物に好かれるたちかな?&br;クリスマスにトナカイ。&br;実に結構じゃないか。|
|ラップ|ちょっ……やめてください。&br;それは食べ物ではありませんよ。|
|ラップ|いえ、マスターも笑っている場合では……。&br;はぁ……困りましたね。|

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**第9話 クリスマス・キャロル [#episode9]
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&attachref(./.jpg,zoom,,259x200);
|ナポレオン|ラップ! その飾りはもう少し上だ。&br;頂点の星は完璧な配置で頼むぞ!&br;……うむ、それで良し!|
|ナポレオン|○○! もういいぞ、&br;目を開けたまえ。『クリスマスツリー&br;~皇帝スペシャル~』の完成だっ!|
 
&attachref(./第9話 クリスマス・キャロル.jpg,zoom,第9話 クリスマス・キャロル,259x200);
 
|ナポレオン|はっはっは! どうだね?&br;素晴らしい出来だろう。|
|ナポレオン|さあ、〇〇。そして皆も!&br;こちらへ来てよく見るがいい!|
|女の子|わぁ……! すごい!&br;おっきいクリスマスツリーだ……!|
|男の子|すっげぇ……!&br;こんなにでっかくてきれいなツリー、&br;見たことないよ!|
|ナポレオン|うむうむ、そうであろう?&br;見る目があるぞ、子供らよ!|
|ナポレオン|ふふ……○○も&br;気に入ったようで何よりだ。|
|ナポレオン|……いや、礼には及ばん。&br;余は皇帝であるからして、皆を助け、&br;前へと導くのは当然なのだからなっ!|
|ナポレオン|しかし……&br;それはそうとして、〇〇。|
|ナポレオン|君が笑顔になってくれたなら、&br;総指揮をとった甲斐もあるというものだ。&br;私も嬉しく思うぞ。|
|ナポレオン|さて……諸君。大切な住まいを奪われ、&br;町を壊された君たちの悲しみや悔しさは&br;計り知れぬ……。|
|ナポレオン|だが、今日はクリスマス・イブ。&br;聖なる夜だ。|
|ナポレオン|真白く美しいこの夜が、諸君の心を&br;少しでも慰めてくれるよう……&br;我らも共に願い、寄り添おう。|
|ナポレオン|さあ、今宵は皆で&br;クリスマス・キャロルを歌い、&br;温かな夜を取り戻そうではないか!|
|ナポレオン|奴らの非道をもってしても、&br;我々レジスタンスの心は&br;折れぬのだからなっ!|
|レジスタンス男性|……クリスマス・キャロルか。&br;久しく歌ってないが……。|
|男の子|大丈夫、僕は知ってるよ!&br;それに、もしわからなくても赤い髪の&br;おじさんが教えてくれるって。ねっ?|
|ナポレオン|いかにも!&br;しかし……おじさんではなく、皇帝陛下、&br;もしくはお兄さんと呼びたまえ!|
|男の子|はーい、こうていへーか!|
|ラップ|ぷっ……。|
|ナポレオン|おい、聞こえているぞラップ!|
|ナポレオン|……ゴホン。&br;それでは皆、準備はいいかね?&br;1、2、3~♪|
|カール|ナポレオン――&br;彼の周りには自然と人が集まって、&br;笑顔の輪ができている……。|
|カール|あれが彼の”カリスマ”なのだねー。&br;思い込みは時に人を強くする、&br;といったところかな?|
|カール|いや……あれは、”彼”自身が持つ力か。&br;……僕らは良い仲間を持ったものだね、&br;○○。|
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**第10話 帰るべき場所 [#episode10]
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&attachref(./.jpg,zoom,,259x200);
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