イベント/愛しみのHaunted House/エピソード の編集 Top > イベント > 愛しみのHaunted House > エピソード **第7話 Ghost [#episode7] #region(ネタバレ注意) |ミカエル|…………?&br;この気配はなんだい?&br;…………ホクサイ、君の後ろだ。| |ホクサイ|へ? ボクちゃんの後ろ?&br;ここにはボクちゃんとキミしか&br;いないはずだけど……!?| |>|――カタッ!| |ホクサイ|ひゃああ~!&br;で、出た~~!| |ホクサイ|……って、あれれ?| |ゴースト|悪かったなあ……&br;ワイみたいなんが出てきて……。| |ホクサイ|なーんだ……ゴーストクンか!&br;幽霊を使って実験とか、面白そうだなーって&br;ちょっぴり期待したんだけどなぁ。| |ミカエル|気配を消して近付くなんて、&br;あまりいい趣味とは言えないね。| |ゴースト|好きで消しとるわけやないわ……。&br;まあ、ワイはそもそも、&br;幽霊みたいなもんやしな……。| |>|――ガタガタッ| |ミカエル|……ん? なんだい?&br;ピアノが揺れているけれど。| |ゴースト|な、なんやのこれ……&br;勝手にガタガタ動きよる……!| |ホクサイ|アハハハ! ポルターガイスト現象って&br;やつじゃないかな~?&br;うんうん、興味深いねぇ。| |ミカエル|へぇ、ポルターガイストというんだね。&br;……ところで、ゴースト。&br;君、誰かと一緒に来たのかい?| |ゴースト|……へ? ワイはひとりやけど……。| |ミカエル|そう……。| |ゴースト|え……、なんやミカエルくん。&br;意味深に黙らんといてや……。| |ホクサイ|ひえっ!?&br;ゴーストクン……!| |ゴースト|なんや、お化けでも見たような顔しよって。&br;ワイはゴーストって呼ばれとるけど、&br;モノホンのお化けやないで。| |ホクサイ|いやいや、キミじゃなくて……&br;後ろだよ、後ろ!!| |ゴースト|はぁ?&br;ワイの後ろが、どうか、し……!?| |ゴースト|ぎっ、ぎゃああああああっ!!!| #endregion //------------------------------ ページの更新 ビジュアル編集モードに切り替える &embed(31); **第1話 山中の行軍 [#episode1] #region(ネタバレ注意) |エカチェリーナ|ふぅ……目的地までまだまだなのに、&br;森をあるきで移動するなんて……。&br;足がくたくたですよ。| |アレクサンドル|今回は大規模な隊での作戦ですからね。&br;大人数で動くとどうしても目立つので、&br;仕方ないかと……。| |エカチェリーナ|それはぼくもわかっていますけれど……。&br;はぁ……。| |シャスポー|○○、疲れてないかい?&br;ああ、そこの木の根に気を付けて……。| |ドライゼ|おい、ローレンツ。&br;お前も足元をよく見て――| |ローレンツ|ふぎゃっ!| |ドライゼ|む……忠告が少し遅かったか。| |タバティエール|おいおい大丈夫か、ローレンツ。&br;ほら、掴まんな。| |ローレンツ|あ、ありがとうございます……。&br;はぁあ、なんだか幸先が悪いなぁ……。| |シャスポー|単に君が間抜けなだけだろう?&br;そんなことよりも……&br;はぁ、この湿気はなんとかならないのか?| |タバティエール|湿気? 言われてみれば、煙草の火のつきが&br;悪かったような気もするな。&br;調子悪いんなら、少し休むか?| |シャスポー|いや……。&br;このくらい、どうってことない。| |ドライゼ|しかし、湿気か……&br;山間部の天候は変動が激しい。&br;一雨来るかもしれないな。| |ナポレオン|むむっ……!&br;それは傾聴すべき意見だな。&br;少しだが雲も出てきたようであるし……。| |ラップ|今日の行軍はここまでとして、&br;雨をしのげる場所を探しましょうか。| |ナポレオン|うむ。&br;○○、君も異論はあるまいっ!| |ナポレオン|……よし!&br;天候が崩れる前に、&br;皆で手分けして野営地の確保だ!| |シャスポー|くっ……こんなにひどい嵐になるなんて……&br;○○、大丈夫?&br;どこか、雨をしのげる場所は……!| |シャスポー|……ん? あっちに人影が見えるね。&br;タバティエールたちかもしれない。&br;行ってみよう!| |アリ・パシャ|何者だっ!?| |シャスポー|待て! 僕だ!| |アリ・パシャ|ああ……〇〇とシャスポーか。&br;他の奴らはどうした?&br;……いや、聞くまでもないな。| |エセン|お互い、&br;本体からはぐれてしまいましたね……。| |アリ・パシャ|とにかく、雨をしのげる場所に行く。&br;お前ら、俺様についてこい。| |シャスポー|ちょ……待ちなよ!&br;どこかあてでもあるって言うのかい?| |アリ・パシャ|ああ。嵐になる前、&br;向こうに建物の屋根が見えた。&br;そこへ向かうぞ。| #endregion //------------------------------ **第2話 夜に佇む館 [#episode2] #region(ネタバレ注意) |ナポレオン|おおっ、〇〇!&br;無事だったか!| |エカチェリーナ|ますたーもはぐれてしまったのですねー。&br;こちらに来たのは……&br;ぜんぶで8人、ですか。| |ナポレオン|他の皆も気がかりだが……&br;ともかく、嵐が止むまでは下手に動けん。&br;この屋敷で、雨宿りするとしよう!| |エンフィールド|すみませーん!&br;どなたかいらっしゃいませんかー?| |エンフィールド|……返事はない、か。&br;立派な屋敷だけど、&br;もう住む人もいないのかな……?| |スナイダー|そうだろうな。&br;どこもかしこも埃っぽくて傷んでいる。&br;長いこと放置されていたようだ。| |エンフィールド|それなら、遠慮することはないね。| |エンフィールド|あーあ、雨で下着までぐっしょり……&br;気持ち悪いなあ。| |エセン|……皆さん、&br;こっちの部屋に燭台がありましたよ。&br;明かりをつけますね。| |アリ・パシャ|ほう……ここは居間か?&br;さほど荒れていないようだな。&br;ソファーも問題ない。| |エカチェリーナ|このようすなら、&br;なにかお洋服もあるかもしれませんね。&br;ぼくは着替えをさがしてきますー。| |ナポレオン|それは妙案だな!&br;山中の夜は冷えることであるし、&br;濡れたままは体に良くない。余も行くぞ!| |アリ・パシャ|エセン、お前も来い。&br;……俺様も、いつまでも&br;濡れ鼠でいるつもりはないからな。| |エセン|はい、アリ・パシャ様。&br;……〇〇たちの分も、&br;着替えを探してきますね。| |シャスポー|○○、寒くない?&br;ほら、こっちにおいで。灯りのそばに&br;いるだけでも、少しは暖かいから。| |シャスポー|まったく……&br;こんな時に、タバティエールの奴は&br;何をやってるんだ……!| |エンフィールド|……嵐、ひどくなってきましたね。&br;本体の皆は、雨宿りの場所を&br;確保できているでしょうか……。| |エンフィールド|はぐれたブラウン・ベス先輩のことが&br;気掛かりです。ああ……あのとき僕が、&br;おそばを離れなければ!| |スナイダー|旧式は、火薬が湿って使い物にならなく&br;なっているかもしれないな。| |エンフィールド|ちょっと、スナイダー? 今は&br;そういうことを言っているんじゃないよ!| |シャスポー|う……君たち、騒がしいよ。&br;声が頭に響いて余計に頭痛が……!| |スナイダー|ふん……湿気に弱い奴は大変だなぁ?&br;シャスポー銃。| |シャスポー|……っ!&br;君、何が言いたいんだい。| |スナイダー|ん? 俺は単なる事実を口にしたまでだが。&br;そこに何かを感じたならば、&br;それはおまえの問題だろう。| |スナイダー|ああ、そういえば……&br;日本の戦場でおまえを見たこともあったか。&br;その様子だと、苦労したんじゃないか?| |シャスポー|お前……ッ!| |エカチェリーナ|ますたー、おまたせいたしました。&br;お洋服がみつかりましたよー。| |ナポレオン|この屋敷の主は、&br;大層な衣装持ちだったようだな。&br;はっはっは!| |エセン|おかげで着替えの確保には&br;苦労しませんでしたが……。| |アリ・パシャ|これを着るのか……。&br;いや、濡れたままでいるよりは&br;マシだが……。| #endregion //------------------------------ **第3話 怪しい音 [#episode3] #region(ネタバレ注意) |ナポレオン|見たまえ、〇〇!&br;皇帝はどんな服を着ても威厳が滲み出て&br;しまうものだな! はーっはっは!| |エカチェリーナ|ふふん。&br;たまにはこういうのも悪くありませんねー。| |エカチェリーナ|ふるいお洋服ですけれど、&br;きごこちも良いですし。| |エンフィールド|……スナイダー。&br;君が素直に着替えたのは、&br;少し意外だったな。| |スナイダー|ん? 濡れたままの服では動き辛いだろう。&br;機能性に問題がなければ、&br;俺は服なぞなんでもいい。| |エンフィールド|ああ、なるほどね。&br;……食はさておき、服に関しては&br;手がかからなくて助かるよ。| |スナイダー|しかし……この仮面は、&br;付ける必要があるとは思えんが。| |エンフィールド|服と一緒にあったんだから、&br;セットなんだろう?&br;わりと似合ってるよ、君。| |スナイダー|……そうか。| |シャスポー|やれやれ……&br;着替えたら少しは楽になったよ。&br;あとは、服が早く乾けばいいんだけど。| |シャスポー|薪があまりないし、この湿気で燃え方も良く&br;ないから……まだ時間がかかりそうだね。&br;今のうちに――。| |>|カシャン――!| |ナポレオン|む……? なんだ?&br;今、何か音が聞こえたが……。| |アリ・パシャ|もしや、他の連中もこの屋敷へ来たのか?&br;ともかく、様子を見てくるか。| |ナポレオン|うむ!&br;ついでに他の部屋の様子も調べるとしよう。&br;さあ、行くぞっ!| |エセン|誰もいませんでしたね……。&br;外はひどい風ですし、&br;何か物でも落ちたんでしょうか。| |アリ・パシャ|ああ。&br;……ん? 何か足元に……。| |アリ・パシャ|これは……指輪か。&br;古いが質は良さそうだ。&br;ふっ……思わぬ掘り出し物だな。| |ナポレオン|ほう、パイプのコレクションもあるぞっ!&br;ふむ……この屋敷の主人は&br;実にいい趣味と見受ける。| |エセン|大きな屋敷に宝飾品にコレクション……&br;結構な資産家だったんですかね。&br;……それにしても、なんだか寒いな。| |エンフィールド|不気味な屋敷に、不可思議な物音……。| |エンフィールド|○○さん! もしかすると、&br;ここにはゴーストが住んでいるのかも&br;しれませんよ! 素敵だなぁ!| |スナイダー|亡霊なんぞ、いたところで&br;なんの役にも立ちはしないだろう?&br;エンフィールド。| |エンフィールド|役に立つとか、そういう問題じゃないよ。&br;神秘的だし、それだけこのお屋敷には&br;歴史があるってことじゃないか。| |エカチェリーナ|ますたー、ほかの部屋もみてみません?&br;すてきなドレスがあるかもしれませんよ。&br;ほら、こっちに――。| |エカチェリーナ|……あら? なんだかいい匂いがしますね。&br;……そういえば何も食べてませんし、&br;お腹がすいてきましたー。| |ナポレオン|リビングルームの方から&br;漂ってくるようだが……&br;諸君、様子を見に戻るぞ!| #endregion //------------------------------ **第4話 不協和音 [#episode4] #region(ネタバレ注意) |ホクサイ|ひゃ~! まいったまいった!&br;ずぶ濡れだよ~。| |ホクサイ|おお? 向こうに建物はっけ~ん!&br;空き家かな?&br;……いや、ちょっと灯りが見えるねぇ。| |ミカエル|なら、人が住んでいるのかな。&br;今回は隠密行動だと厳命されているから、&br;迷いどころだけど。| |ホクサイ|あはっ!&br;どうやら心配はいらないみたいだよ~。&br;横の離れは真っ暗! そっちにレッツゴ~!| |ミカエル|ふぅ……少しかび臭いけれど、&br;雨をしのげるだけでも今は十分だ。| |ホクサイ|こぉんな大雨になるなんて、&br;ボクちゃんびぃっくり~。| |ホクサイ|……おやぁ? ミカエルクン!&br;こっちに来てごらん、ピアノがあるよ!&br;せっかくだし、弾いてみたらどうだい?| |ミカエル|ふむ……では、&br;この嵐のオーケストラに乗せて一曲……。。| |ミカエル|くっ……!| |ホクサイ|わわわっ!| |ミカエル|……ッ、酷い音だ。気分が悪い……。&br;どれだけの間調律されていないのか……。| |ミカエル|ノン……ピアノはやめにしておこう。&br;不協和音をこれ以上耳に入れると、&br;頭が割れそうだ。| |ホクサイ|おやおや、大丈夫かい?&br;ミカエルクンは音への感覚が繊細だねぇ。| |ミカエル|…………?| |ミカエル|……この気配はなんだい?&br;……ホクサイ、君の後ろだ。| |ホクサイ|へ? ボクちゃんの後ろ?&br;ここにはボクちゃんとキミしか&br;いないはずだけど……!?| #endregion //------------------------------ **第5話 不可思議なディナー [#episode5] #region(ネタバレ注意) |エカチェリーナ|……あら?&br;ここ、さっきのおへやで&br;合っていますよねー?| |アリ・パシャ|間違いない、はずだが……&br;いつの間に食事の用意が?&br;しかも、まだ温かい……。| |ナポレオン|おおっ、これは素晴らしいディナーだ!&br;屋敷の主が、このナポレオン・ボナパルトを&br;もてなそうとしているのだな!| |ナポレオン|相手が皇帝と知り、恐れ多さのあまり&br;我が眼前へ姿を見せられぬようだが、&br;謙虚さもまたよし!| |ナポレオン|諸君! 屋敷の主人に敬意を表して、&br;ありがたくいただこうではないか!&br;はーっはっはっは!| |エカチェリーナ|では、ぼくはこちらの&br;けーきをいただきます。&br;とっても美味しそうですー。| |アリ・パシャ|毒見もせずに、得体のしれぬ&br;食事を口にするとは……愚かな。| |エカチェリーナ|ふふん、もし毒がはいっていたとしても、&br;ぼくたちは貴銃士です。&br;ますたーがいれば、へっちゃらですよねー?| |アリ・パシャ|はぁ……。&br;おい、エセン。毒味は不要だ。&br;お前も食べるのはやめておけ。| |エセン|…………。| |アリ・パシャ|……ん?&br;エセン、どうした? 顔色が悪いぞ。| |エセン|すみません、さっきから、&br;なんだかずっと寒気がして……。| |アリ・パシャ|おい……お前に体調を崩されては困る。&br;何か羽織るか、&br;少しでも暖かいところにいろ。| |エセン|はい…………。| |シャスポー|僕も体調があまり良くないから、&br;遠慮しておくよ。&br;○○、君はどうする?| |シャスポー|僕としては……やっぱり、&br;姿を見せない相手の用意した食事は、&br;おすすめできないよ。| |エンフィールド|スナイダー、君もどうだい?&br;このミートパイなんて、すごく美味しいよ?| |スナイダー|いらん、腹は減っていない。| |>|――ガタガタッ!| |スナイダー|なんだ?&br;勝手にガタガタと……騒がしいドアだな。&br;……撃ってやろうか。| |エンフィールド|ちょっと待って! これは……&br;ポルターガイスト!? 素晴らしい!&br;やはり本物のゴーストがいるんですよ!| |ナポレオン|ん……? 余興か!&br;いいぞラップ! もっとやれ!| |エカチェリーナ|アレク、なんですか。&br;銃弾がとんできたわけでもないのに……。&br;このくらいで怯えるものではありませんよ。| |シャスポー|……何を言っているんだい?&br;ラップもアレクサンドルも、&br;ここにはいないだろ?| #endregion //------------------------------ **第6話 混沌と骸 [#episode6] #region(ネタバレ注意) |エンフィールド|ふぅ……ごちそうさまでした!&br;スナイダー、&br;君も少しは食べればよかったのに。| |スナイダー|食事に興味はない。&br;……なあ、エンフィールド、知っているか?| |スナイダー|異界に迷い込んだとき、&br;その場のものを口にすると……&br;元の世界へ二度と戻れなくなるという。| |スナイダー|家主の姿はなく、廃墟になった屋敷で&br;温かい食事が出てくる……ふむ。&br;普通の世界ではあり得まい。なぁ?| |エンフィールド|えっ!?&br;もう、お腹いっぱい&br;食べちゃったんだけど……。| |エンフィールド|そ、そういうことは先に言ってくれよ……!&br;言わないのなら、&br;最後まで言わないままでいてくれ!| |アリ・パシャ|チッ……つくづく呑気な奴らだな。&br;おい、この分だと嵐はまだ止みそうにない。&br;他に客間や寝室がないか探すぞ。| |シャスポー|……すまないが、僕は少し休んでいるよ。&br;どんどん頭痛が酷くなってきて……。| |シャスポー|ああ……大丈夫だよ、〇〇。&br;きっとこの湿気のせいだから、&br;君が手当をしなくても治るはずさ。| |エンフィールド|では、〇〇さんは&br;僕たちと行きましょう。&br;優秀なこの僕がお守りします!| |エンフィールド|……おや?&br;せ! 先輩じゃあありませんか!&br;ああ、良かった! 無事だったんですね!| |エンフィールド|先輩がいらっしゃれば一層心強いです!&br;さあ、先輩も僕らとともに行きましょう!| |スナイダー|…………?&br;エンフィールド…………?| |エンフィールド|あれ? スナイダーはどこに行ったんだ?&br;ま、いいか。そのうち帰ってくるだろう。| |エンフィールド|ささ、ブラウン・ベス先輩、&br;○○さん!&br;まずは2階の方へ行ってみましょうか。| |スナイダー|…………。&br;よくわからんが、行くぞ。&br;○○、おまえもついてこい。| |ナポレオン|……うおおっ! なんだこれは!?| |スナイダー|ん? 今の声は……ナポレオン……か?| |スナイダー|声はあっちから聞こえたな。&br;……行ってみるか。| |アリ・パシャ|これは……人骨、だな。&br;それも、ふたり分……。| |エカチェリーナ|となりにあるのは、古銃……ですねー。&br;ずいぶんと錆びついて&br;ぼろぼろになっていますけれど。| |エセン|ここまで壊れてしまっては、&br;修理も無理でしょうね。&br;それより、この状況は……?| |ナポレオン|ふむ……&br;争った形跡のない部屋に、&br;寄り添うふたり分の骨。| |アリ・パシャ|……心中、だろうな。&br;見ろ。大きい方の骨は、&br;ご丁寧に靴と靴下を脱いでいる。| |ナポレオン|なるほど……&br;この長い銃で自らを撃つには、&br;足の指で引き金を引く他ないからな。| |シャスポー|んん……うるさいなぁ……。&br;一体なんの騒ぎ?| |シャスポー|……っ!&br;これは……!?| |エカチェリーナ|あら、しゃすぽー。ちょうど、&br;やしきの主らしき方を見つけたのですー。&br;……もう、骨になってらっしゃいますけど。| |シャスポー|あ……!&br;そ、その銃は……&br;シャスポー銃じゃないか……!| |全員|…………!| |シャスポー|まさか……その"僕"を使って&br;命を絶ったっていうのかい……?&br;うっ……頭が、痛い……!| |シャスポー|……あ、ああ。〇〇、&br;大丈夫だよ、これくらい……。&br;大丈夫、心配しないで……。| #endregion //------------------------------ **第7話 Ghost [#episode7] #region(ネタバレ注意) |ミカエル|…………?&br;この気配はなんだい?&br;…………ホクサイ、君の後ろだ。| |ホクサイ|へ? ボクちゃんの後ろ?&br;ここにはボクちゃんとキミしか&br;いないはずだけど……!?| |>|――カタッ!| |ホクサイ|ひゃああ~!&br;で、出た~~!| |ホクサイ|……って、あれれ?| |ゴースト|悪かったなあ……&br;ワイみたいなんが出てきて……。| |ホクサイ|なーんだ……ゴーストクンか!&br;幽霊を使って実験とか、面白そうだなーって&br;ちょっぴり期待したんだけどなぁ。| |ミカエル|気配を消して近付くなんて、&br;あまりいい趣味とは言えないね。| |ゴースト|好きで消しとるわけやないわ……。&br;まあ、ワイはそもそも、&br;幽霊みたいなもんやしな……。| |>|――ガタガタッ| |ミカエル|……ん? なんだい?&br;ピアノが揺れているけれど。| |ゴースト|な、なんやのこれ……&br;勝手にガタガタ動きよる……!| |ホクサイ|アハハハ! ポルターガイスト現象って&br;やつじゃないかな~?&br;うんうん、興味深いねぇ。| |ミカエル|へぇ、ポルターガイストというんだね。&br;……ところで、ゴースト。&br;君、誰かと一緒に来たのかい?| |ゴースト|……へ? ワイはひとりやけど……。| |ミカエル|そう……。| |ゴースト|え……、なんやミカエルくん。&br;意味深に黙らんといてや……。| |ホクサイ|ひえっ!?&br;ゴーストクン……!| |ゴースト|なんや、お化けでも見たような顔しよって。&br;ワイはゴーストって呼ばれとるけど、&br;モノホンのお化けやないで。| |ホクサイ|いやいや、キミじゃなくて……&br;後ろだよ、後ろ!!| |ゴースト|はぁ?&br;ワイの後ろが、どうか、し……!?| |ゴースト|ぎっ、ぎゃああああああっ!!!| #endregion //------------------------------ **第8話 見えない仲間 [#episode8] #region(ネタバレ注意) |???|――ぎっ、ぎゃああああああっ!!!| |アリ・パシャ|今の悲鳴は……!?&br;なんなんだ、この屋敷は……。| |エセン|屋敷の主人らしき人もこの状態ですし……&br;やっぱりここ、空き家ですよね。| |エセン|それは……まあ、&br;荒れようで最初からわかってましたけど。&br;あの料理は一体なんだったんでしょう。| |アリ・パシャ|そうだ、あの怪しい食事……&br;食べた奴らは大丈夫なのか?| |ナポレオン|……なに!?&br;上等なシャンパン……?&br;それは本当か、ラップ!| |アリ・パシャ|……?&br;何を言っているんだ……?&br;副官殿とははぐれたままだろう。| |ナポレオン|素晴らしいではないか!&br;そんな年代物まであるとは……。&br;よし、今すぐ案内しろ!| |エセン|行っちゃいましたね……。&br;そういえば食事のときにも、&br;ラップがどうとか言ってましたっけ。| |アリ・パシャ|ふん……この状況でもシャンパンか。&br;気が済めばそのうち戻ってくるだろう。&br;一度、居間に戻るぞ。| |エンフィールド|……あ、みなさんお集まりで。&br;○○さんもご無事ですね。| |スナイダー|エンフィールド。&br;スナイダーは見つかったのか?| |エンフィールド|いえ、それが見つからず……。&br;はぁ、まったくどこで何をしているんだか。| |アリ・パシャ|……ナポレオンは、まだ戻ってこないのか。| |エカチェリーナ|しゃんぱんがどうのこうのと&br;言っていましたし、そのあたりで&br;酔いつぶれているのではないですかー?| |エカチェリーナ|……なんです、アレク。&br;ナポレオンなど放っておきなさい。| |エセン|…………え?| |エカチェリーナ|はぁ……仕方ありませんね。&br;ぼくもつきあってさしあげますー。| |エンフィールド|えっ……?&br;アレクサンドルさんはいませんよね?&br;僕の目は間違っていますか……?| |スナイダー|いや。確かにいないぞ。&br;エンフィールド、おまえの目は正しい。| |エンフィールド|そう、ですよね!&br;……ふぅ、先輩にそう言っていただけて&br;ホッとしましたよ。| |エンフィールド|……ハッ!&br;そうではなくて、エカチェリーナさんを&br;止めたほうがいいのでは?| |エセン|エカチェリーナさん、待ってくださ――。| |エセン|…………。&br;もう、いない…………。| #endregion //------------------------------ **第9話 幻影 [#episode9] #region(ネタバレ注意) |シャスポー|僕が仮眠を取っていた間に、&br;エカチェリーナも陛下も、&br;姿を消してしまった、と……?| |シャスポー|出て行ってすぐに姿を消すなんて。&br;僕たち以外にも&br;誰かが潜んでいるんじゃないのか!?| |エンフィールド|何がなんだか、&br;僕にもよくわかりませんが……。&br;一度、状況を整理してみましょうか。| |エンフィールド|そして、前装銃最後の傑作の名にかけて――&br;○○さんと先輩を守り、&br;この危機を乗り切ってみせます! ええ!| |エンフィールド|この屋敷で起きている不可思議な出来事は、&br;ポルターガイスト現象や、&br;用意されていた不思議な食事……。| |アリ・パシャ|やはり、一番怪しいのはあの食事だろうな。&br;まったく……迂闊に手をつけるからだ。| |エセン|いなくなったおふたり、&br;食事をかなり食べてましたよね。| |エセン|ラップさんやアレクサンドルさんが&br;ここにいるような口ぶりでしたし……。| |アリ・パシャ|食事に、幻覚作用のあるものでも&br;入れられていたのか……?&br;つくづく面倒な真似をしてくれたものだ。| |エンフィールド|と、とにかく!&br;この部屋から出た人が次々に消えています。| |エンフィールド|スナイダーも突然いなくなって……。&br;探したんですが、&br;どこにも見当たりませんでした……。| |エンフィールド|嵐がおさまるまで、この部屋から出ないよう&br;にしましょう! 先輩も具合が悪いみたい&br;ですし。皆で固まって――| |エセン|……あの。&br;スナイダーさんはすぐ隣にいますけど……。| |エセン|それと、先輩って、&br;ブラウン・ベスさんのことですよね。&br;彼は、この屋敷には来てないんですが……。| |エンフィールド|え……? 何を言っているんですか?&br;やだなあ、こんなときに冗談なんて。| |スナイダー|……気分が悪い。| |エンフィールド|せ、先輩!?&br;危険ですよ、おひとりで動かれては!| |アリ・パシャ|おい、待て! 迂闊に出るなど――。| |シャスポー|…………〇〇!&br;追いかけちゃ駄目だ。危ないよ!| #endregion //------------------------------ **第10話 魔除けのダガー [#episode10] #region(ネタバレ注意) |シャスポー|○○、〇〇は&br;どこにも行かないで。| |シャスポー|ねぇ、〇〇。&br;ずっと僕と一緒にいてくれれば、&br;僕が君を守るからね。きっとだよ。| |シャスポー|でも……はぁ。本当に、この湿気は&br;どうにかならないものかな……。&br;頭が痛い……耳鳴りも……。| |アリ・パシャ|……エセン。&br;どうしたんだ、そんなに震えて。&br;この部屋はそう寒くないだろう?| |エセン|そう、ですか……?&br;僕、なんだか嫌な予感がして……。&br;さっきからずっと寒気が……変だな……。| |アリ・パシャ|おい、エセン。&br;……これをやる。| &attachref(./第10話 魔除けのダガー.jpg,zoom,,259x200); |エセン|え、……わっ!&br;アリ・パシャ様、これは……?| |アリ・パシャ|俺様が持ち歩いているダガーのひとつだ。&br;ダガーには魔除けの力があるという。| |アリ・パシャ|気休め程度にしかならんが、持っておけ。&br;俺様にはコレクションが数多あるからな。&br;それはお前にやる。| |エセン|……あ、ありがとうございます。| |シャスポー|……ねぇ、〇〇。&br;しーっ。そのまま、静かに聞いて。| |シャスポー|ふふ……僕、わかったよ、&br;彼らがどこに消えたか。&br;……僕と一緒に来て。| |シャスポー|エセンは調子が悪いみたいだから、&br;僕たちふたりだけで、&br;みんなを助けに行こう。ね?| |シャスポー|さぁ……早く……こっちだよ。&br;ふふ……。| |アリ・パシャ|夜明けまではそう遠くない。日が出たら、&br;いなくなった奴らを探して――。| |エセン|……っ!&br;アリ・パシャ様、〇〇と&br;シャスポーさんの姿がありません……。| |アリ・パシャ|なに、そんな気配も物音もなかっただろう?&br;くそっ、いつの間に……!| |エセン|どうしましょう、ドアも開きません……。&br;僕たち、閉じ込められたみたいです。| #endregion **第11話 過去と未来 [#episode11] #region(ネタバレ注意) |シャスポー|ほら……〇〇、こっちだよ。| |シャスポー|ああ、嵐がやんだね。&br;雨上がりで風がしっとりして……&br;ふふっ、いい夜だ。| |シャスポー|消えたみんなはこの窓の下だよ。&br;○○、さあ……お手をどうぞ。| |シャスポー|大丈夫、そんなに高くないから。&br;僕と一緒にこの窓から降りよう。| |シャスポー|ね、僕と一緒に行こうよ。&br;……お願い、君も来て、| |シャスポー|……だ、めだ……&br;来ちゃ駄目だ、〇〇!| &attachref(./第11話 過去と未来.jpg,zoom,,259x200); |シャスポー|本当は一緒に行きたいくせに、&br;キミも素直じゃないね。&br;ほら、〇〇……。| |シャスポー|やめろ……僕の中から出て行け!&br;○○に手を出すな!| |シャスポー|僕は……〇〇と未来へ進むって&br;決めたんだ! お前みたいな過去の亡霊に、&br;未来を奪われるものか!| |???|……もう少し……だったのに……。| |シャスポー|……っ、はぁっ……〇〇?&br;僕、は……。| |シャスポー|……そうか。&br;あいつを僕の中から追い出せたんだね……。| |シャスポー|○○、本当にごめんね。&br;守るって言ったのに……&br;君を、危ない目に遭わせてしまった。| |シャスポー|意識が霞んで……&br;いつの間にか、頭の中で&br;別の誰かの声が響き始めたんだ……。| |シャスポー|ぼーっとして、僕が僕じゃないみたいに&br;身体が勝手に動いて、話して……。&br;悪夢みたいな心地だった。| |シャスポー|僕が正気を取り戻せたのは、きっと君の&br;おかげだ。君を守らなきゃって思ったら、&br;力が湧いてきて……。| |シャスポー|……あ、〇〇、見てごらん。&br;向こうの空が白んできたよ。……夜明けだ。| |シャスポー|僕たちは……&br;この悪夢みたいな夜を、乗り切れたのかな。| #endregion **第12話 愛しみのHaunted House [#episode12] #region(ネタバレ注意) |シャスポー|……〇〇?&br;どうしたの?| |シャスポー|写真立て……?&br;写ってるふたりは……夫婦、みたいだね。| |シャスポー|あ……&br;もしかして、あの部屋にあった骨は……。| |シャスポー|…………。| |シャスポー|彼らが、どうしてあんな選択をしたのかは&br;わからないけれど……&br;幸せな時も、確かにあったんだね。| |シャスポー|あのシャスポー銃と彼らは、&br;どんな思い出を持っていたのかな……。| |タバティエール|……おーい。&br;おーーい! 〇〇ちゃん、&br;シャスポー! どこだー!?| |シャスポー|この声は……タバティエールか?| |タバティエール|おっ!&br;よかった、ふたりとも無事だったか。&br;……ったく、探したぜ?| |シャスポー|タバティエール……お前、なんでここに?| |タバティエール|明け方から、手分けして&br;はぐれた奴らを探してたんだ。&br;そしたら、この大きい屋敷が見えてな。| |タバティエール|雨宿りには最適だし、&br;いるとしたらここじゃねぇかと思って。| |シャスポー|そうか……。&br;それで、他の奴らはどうした?&br;次々に姿を消していって……。| |タバティエール|ん? 姿を消した?&br;さっき、地下室で皆そろって&br;寝こけてたのを見つけたとこだが……。| |シャスポー|地下室……?&br;そんなものがあったのか……。&br;まぁ、無事ならよかった。| |タバティエール|……とにかく本隊のとこに戻ろうぜ。&br;皆心配してる。| |シャスポー|ああ、わかった。でも……少しだけ、&br;待っていてくれ。〇〇、&br;君も、付き合ってくれるかな。| |タバティエール|……お。早かったな、おふたりさん。&br;何やってたんだ?| |シャスポー|遺骨に……花を供えてきた。| |タバティエール|遺骨?| |シャスポー|……帰ったら話す。長くなるからな。| |ミカエル|ふぁ……よく眠った。清々しい目覚めだよ。&br;しかし……身体が痛いな。&br;何故こんなところで寝ていたのか……。| |ミカエル|……そう気にするようなことではないかな。&br;ともかく、頭がとてもすっきりして、&br;いい曲が浮かびそうだ。| |ミカエル|この感覚が抜け落ちない内に、まともな&br;ピアノのあるところへ行かないと……。| |ミカエル|ホクサイ、ゴースト、起きて。起きるんだ。&br;一刻も早く、城へ戻ろう。| |ゴースト|ん……ワイのアイスが……ない……。| |ホクサイ|ぁは……、青い血、あはは……。| |ミカエル|ねえ、起きておくれったら……!| #endregion データ参照プラグイン 入力支援ツールを表示 ▼参照先ページ選択:データを表示 元データの書式(インラインプラグイン)を継承する