キャラクター/ノエル のバックアップ(No.25)

あ、マスターだ。
……ぼく？　ぼくはノエル。

フランスの皇帝、ナポレオン陛下に
プレゼントされた、対のピストル……
その片割れが、ぼく。

だから、貴銃士であるぼくにも、
双子の兄がいるんだ。ニコラって
呼ばれることになったみたい。

えへへ……ぼくたちの名前はね、
僕らを作ってくれた、
ガンスミスのお名前を分け合ってるんだ。

名前みたいに、
ぼくとニコラはふたりでひとつ……
とっても仲良しなんだよ。

ニコラはきっと、
マスターとも仲良くできると思うな。

昔……ぼくらのことを、ナポレオン陛下は
とっても大事にしてくれたから……。

ぼくらは今でも、ナポレオン陛下が
大好きなんだ……！

陛下は、革命のなか立ち上がって……
苦しくても諦めず、ついに革命を終わらせた
偉大な人……！

ぼくも陛下のように、最後まで戦って、
レジスタンスを勝利に導くよ。

そして、この戦争を終わらせるんだ……！

……ぼくとニコラにとって、
高貴さっていうのは、
陛下のように立派な人物になること。

そのために、ニコラとふたりで
たくさん本を読んで、勉強してるんだよ。

……もっと陛下に近付いて、
もっと高貴になりたいから。

ニコラは、ぼくよりも活発で、
しっかりしてるし……
いいところがいっぱいなんだ。

ぼくとニコラのふたりなら、
そのへんのバカな大人よりも、
よっぽど頼りになるはず……。

だから……見ててね？　マスター。

ねぇねぇ、〇〇。
ぼく、寝癖ついてない？　大丈夫かな？

陛下の前に出るんだから、身だしなみをきちんとしなくちゃ。

あのね……この基地に、ナポレオン陛下が
いたんだ！　本物の陛下が！

作戦からお帰りになったところを、
偶然お見かけしたんだよ。しかも……

陛下も、ぼくとニコラのことを
覚えててくれて……
すごく可愛がってくれるんだ！

えへへ……夢みたいだ。
また陛下に会えるなんて……。

ぼくらが、陛下と離れ離れになってしまった
とき……ぼくとニコラは、まだ小さかった。

だから、陛下のお姿は、
ぼんやりとしか記憶になかったんだ。

でも、本物の陛下は、
やっぱりカッコイイ……！
とっても頭が良くて、優しくて……。

思い出の中の陛下も立派だったけど……
なんだか、前より背も高くなってる
みたいだし……。

それにね……陛下は人間なのに、
貴銃士みたいに強いんだ。
絶対高貴にもなれるんだって。

激しい戦闘のあとでも、
ぱりっと軍服を着こなして……
あ、いいこと思いついた……！

あのね、〇〇。
ぼくに、お洗濯の仕方を教えて？

ぼくも作戦に参加したときは、陛下みたいに
軍服をかっこよく着こなしたいんだ。

ね、教えて？　いいでしょ？
……えへへ、ありがとう。

〇〇に教わったこと……あとで
ニコラにも教えてあげようっと。

もう……なんなのっ……！？
はぁ……聞いてよ、〇〇。

さっき、基地でニコラと本を読んでたら、
シャルルヴィルが寄ってきたんだ。

シャルルヴィルは、陛下の軍で
活躍してた銃なんだって……
話すのは初めてだったけど……。

『子供なのに、勉強して偉い』とか言って、
勝手に本を覗き込んできて……
ホント、読書のジャマ。

しかも……『陛下のようになりたいから、
勉強するのは当たり前だ』って
言ってやったら……。

シャルルヴィルのやつ……突然笑い出して。
『そりゃ険しい道のりだね?？』だって！

ぼくらのこと、
完全にバカにしてるよね……！？

……フン！
これだから、バカな大人はイヤなんだ。

ぼくらだって、
貴銃士としてちゃんと戦えるのに……！

ねぇ、〇〇は、ぼくたちが
頑張ってること、わかってくれるよね？

陛下に近付くために、毎日頑張ってるもん。
前よりもっと、高貴になってるはずだよ。

こうやって、本をたくさん読んで……
ううん、それだけじゃない。

陛下みたいに立派な人物は、
実践も大切にする……だから今度、
戦場見学にも行くんだ。

ぼくもついに、作戦に参加するんだよ。
これでもっと、陛下に近づけるよね。

えへへ……〇〇のおかげで、
元気が湧いてきた。

〇〇、ありがとう。
ぼくたち、ふたりで力を合わせて頑張るね。

楽しみだなぁ……
早く、当日にならないかなぁ……。

あ、あのね……〇〇
……ぼく、これから作戦に参加するんだ。

陛下と一緒の部隊だから、嬉しいな……
ああ、でも……。

陛下のそばには、いつもラップのやつがいる
……あいつ、気にくわないんだ。

だって、いつも陛下のおそばにいて、
ずるいんだもん……！

ふふふふ……だからね、
いくつかトラップを仕掛けてやったんだ。

無様なあいつを見れば、
陛下のお心も変わるはずだよね……？

たとえば……ねぇ〇〇、
知ってた？　ラップのやつ、
辛い食べ物が苦手なんだって。

だからあいつのスパゲティに、タバスコを
まるまる1瓶分、突っ込んでやったんだ。

あいつ、陛下の隣で火吹いてたよ……
くっくっく……！

他にも、ニコラと協力して、あいつの
飲み物をビネガーにすり替えてやったり……
はぁ、それなのに……。

結局、今日の作戦には
ラップも参加するんだよね……あーあ。

陛下はどうして、あいつを副官として
おそばに置くんだろう？
あんな無様な姿を見たのに……。

悔しいけど、ラップは戦場でいっぱい活躍
してるし……基地での失敗は、
大目に見てもらってるのかも。

でも、そういうことなら……
ぼくも戦場で高貴に活躍しなくちゃ。

今日こそ、ぼくとニコラの勇姿を、
陛下に見ていただくんだ。

待っててね、〇〇。
ぼくらの勉強の成果を見せてくるから……。

……んん……んぅ？
あれ、ぼく、ベッドに……？

さっきまで、戦場にいたはずなのに……
あ……〇〇。

そっか……ぼく、気を失ったんだね。
でも、おかしいな……。

ぼくは、怪我なんてしてなかったのに……
なんでピストルに戻っちゃったんだろう？

……そうだ、ニコラ……！
〇〇、ニコラは……！？

ああ……ニコラも、ベッドで寝てるんだね。
手当てが終わってるなら、安心だ……。

……戦場で、ぼくもニコラも……
陛下のように戦うぞって、
気合を入れたんだ。

そうしたら……絶対高貴に目覚めたんだよ。

これで陛下も喜んでくれるって思ったら……
油断した。

それで、ニコラが狙い撃ちされたところ
までは覚えてるんだ……けど……。

……ねえ〇〇、
ニコラのピストルは、傷付いてたんだよね？

無傷だったぼくがピストルに戻っちゃった
のと、なにか関係があるのかな……。

……まあ、いっか。

ぼくたちは対のピストルだから、
そういうこともあるかもね。

そんなことより……〇〇、
ニコラを手当てしてくれて、ありがとう。

ぼくはまだ、壊れてないし……ニコラも
元気になれば、また作戦に参加できる。

戦場で倒れるなんて、
ぜんぜん陛下みたいじゃないもん。

ニコラとふたりで、
今度こそ戦場で活躍しなくちゃ……！

……〇〇。
この前は、手当てしてくれてありがとう。

せっかく、ぼくたち元気になったのに……
はぁ……。

リーダーの人に、ぼくとニコラは、
危ないから戦場へ行くなって言われたんだ。

ぼくらがちょっと小柄だからって、
子供扱いして……！

……ああ、でも……
陛下にも、言われちゃったんだ……。

『しばらく基地でおとなしくできるな？』
って……。

……陛下の言う通り、
戦場は怖いところだった。

絶対高貴になれたのに、
ニコラは怪我をしたし……。

ぼくなんかが戦場に行ったって、
役に立たないのかな……？

……〇〇、ありがとう。
励ましてくれて……そうだね。
元気を出さなきゃ。

落ち込んで、諦めちゃったら……
陛下みたいにはなれないもん。

……ニコラが言ってたこと……
やっぱり、やってみようかな……？

やっぱり、ぼくとニコラは
ふたりでひとつじゃなきゃね……！

このまま、基地でグズグズしてても……
またシャルルヴィルに笑われそうだし。

それに……ぼくたちに何か遭っても、
〇〇がいれば、
元に戻してくれるんだよね？

え？　ピストルが粉々になったら
ダメなの？　そっかぁ。

〇〇……！　ねえ、聞いて？

今日の作戦で……ぼくとニコラが、
陛下をお助けしたんだよ。

ぼくらは、基地でお留守番だって言われてた。
でも……。

ニコラの提案で、
こっそり部隊の後をつけたんだ。

戦場では、しばらく物陰に隠れてたんだけど
……陛下のピンチに、
思わず飛び出しちゃった。

ぼくとニコラは、ふたりで心銃を咲かせて
……陛下の敵を追い払ったんだよ。

……ニコラは言ってくれた。
勇気を持って前に進まないと、
陛下のようにはなれないって。

ぼくは……それでも迷ってた。
ぼくなんかが、勇気を持てるのかって。

そんなとき……〇〇が
ぼくを励ましてくれたんだ。

〇〇がいたから、ぼくは
ニコラと一緒に行こうって思えたんだよ。

大人たちにバレないよう、部隊についていく
方法を考えたのは……ぼくなんだ。

ふふふ……すごいでしょ？
なんだか、心銃も強くなった気がするし。

勇気を出して、陛下のように大胆に
行動したから……高貴さが磨かれたのかな？

えへへ……陛下にも、褒められちゃった。

ぼくらふたりが揃えば、知恵と勇気は
大人３人分にも匹敵する……って！

それに……ふふん。シャルルヴィルにも、
見直したって言わせたよ……。

〇〇のおかげで、ぼくは
また一歩、陛下に近付けた……ありがとう！

これからもニコラとふたりで、
もっともっと頑張って……。

陛下みたいに、立派な大人になるんだ……！

……っ、きゃああああ！　お化けぇ！

あ、あれ……？
あ……〇〇だったんだ……。

え、えへへ……
夜中に大声出しちゃって、ごめんなさい。

あの、えっと……
ぼくは、トイレを済ませてきたところ。

さっきまで、陛下のお部屋で、本を
読んでたんだ。もちろん、ニコラも一緒に。

陛下のお部屋には、
ラップもいるのが目障りだけど……
フン、今回は役に立ったかな。

夜中に、
トイレに行きたくなっちゃって……。

陛下はもう寝ちゃったし、ニコラは
読書中だからジャマしたくなかったし……。

しょうがないから、
ラップにお供させてやったんだ。

……ラップのやつ、子供は早く寝ろなんて
うるさいんだよ。ぼくらはもっと
勉強したいのに……。

この間の作戦では、活躍できたけど……
陛下のように連戦連勝するためには、
常に上を目指さなきゃ。

陛下にそう言ったら、新しいご本を
貸してくださって……夢中で読んでたら、
こんな時間になっちゃった。

ぼくは、さっき読み終わったから、
陛下にご報告したかったんだけど……。

肝心の陛下が、もう寝ちゃってるみたい
だから、それは明日にしようかな。

ニコラも、あと少しで
読み終わると思うから……。

ぼくも、もう少し起きて……
ニコラを応援する、んだ……ふぁ……。

……お、応援……むにゃ……。

ねえねえ、〇〇。
クレープは好き？

〇〇もおいでよ……
陛下がラップに、クレープを焼かせたんだ。

このクレープは、
ぼくとニコラへのご褒美……。

陛下に勧められたご本を、
ぼくらふたりが読み終わったから……。

だから、陛下がクレープを用意してくれたんだよ。

えへへ……陛下って、本当に優しい……。

あのね、このクレープは、
ぼくの好きなアップルシナモン味。

〇〇にも、ひと口あげる……
はい、どうぞ。

ニコラは、いちごのクレープが好きで……
あれ？　〇〇、
ほっぺにクリームがついてるよ。

じっとしててね……うん、取れた。
えへへ……甘いね。

……あのね、ぼくもクレープを食べるとき、
いつもほっぺにクリームをつけちゃうんだ。

それをいつも、陛下がこうして
拭いてくれるんだよ。
ふふ、真似っこしちゃった。

……ね、〇〇。
クレープ、おいしい？

うんうん、やっぱりアップルシナモンは
おいしいよね。よかった……。

……えへへ。〇〇の笑った顔、
ぼくとニコラとおそろいだ。

〇〇……次の休暇は、
ぼくたちと一緒にきてくれるって、ほんと？
　
えっとね、ぼくたちっていうのは……
ぼくと、ニコラと、陛下のこと。
　
あ……あと、ラップ。
休暇にまで陛下についてくるなんて、
本当に邪魔だよね……ふん。
　
まぁ、そんなことより……
〇〇と陛下が一緒なら、
ぼくもニコラも満足だもん。
　
旅行かあ……
ぼく、初めてなんだ。楽しみ……！
　
それに……
ちゃーんとラップへの悪戯も考えてあるの。
　
旅行中なら、油断するでしょ？
そこを狙って……くっくっく……！
　
……っと、ごめんね。これ以上は、
ニコラとふたりの秘密なの。
〇〇にもないしょだよ。
　
〇〇はそんなこと
気にしないで……？
ぼくらと一緒に、いっぱい楽しもうね。

ねえ〇〇、知ってる……？

海に落ちてる貝殻を、耳に当てると……
海の音が聞こえるの。

ざぁっ、ざぁっ……って。
ほら、聞こえるでしょ？

……えへへ。この貝殻……
休暇の思い出に、持って帰ろうっと。

あの、ぼくね……？　海ってなんだか、
悲しいイメージがあったの。

ひとりぼっちで……波と風の音しか聞こえない、
さみしい場所……。

でも、〇〇と
一緒に見る海は……悲しくないね。

ううん……その反対。ニコラと
〇〇と一緒に、めいっぱい
遊んで……海、すごく楽しかった。

これも、
〇〇と陛下のおかげだね。

また、〇〇と一緒に……
海、見たいな。

ぼくとの楽しい思い出、
もっといっぱい作ろうよ……
ね、〇〇？