イベント/DOUBLE FACE ―或る男の裏切り―/エピソード の変更点


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**第1話 新たな幹部補佐官 [#episode1]
#region(ネタバレ注意)
|兵士1|中佐、大変申し訳ありません……。&br;明朝までに&br;代わりの車両を手配してまいります。|
|世界帝軍・上官|当然だ。まったく……&br;今度は予備のタイヤも多めに積んでおけ。&br;この辺りは随分と道が悪いようだからな。|
|兵士2|はっ、はしこまりました。本日は急ぎ&br;この先の宿を取っておりますので、&br;そこまで案内させていただきます。|
|世界帝軍・上官|必要ない。早く行け!|
|兵士1・2|はっ!|
|世界帝軍・上官|宿は……角のあれか。&br;フン……まともなサービスは&br;期待できそうにないな。|
|キセル|──安心しな。アンタは別の所で&br;しばらく眠ることになるんだからよ。|
|世界帝軍・上官|なっ……何だ貴様は……!|
|キセル|ハッ、答える義理はないねェ。|
|世界帝軍・上官|ぐっ……ぅ……!|
|???|コードネームは“スモーク”か。&br;……これで俺も、&br;世界帝軍の仲間入りってわけだな。|
 
|兵士1|今日からだったっけか?&br;新しい幹部補佐官が来るのって。|
|兵士2|ああ。名前は……なんて言ったかな。&br;確か、モ……?&br;いや、フ……?|
|兵士3|“スモーク”だろ。技術面にも理解がある&br;優秀な中佐だって聞いたぜ。|
|兵士1|ふぅん、スモーク中佐か。&br;……特別幹部と同じで、&br;コードネームっぽい感じだな。|
|兵士3|しっ! 来たみたいだぞ。|
|スモーク|……ん? 出迎えか。&br;いい心がけじゃねぇか。今日から着任する&br;幹部補佐官のスモークだ。話は聞いてるな?|
|兵士たち|はっ!|
|スモーク|てめえらは荷物を運べ。&br;1人は基地の案内を頼むぜ。|
|兵士1・3|了解しました!|
|兵士2|では、自分が案内をさせていただきます。&br;ええと、まずは……。|
|スモーク|基地の大まかな構造は資料で見ておいた。&br;詳しく案内してもらいてぇのは、&br;研究室と工場部分だな。|
|スモーク|この基地は、&br;新兵器製造のために作られたんだろ?|
|スモーク|だが、重要機密に当たるからって、&br;そのあたりの施設について&br;ほとんど資料が渡されてねぇんだ。|
|兵士2|かしこまりました。ご案内します。&br;……こちらへどうぞ。|
 
|兵士2|こちらが研究室です。現在は、&br;大量生産が容易な、小型で威力の大きい&br;新型通常兵器の試作を進めています。|
|スモーク|ほう……通常兵器を優先してるのか。|
|兵士2|はい。&br;ミルラミサイルの製造よりも費用を抑え、&br;量産もしやすくなっております。|
|兵士2|ミルラと同様、局所的に高威力の攻撃が&br;可能です。帝府へ反抗的な輩へ使うのに&br;もってこいですよ。|
|スモーク|……へぇ。そいつは随分と&br;頼もしい兵器になるんだろうな。|
|兵士2|ええ。開発チームによると、完成は&br;目前だそうです。地上階にある工場で、&br;随時試作品を製造しています。|
|兵士2|完成したあかつきには、&br;褒賞も出るかもしれませんね。&br;中佐はいい時期にいらっしゃいましたよ。|
|スモーク|ははっ……まったくその通りだな。|
|兵士2|スモーク中佐、&br;次は工場の方へご案内しますね。|
|少尉|──おい、&br;浄水業者のリストアップは済んだか?|
|兵士4|はい、こちらです。週明けに&br;取り急ぎ2社が来訪予定となっております。|
|スモーク|ん……? 浄水業者?|
|兵士2|ああ……新たに掘った井戸の件ですね。&br;飲用にも使えるようにするには、&br;特殊な浄水装置が必要なんだそうです。|
|スモーク|ほう……なるほどな……。|
#endregion

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**第2話 契約を勝ち取れ! [#episode2]
#region(ネタバレ注意)
&attachref(アルバム/イベント/2019/第2話 契約を勝ち取れ!.jpg,zoom,第2話 契約を勝ち取れ!,259x200);
 
|イエヤス|──ここが例の基地か。&br;我が社の浄水しすてまを売り込む絶好の機会&br;……なんとしても契約を取り付けるぞ!|
|アリ・パシャ|“しすてま”ではなく“システム”だ。&br;そんなことよりも、なぜ俺様が&br;鞄持ちなどせねばならんのだ!|
|イエヤス|いいではないか。&br;君は新人営業マンという設定なのだから、&br;それらしくあらねばな。|
|アリ・パシャ|チッ……覚えていろよ……!|
|ラップ|──先程の言葉、聞き捨てなりませんね。&br;成約するのは我が社です。&br;あなた方には譲りませんよ。|
|イエヤス|君は……&br;クリスタル・ヴァッサー社のエリート、&br;ラルフ・ホフマンか。|
|イエヤス|我が社のエースだった君が、&br;競合会社に引き抜かれ、&br;こうして対立することになるとはな……。|
|ラップ|商売の世界ではよくある話かと。&br;……お手柔らかに頼みますよ、“部長”。|
|アリ・パシャ|…………。|
|アリ・パシャ|くだらん茶番はもういいだろう!&br;さっさとこの爆薬を届けて帰るぞ。|
|イエヤス|いや、さっさと出ていってはまずかろう。&br;相応に時を稼がなければなるまい。|
|イエヤス|俺達が基地のお偉方を相手に&br;売り込みをしている間……&br;キセルが爆薬を設置するのだからな。|
|ラップ|ええ、ですから、役になりきり&br;真剣に売り込みバトルを繰り広げなくては。&br;……スーツ、お似合いですよ。|
|アリ・パシャ|くっ……&br;何故この俺様がこんなふざけた作戦に……!|
 
|>|──5日前|
|恭遠・グランバード|世界帝軍が新たな兵器の開発を&br;進めているという情報が入った。&br;完成間近という噂もあるようだ。|
|恭遠・グランバード|兵器についての詳細は不明だが、完成して&br;しまえば、我々レジスタンスにとって&br;非常に不味い事態になる。|
|恭遠・グランバード|そこで、新兵器及びその製造技術の&br;抹消作戦を決行する。基地には既に、軍部の&br;人間になりすましたキセルが潜入済みだ。|
|アリ・パシャ|それは結構だが、あとはどうするんだ。&br;内部構造を把握した上で&br;奇襲でも仕掛けるか?|
|恭遠・グランバード|いや、こちらの被害を最小限に抑えるため、&br;大掛かりな襲撃はしない方針だ。|
|ラップ|ふむ……となると、&br;妥当なのは爆破でしょうか。|
|ラップ|内部にも爆薬はあるでしょうから、&br;小規模な爆破から&br;大爆発を引き起こすことも可能かと。|
|恭遠・グランバード|ああ。君たち3人にはそのための&br;遠隔起爆装置付き爆弾を&br;基地へ運び込む役割を頼みたい。|
|アリ・パシャ|……待て、俺様もか?&br;配達業者という風貌ではあるまい。|
|恭遠・グランバード|いや、君たちに頼みたいのは&br;配達業者ではない。&br;浄水器の営業マンだ。|
|アリ・パシャ|はぁ……!?|
|恭遠・グランバード|やり手の若手ビジネスマンに見えそうな&br;顔ぶれということで、&br;〇〇たちと考えたんだが……。|
|アリ・パシャ|はっ、冗談はそこまでに──|
|イエヤス|なあ、アリ・パシャ。耳を貸してくれ。|
|アリ・パシャ|む……?&br;いきなり何だ!|
|イエヤス|まあまあ。時には君風の流儀で行くのも&br;手かと思ってな。&br;実は俺は、君が──で、──を──……|
|アリ・パシャ|なっ……、貴様がなぜそれを知って……!?|
|イエヤス|はっはっは。さて……どうだ?&br;レジスタンスのための重要な作戦、&br;君も手を貸してくれるだろうか。|
|アリ・パシャ|チッ……!|
|イエヤス|応、だそうだぞ。&br;〇〇、恭遠。|
|恭遠・グランバード|……?&br;た、助かるよ。それじゃあ、&br;作戦について細かく詰めていこう。|
 
|ラップ|そろそろ時間ですね。&br;“本物”を捕らえに行きますか。基地では&br;リハーサルした通りにお願いしますよ。|
|イエヤス|うむ。俺は上司で、&br;アリ・パシャは新人の部下だったな。&br;……期待しているぞ、アリ・パシャ。|
|アリ・パシャ|イエヤス……よもや貴様も&br;情報線を得手としているとはな……。|
|イエヤス|なに。&br;他の情報を追う中で偶然知り得ただけさ。|
|ラップ|……さあ、行きましょうか。|
#endregion

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**第3話 侵食する傷 [#episode3]
#region(ネタバレ注意)
|ベルガー|アリンコが17匹~アリンコが18匹~、&br;アリン……&br;うおっ、一気に出てくんなっての!|
|ベルガー|はぁ~あ、連続プチプチ記録&br;途切れちまったじゃねぇかよ~。&br;つまんねぇの。|
|ラブ★ワン|……あれ?&br;ベルぴょーん。こんなとこで何してんの?|
|ベルガー|それがよ~!&br;虫を喰うおもしれぇ草があったから&br;あの人んとこ持ってったらよぉ。|
|ベルガー|モーゼルの野郎が&br;「雑菌まみれのものを持ってくるな!」とか&br;怒鳴って、追い返しやがって……。|
|ベルガー|あいつマジうぜぇ~!&br;ヒマだから、ここで蟻潰して遊んでんの。|
|ラブ★ワン|あらら……モーたんピリピリしてるねぇ。&br;マスターの傷、かなり悪化してるみたいだし&br;無理もないか。|
|ベルガー|あー、そういやちらっと見えたとき、&br;あの人肩のあたり押さえて呻いてたぜ。|
|ラブ★ワン|おいらたちを呼び覚ました時は、&br;まだ腕におさまってたと思うんだけど……&br;だいぶ進行してるねぇ。|
|ベルガー|ニンゲンは修理できないから不便だよなー。&br;それよかさぁ、なんか面白いことねぇ?&br;暇すぎて死にソ!|
|ラブ★ワン|んー……、あ、そうだ!&br;どっかの基地で新しい激アツな兵器作ってる&br;って話があったよん★|
|ベルガー|お、いーじゃん!&br;試し撃ちでもして遊ぼうぜ。&br;あひゃひゃひゃ!|
 
|エフ|……あら、アンタたちも来たのね。|
|ベルガー|うげ! お前もいたのかよ。&br;……つか、そいつダレ? 新入り?|
|エフ|異動してきた新しい幹部補佐官。&br;コードネームはスモークですって。&br;このコ、あんまり可愛げがないのよねぇ。|
|スモーク|…………。|
|ラブ★ワン|おっと、クール系なカンジ?&br;エフちんの好みは、おっちょこちょいで&br;イジメ甲斐のある子だもんねー。|
|ベルガー|ぷぷっ。&br;調教されないように&br;せいぜい気をつけろよ~。|
|エフ|……で、マスターの調子はどうなの?|
|ラブ★ワン|一言で言うと、絶不調。&br;なーんでどんどん傷が悪化してんだろうね?|
|ラブ★ワン|ファルるんが言うには、この間見たとき&br;向こうのマスターはピンピンしてたって。|
|ラブ★ワン|それどころか、&br;前に見た時より傷が治ってたらしいよ?&br;何が違うんだろ。|
|エフ|アタシもその話は聞いたわ。でも──&br;……あ。&br;スモーク、アンタはもう戻っていいわよ。|
|スモーク|はい。|
|エフ|……アタシたちを貴銃士にした力の源って、&br;あの傷でしょ?|
|エフ|ファルちゃんが言ってたの。&br;傷が治ったら、&br;貴銃士も消えちゃうんじゃないかって……。|
|エフ|マスターのことは心配だけど、&br;きっとあの傷は治らない方がいいのよ。|
|ラブ★ワン|フゥ~★ ってことは、ドブネズミちゃん、&br;おいらたちが退治する前に&br;自滅するかもジャ~ン!?|
|スモーク|……っ!|
#endregion

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**第4話 3人の営業マン [#episode4]
#region(ネタバレ注意)
|イエヤス|13時からの商談で参りました、&br;ピュア・ウォーター社の&br;スルガ・ウィリアムズです。|
|アリ・パシャ|同じく、アリー・パターソンです。|
|ラップ|私はクリスタル・ヴァッサー社の&br;ラルフ・ホフマンです。|
|門兵|ああ、例の浄水器業者だな。&br;話は聞いている。&br;まずは来訪者名簿に名前を。|
|ベルガー|ん? そいつら何だ?|
|アリ・パシャ|……っ!|
|イエヤス|こちらの基地で&br;高性能な浄水装置が必要とのことで、&br;弊社製品のご案内に参りました。|
|イエヤス|不純物を取り除き、&br;必要なミネラルはしっかり残し、&br;美容と健康に良い水を──。|
|エフ|美容に良い、ですって……?&br;それは素敵ね!&br;アタシからも口添えしといてあげるわ♥|
|ラブ★ワン|フゥ~!&br;エフちんってば美意識高~い!|
|兵士1|よし、名前は書いたな。&br;セキュリティチェックへ進め。|
|イエヤス|……はい。|
|アリ・パシャ|(おい、“あいつ”がいないではないか!&br;あいつがセキュリティチェックを&br;パスさせる段取りだろう!)|
|ラップ|(ええ……&br;何か、トラブルでもあったのでしょうか)|
|イエヤス|(さて、どうするか……&br;鞄の中身が露見するとまずいことになるぞ)|
|兵士1|おい、どうした? 早く進め。|
|全員|…………。|
|スモーク|お、ここが噂のセキュリティチェックだな。&br;最新の探知機を使ってるんだろ?&br;見学するぜ。|
|兵士1|スモーク中佐!&br;ええ、最近導入したばかりのものでして──&br;あれ? 探知機がないな……。|
|兵士1|さっきまではここに……&br;いえ、急ぎ予備の機材を取ってまいります!|
|スモーク|……鞄をこっちに。|
|イエヤス|やれやれ、&br;序盤から危ういところであったなぁ。|
|ラップ|小型爆弾6個と&br;遠隔起爆装置が入っています。|
|スモーク|……ああ。|
|アリ・パシャ|……あいつ、&br;何やら様子がおかしくはなかったか。|
|イエヤス|うむ……もう5日も敵の基地にいるのだ。&br;気が張っているのかもしれんな。|
|兵士1|大変おまたせし──&br;あれ、スモーク中佐は……?|
|ラップ|特別幹部の方に呼ばれたそうで、&br;慌てて行かれましたよ。|
|兵士1|あー……そういうことか。&br;セキュリティチェックをする。&br;鞄を開けて台の上に並べるように。|
|全員|…………。|
|兵士1|──よし、問題ないな。&br;真っすぐ進んで、右手の第3会議室へ進め。|
|イエヤス|あいわか……かしこまりました。|
#endregion

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**第5話 連携プレー [#episode5]
#region(ネタバレ注意)
|少尉|えー、それでは&br;クリスタル・ヴァッサー社の方から&br;始めてください。|
|ラップ|承知いたしました。|
 
&attachref(アルバム/イベント/2019/第5話 連携プレー.jpg,zoom,第5話 連携プレー,259x200);
 
|ラップ|この度は我が社へお声がけいただき、&br;誠にありがとうございます。|
|ラップ|我が社が誇る浄水器は、どこよりも高性能な&br;ろ過フィルターを搭載し、&br;不純物を超微粒子まで除去できるのです!|
|ラップ|ご覧ください。この泥水、&br;この通り濁っており&br;飲めるものではありませんが……。|
|ラップ|我が社の浄水器を使えば……この通り!|
|兵士たち|おお~!&br;綺麗で美味そうな水になったぞ……!|
|ラップ|ええ。泥水すらもたちまち、&br;清浄な飲料水に変わるのです!|
|兵士たち|これはすごいな……!|
|ラップ|ありがとうございます。フィルター掃除や&br;交換などの面倒なメンテナンスも、&br;我々にお任せください。|
||~略~|
|イエヤス|──さらに今なら、&br;オプションのオゾン処理装置まで加えて&br;お値段はそのまま!|
|少尉|ほうほう……!|
|ラップ|くっ……では、こちらは高品質の&br;粒状活性炭フィルターを付けましょう……!|
|少尉|ふむふむ……&br;どちらも実に興味深い……!|
|アリ・パシャ|……くだらん。さっさと決めてしまえ。&br;どうせ大差はあるまい。|
|少尉|む……?&br;何か言ったかね、君。|
|イエヤス|おっと、これは失礼。&br;アリーくんの独り言は&br;気にしないでいただければと。|
|ラップ|ええ。どうぞじっくりご検討ください。&br;よろしければ、&br;水の飲み比べはいかがでしょう。|
|少尉|そうだな、試してみるとしよう。|
 
|スモーク|研究室、武器庫。&br;残りは試作品に取り付けて──。|
|スモーク|……ん?&br;これは……どっかの城の見取り図か?&br;ずいぶんと警備が堅いが……。|
|スモーク|……!&br;まさか……!|
 
|マルガリータ|……あ、来た来た!&br;お疲れ様、トレーガー。&br;はい、おやつにカボチャの種だよ。|
|マルガリータ|んで、手紙は──っと。&br;よかった、ちゃんと付いてる!&br;さっすがドライゼさんが訓練した鳩だね!|
|マルガリータ|外すから、そのままじっとしててね。&br;……よし、と!|
|マルガリータ|それじゃ、急いで皆のところに行こう!|
#endregion

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**第6話 森の中で [#episode6]
#region(ネタバレ注意)
|ベルガー|おーい、お前!&br;そこのお前だよ!|
|兵士|……はっ!&br;なんでしょうか?|
|ベルガー|ここで新しい兵器作ってんだろ?&br;10発くらい寄越せよ。&br;試し撃ちしてやっからさぁ! アヒャヒャ!|
|兵士|い、いえ! それは無理です!|
|ベルガー|あぁ? なんでだよ!&br;別に減るモンでもねぇし、&br;それくらいいいだろ!?|
|エフ|はぁ……お馬鹿ね。&br;撃ったらどう考えても減るでしょうよ。|
|ラブ★ワン|エフちん、ツッコミナイスゥ~ッ!&br;フゥ~!|
|ベルガー|うるっせぇな! 一発くらいいいだろ?&br;ケチケチすんなよ。|
|兵士|出し惜しんでいるのではなく&br;不可能なんです! まだ試作段階の&br;未完成品なので、発射できる状態では……。|
|ベルガー|はぁ~あ! つっまんねぇーの!&br;わざわざここまで来てやったのによぉ!|
|ベルガー|お前あとで罰金な!&br;コーク1ダース買ってきやがれこの野郎!|
|兵士|は、はぁ……。|
|ラブ★ワン|ちょちょ、ベルぴょんどこ行くの?|
|エフ|はぁ……バカの相手は疲れるわぁ。&br;あらやだ、爪が割れてる。磨かないと~。|
 
|ベルガー|あ゛~~~っ、クソ! 外した!&br;逃げんな焼き鳥!|
|ラブ★ワン|え、ベルぴょん、小鳥食べるつもり?&br;美味しくなさそうじゃ~ん??|
|ベルガー|だってやることねーしー。&br;鳥じゃなくて熊とか鹿とか?&br;なんかでかくて食えそうなのいねーかな。|
|ベルガー|にっくにく~コークー♪&br;……あ? 何だこいつら。おい、ラブワン。&br;こっちで3人昼寝してんぞー。|
|ラブ★ワン|おおっと、侵入者?&br;端っこも端っこだけど、世界帝軍基地の&br;敷地内で昼寝なんて大胆だね~★|
|ラブ★ワン|何かIDは……お、名刺はっけーん!&br;えーっと、ピュア・ウォーター社……?|
|ラブ★ワン|これ、さっき門のところにいた業者と&br;同じじゃ……?&br;ってことは……。|
|ベルガー|ん?&br;なんかオモシロそうなやつ??|
|ラブ★ワン|フゥ~! オモシロそうなやつキタ~★&br;基地に戻るよ~ん!|
#endregion

&aname(top){上へ戻る};
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**第7話 迫る危機 [#episode7]
#region(ネタバレ注意)
|ラップ|えー……続きまして、&br;ランニングコストについての説明を&br;させていただきます。|
|ラップ|資料を配布しますので、&br;そちらを見ながらお聞きください。|
|アリ・パシャ|(……おい、あいつからの合図はまだか?&br;一体いつまでこの茶番を続ければいい)|
|イエヤス|(わからん。&br;何か問題が起きたのかもしれんな……)|
|アリ・パシャ|(であれば、予備隊を呼んで&br;突入に切り替えないと、あいつも危ういぞ)|
|イエヤス|(うむ……よきところで話を切り上げて、&br;キセルの状況を確認するとしよう)|
||──バンッ!|
|スモーク|侵入者を捕縛しろ。|
|兵士たち|はっ!|
|アリ・パシャ|……っ、いきなり何をする!&br;我々はあなた方軍部の招集で&br;商談に来たのに──|
|スモーク|──黙れ。&br;お前らが偽物だということはわかっている。|
|イエヤス|…………!|
|ラブ★ワン|残念だったね~。&br;おいらたち、森の中散歩してたら&br;“本物”見つけちゃってさぁ★|
|ラブ★ワン|殴ってみても起きないし、&br;君たちが薬でも使って眠らせたんでしょ。|
|ラブ★ワン|……森の中に隠しとけば&br;見つからないとでも思った?&br;ハッ、甘すぎー!|
|ベルガー|うくく……ザマァ!&br;お前らの尋問が終わったらぁ~、&br;俺が的にして遊んでやんよ! あひゃひゃ!|
|ラブ★ワン|スモーク。おいら尋問下手っぴだし、&br;お前に任せちゃうよぉん!|
|ラブ★ワン|基地に潜り込んで何をしようとしてたのか、&br;そいつらの目的と正体……&br;きっちり聞き出せ。いいな?|
|スモーク|承知。|
|スモーク|……おい、こいつらを連れていけ。|
|アリ・パシャ|くっ……! 離せ! 気安く触れるな!|
|イエヤス&ラップ|……ッ!|
|スモーク|喚くな。話ならたっぷり聞いてやる。&br;──地下牢の中で、な。|
#endregion

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**第8話 地下に響く苦悶の声 [#episode8]
#region(ネタバレ注意)
|兵士|入れ! ぐずぐずするな!|
|ラップ|くっ……!|
|スモーク|鎖で繋いだら、お前たちは外してろ。|
|兵士たち|はっ、かしこまりました!&br;……こちらお使いください!|
|スモーク|鞭か。さぁて……お楽しみの時間だな。&br;泣くも喚くも好きにしろ。&br;情報だけはきっちり吐いてもらうぜ?|
 
|スモーク|さあ、言え!&br;誰の差し金でこの基地に来た。目的は何だ?|
|アリ・パシャ|ふん……俺は何も話さない!|
|スモーク|へぇ……その決意がいつまで保つか、&br;見ものだな。|
|アリ・パシャ|……ぐぅっ!|
|スモーク|どうだ?&br;これで少しは気が変わってきたか?|
|アリ・パシャ|……っ、黙れ下郎。&br;……ぐああああっ!!|
|アリ・パシャ|俺は、何も……っ、っく……!&br;あ゛ぁああっ!!!|
|兵士1|う……、&br;スモーク中佐は割と穏やかな人だと&br;思ってたけど……。|
|兵士2|ああ……&br;やっぱり、幹部補佐官まで上り詰めるだけは&br;あるよな……。|
|エフ|ウフ♥&br;拷も──じゃなくて、尋問してるって&br;聞いて来たんだけど。|
|アリ・パシャ|やめ、ろ……っぐ、……ぁああ゛っ!|
|エフ|あら……いい声で鳴くじゃない♥&br;ゾクゾクしてきちゃった……&br;アタシも楽しんじゃおうかしら♥|
|兵士2|うわぁ……終わったな、あいつら。|
|兵士1|……外に出とくか。|
|兵士3|そうだな……。|
 
|エフ|新入りちゃん、&br;アンタなかなかやるじゃな──&br;んぐっ!|
|エフ|んんんん、んんんん゛!|
|キセル|何言ってるかさーっぱりわからねぇぜ、&br;特別幹部サンよぉ。|
|キセル|まあ、言いてェことは見当がつくがな。&br;「裏切ったのか」「グルだったのか」とか、&br;そんなとこだろ?|
|キセル|ハッ……俺は最初っから、てめぇらの&br;仲間なんかじゃねぇ。本物の仲間を&br;傷つけるわけもねぇ。そういうことだ。|
|アリ・パシャ|ふん、間抜けめ。俺様の芝居に騙されたな。&br;……貴様のことはよーく覚えているぞ。|
|エフ|……!&br;んぅ、んーんんんー!?&br;(アンタ、あの時の!?)|
|アリ・パシャ|さて、立場が逆転したわけだが……&br;どう料理してやろうか。ククク……。|
|アリ・パシャ|爪を剥ぎ、末端からじわじわと肉を削ぎ、&br;なぶり殺しにしてやりたいところだが……&br;あいにく俺様は忙しい。|
|ラップ|ええ。彼はここに吊るしておきましょう。&br;どの道爆発で吹き飛びます。|
|イエヤス|そういうわけだ。&br;君にはしばらく眠っていてもらおうか。|
|エフ|んんん~~~~~!&br;(やめなさいよ~~~~~!)&br;ん゛っ!|
|キセル|さーて、最後の仕上げといくぜ!|
#endregion

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**第9話 業火 [#episode9]
#region(ネタバレ注意)
|兵士1|……あっ、スモーク中佐!|
|スモーク|奴らが吐いたぜ。基地内に&br;他にも仲間が潜り込んでいる、だとよ。|
|兵士2|なっ、どうやってセキュリティを……!?&br;急ぎ全室の点検を行います!|
|スモーク|いや、その必要はない。奴らがなぜ&br;この基地に来たか──それは&br;ここにしかないものが目当てだからだ。|
|兵士1|まさか、新型兵器を……!?|
|スモーク|ああ。俺は尋問を続ける。&br;お前ら、ここはいいから、全兵士を&br;大至急で研究室と武器庫に向かわせろ!|
|兵士たち|はっ!!|
 
|キセル|……よし、誰もいないな。|
|イエヤス|おお……ドライゼからの合図が出ているぞ。&br;脱出の準備は整ったようだ。|
|ラップ|では、最終仕上げに入りましょう。|
|兵士1|……中佐ー!&br;スモーク中佐!|
|兵士1|えっ!? そいつらがなんで……&br;尋問されているはずでは……!?&br;スモーク中佐、一体何を……。|
|キセル|そいつはなぁ……。|
 
&attachref(アルバム/イベント/2019/第9話 業火1.jpg,zoom,第9話 業火1,259x200);
 
|キセル|レジスタンスのお仕事さァ!|
|兵士1|なっ! なにぃぃぃ!?|
|兵士2|爆発!?&br;どういうことだ!! いったい何が!!|
|兵士1|き……貴様!&br;スモーク! 裏切り者め……!|
|兵士1|ぐあぁっ!|
|イエヤス|背中を狙うなど卑怯なことを。|
|アリ・パシャ|変装して侵入している男の言うセリフか?|
|キセル|あんがとよ!&br;助かったぜ、イエヤスさん。|
|兵士たち|に、逃がすか!&br;捕らえろーッ!|
|キセル|おうおう。てめえら道を開けな!&br;退勤の時間だぜ!|
 
&attachref(アルバム/イベント/2019/第9話 業火2.jpg,zoom,第9話 業火2,259x200);
 
|兵士たち|うわぁああっ!|
|兵士たち|だめだ!&br;逃げろぉ!|
|ラップ|やれやれ、騒がしい職場でしたね。&br;おまけに2時間も残業です。|
|イエヤス|はっはっは。&br;しかし時にはこういう労働も悪くない。&br;そうであろう、キセル。|
|キセル|おうよ! これで忌々しい兵器とも&br;ガスマスクともおさらばだ。&br;いい気分だぜ!|
|アリ・パシャ|チッ……&br;契約外のオーダーばかりでうんざりだ。&br;俺はこんな仕事、二度とやらんからな。|
|ドライゼ|さあ、車に乗れ!|
|キセル|おう、〇〇!&br;大丈夫だぜ。俺たちは全員無傷さァ!|
|キセル|よっしゃ!&br;そんじゃあ、基地へ戻ろうぜェ!!|
 
|エフ|ハァ……ハァ……&br;あっぶないところだったわ……。|
|ラブ★ワン|ちょっ……! うっそぉん!&br;これ何の騒ぎ!?|
|ベルガー|ずっりー!&br;俺にはダメだって言いやがったクセに、&br;新兵器試したのかよ!?|
|エフ|違うわよお馬鹿!&br;侵入者にやられたのよ!|
|ラブ★ワン|侵入者って、さっき捕まえた奴らのこと?&br;つかエフちん、その手錠どしたの。|
|エフ|奴らにかけられたのよ!&br;意識が戻って、怒りに任せて&br;引きちぎってやったわ!|
|ベルガー|うお……お前すげぇな、変態野郎……。|
|エフ|殴るわよ駄ウサギ!&br;さっさとあいつらを&br;捕まえてきなさい~~~ッ!!!|
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**第10話 決戦は目前に [#episode10]
#region(ネタバレ注意)
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&attachref(./.jpg,zoom,,259x200);
|キセル|た、ただいまぁ……。|
|ケイン|おや、キセルさん!&br;潜入任務、お疲れ様でした。|
|カトラリー|聞いたよ。こっちの被害はゼロで、&br;基地と武器を破壊してきたんでしょ。|
|キセル|う、うん……!&br;研究室も壊したから、&br;これでしばらくは大丈夫、なはず……。|
|キセル|緊張したけど……&br;う、上手くいって良かったよ……。|
|マルガリータ|たっだいま~! あ、キセルおかえり!&br;お手紙バッチリ受け取ったよ。|
|キセル|えへへ……ちゃんと届いてよかった……。|
|ドライゼ|マルガリータ、素早い伝令をありがとう。&br;助かったぞ。|
|マルガリータ|えっへへ~、どういたしまして!&br;ねね、キセル。&br;手紙についてた図面ってどこの?|
|ドライゼ|……図面?|
|マルガリータ|これだよ!&br;今回潜入してた基地とは全然違うし、&br;お城っぽい形なんだけど……。|
|キセル|あ、うん……&br;基地で爆弾を仕掛けてるときに&br;見つけたんだ。|
|ドライゼ|……待て、この形……&br;まさか、イレーネ城か!?|
 
|ブラウン・ベス|おい、〇〇、恭遠。&br;急に全員を呼び出すなんて、&br;何かあったのか?|
|恭遠・グランバード|ああ、世界帝軍の新型兵器破壊作戦のことは&br;皆知っているな?&br;その作戦中に、キセルが重大な情報を得た。|
|キセル|おうよ。皆、こいつを見てくれ。&br;世界帝軍の親玉の根城……&br;イレーネ城の見取り図だ。|
|キセル|俺が潜入してた基地では、&br;新型兵器の開発をしてたんだが……&br;どうもそれだけじゃなかったようだ。|
|キセル|イレーネ城に配備するための&br;新しい迎撃装置も研究してたみてぇだな。|
|キセル|この見取り図には、警備兵の位置や数、&br;既存の迎撃装置の在り処が記載されてる。|
|キセル|警備強化のために&br;必要な情報だったんだろうが……俺たちが&br;入手するとは思ってもみなかっただろうな。|
|恭遠・グランバード|──この情報をもとにすれば、&br;イレーネ城攻略の可能性が&br;かつてなく高まる。|
|恭遠・グランバード|絶対的な権力を有する世界帝さえ&br;押さえてしまえば、&br;軍部も簡単には動けない。|
|アレクサンドル|ですが……&br;世界帝軍に属している“マスター”が&br;動いた場合が気がかりです。|
|アリ・パシャ|ああ。世界帝が排除されたのをこれ幸いと、&br;敵のマスターが軍を掌握して、&br;新たな世界帝になるかもしれんぞ。|
|恭遠・グランバード|その件なんだが……諜報員からの&br;情報によると、世界帝こそが&br;敵のマスターである可能性が非常に高い。|
|全員|……っ!!!|
|恭遠・グランバード|世界帝が表舞台にほとんど&br;姿を表さない理由について探る中で、&br;彼が臥せっていることが判明した。|
|恭遠・グランバード|状況の詳細は不明だが……手や腕に&br;重度の負傷があり、それが一向に治らない&br;という噂が流れているそうだ。|
|ホール|治らない傷って──〇〇の&br;薔薇の傷も、そうだったよね。|
|キセル|……現代銃の貴銃士たちも、奴らの&br;マスターについて話してたぜ。傷がどんどん&br;悪化して絶不調だとかなんとか。|
|恭遠・グランバード|そうか……『世界帝=マスター』の情報は&br;ほぼ確実だな。|
|ケンタッキー|──……っつーことは、&br;イレーネ城に侵入して世界帝を倒せば……?|
|ブラウン・ベス|俺たちは、この戦いに&br;終止符を打てる、のか……?|
#endregion

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