キャラクター/ニコラ のバックアップ(No.38)

あ、マスターだ。
こんにちは。ぼくはニコラ。

フランス皇帝、ナポレオン陛下に
プレゼントされた、対のピストル……
その片割れが、ぼくだよ。

だから、貴銃士であるぼくにも
双子の弟がいるんだ。
ノエルっていうんだけど。

ぼくとノエルは、ふたりでひとつ。
ノエルとぼくはとっても仲良しなんだ。

マスターもきっと、
ノエルのことを気に入るよ。

昔……ナポレオン陛下は、
ぼくとノエルのことを本当に愛してくれた。

だから、ぼくらは今でも
陛下が大好きなんだよ。

陛下はね、革命の中勇ましく立ち上がって、
フランスを導いた偉大な人！

ぼくも陛下のように勇敢に戦って、
レジスタンスを勝利に導くよ。

そしてこの戦争を早く終わらせるんだ！

ぼくとノエルにとっての高貴さは、
陛下のように立派な人物になることなんだ。

いつもね、ノエルと一緒に、
たくさん本を読んで、勉強してるんだよ。

もっと陛下に近付いて、
もっと高貴になりたいもん。

ノエルは、ぼくよりも丁寧で、
細かいことによく気が付くし、
いいところがいっぱいなんだ。

ぼくとノエルのふたりなら、
そのへんのバカな大人には負けないから。

だから見ててね、マスター。

ちょ、ちょっと〇〇！
基地に陛下がいたよ！？　本物の！

びっくりしたぁ！　作戦から帰ってきた
貴銃士の中に、陛下が混じってるんだもん。

ぼく、読書で３日徹夜してて、
ウトウトしてたのに……
一気に目が覚めちゃったよ。

あのね、ぼくが慌てて声をかけたら、
陛下は優しくお相手してくれて……！
陛下、やっぱりかっこよかった！

しかも、陛下は人間なのに、貴銃士みたいな
特別な力を持ってるんだって。

レジスタンスの人に聞いたら、
こっそり教えてくれたんだけど……。

人間も訓練すれば、
心銃を咲かせることができるらしいよ。

陛下は、選ばれた人間なんだね！

最後にお会いしたのはずいぶん昔なのに、
ちっとも変わらずお若くて、強くて。

そういえば、〇〇は
絶対高貴になれるの？

そっか、なれないんだ。ふーん……
やっぱり、陛下が特別なんだね。

陛下は、しっかり本を読んで勉強すれば、
ぼくたちも陛下みたいになれるって
教えてくれたの。

もっともっと一生懸命、お勉強しなくちゃ！
ぼく、頑張るよ！

さっそく次の本を……ふわぁ。

うう……〇〇とお話ししたら、
なんだか気持ちが落ち着いて……
眠くなっちゃった。

ねえ〇〇、お膝かして……？

もう！　なんなのっ！？
ねえ、聞いてよ〇〇！

この基地ときたら……騒がしくて、
ぜんっぜん読書がはかどらないよ！

〇〇は、
ユキムラってやつのこと、知ってる？
ほんと、うるさくてバカなやつでさ。

木の下でノエルと本を読んでたら、
そのユキムラとかいう貴銃士が、
落とし穴を掘り始めたんだ。

それだけでも、読書のジャマなのに……
あいつ、自分でその落とし穴にはまって、
大騒ぎするんだよ。

信じられないよね！
フン、あんなバカでも大人になれるんだ？

あんまりうるさいから、
文句言ってやったんだけど。

あいつ、バカなだけじゃなくて
ぼくらの話をちっとも聞かないんだ。

それどころか、へらへら笑って
『ニコラとノエルは仲がいいんだな！』
……だって。

『そんなの当たり前、ぼくらはふたりで
ひとつだから』って返してやったら……。

ユキムラのやつ、『ふたりで一人前か～』
なんて言ってくるんだよ！
なんにも考えてないバカ面でさ！

ふたりでひとつって、
そういう意味じゃないしっ！
ホント失礼だと思わない？

ぼくとノエルは、絶対に、
ああいうバカな大人にはならないっ！

陛下のように、高貴な大人になるんだから。

……あーあ、早く作戦に参加したいなぁ。

こんなに勉強してるんだ。
ぼくとノエルはあんなバカよりずーっと、
高貴に活躍できるはずだもん。

そうだよね、〇〇？

戦場に行けば、それを証明できるでしょ？

〇〇！
ぼく、これから作戦に参加するんだ。

しかも陛下と一緒の部隊だよ。嬉しいな！
ああ、でも。

陛下のそばには、いつもラップのやつが
いる。あいつ、ジャマなんだよね。

ぼくらだって、陛下のおそばにいたいのに。
……あいつばっかり！

ふっふっふ……だからね？
ノエルと一緒に、
ちょっと不意打ちしてやったんだ。

無様なあいつを見れば、
陛下のお心も変わるはずだもん。

たとえば、この前は、こう……
ノエルがラップに話しかけてね。

あいつがしゃがんだところに、
ぼくがラリアットをかましてやったんだ！

他にもね、ノエルが空を指さして
『あっ、あれは！』って叫んで、
ラップの気を引いてる隙に……。

ぼくが、ラップのズボンを
思いっきり引きずりおろしてやったり！

あいつ、さすがに慌ててたな……
くっくっく！

でもね、それでもラップのやつ、
今日の作戦でも、陛下の隣に
くっついてるんだ。

陛下ったら……あんな姿を見ても、
ラップのやつを副官として
扱ってやるだなんて！

悔しいけど、ラップのやつ、
戦闘ではすごく強いから……。

お心が広い陛下は、
基地での失敗については
目をつむってやってるのかな？

だったら、ぼくらも今日の作戦で活躍して、
陛下に勇姿を見ていただかなきゃ！

待っててね、〇〇。
ぼくらの勉強の成果を見せてくるから！

……んん……むぅ？　ぼく……ベッドに？

ぼく、絶対高貴になって、それで……
あ、〇〇。

そっか……
ぼく、作戦中にやられちゃったんだね。

む～、陛下みたいに、活躍したかったのに！

そうだ！　〇〇、
ノエルは無事？　……良かったぁ。

ぼく、覚えてるよ。敵の弾をくらう直前
……ノエルが、『危ない！』って叫んで、
庇おうとしてくれたこと。

でも間に合わなくて、
ぼくはそこで気を失っちゃったんだけど……
ノエルが無事で、本当に良かったぁ。

ぼく……きっと、油断しちゃったんだ。

はじめての戦場だったけど、陛下のように
戦うぞ！　って、ふたりで気合を入れたら、
簡単に絶対高貴になれたから。

敵に狙われてたのに、撃たれるまで
気付かなかったなんて……っ。

うぅ……ぼく……悔しいよぉ！
〇〇！

はぁぅ……でも、こうしちゃいられない……
ノエルと、反省会しなくっちゃ……。

って、あれ？　あそこのベッドに
ノエルの上着が置いてあるよ。

ノエルもベッドで寝てたの？
でも、さっきノエルは無事だって……。

え……ぼくが敵に撃たれて
ピストルに戻ったとき、
ノエルも一緒に戻っちゃったの？？

ノエルは傷付いてないのに……？
ふぅん……？

ぼくらは対の銃だし、そういうことも
あるのかなぁ……？　よくわかんないや。

あ、そうだ。〇〇が、ぼくを
手当てしてくれたんだよね？　ありがとう。

これでまた、作戦に参加できるよ。

油断して撃たれるなんて、
ちっとも陛下に近付けてないもん。

ノエルと協力して、
今度こそ戦場で活躍しなくちゃ！

むぅ……あ、〇〇。

あのね……ぼくとノエルなんだけど、もう
作戦には参加できないかもしれないんだ。

レジスタンスの皆が、子供は危ないから
戦場へ行っちゃダメだって！

もう！　ぼくらのこと、子供扱いして！

でもね、陛下にも……
同じこと言われちゃったんだ。

しばらくは、基地でお留守番だなって！

ううっ、陛下ぁ……。

でも、陛下の言う通り、
戦場は怖いところだった。

ぼくは怪我しちゃったし、
ノエルもなぜかピストルに戻っちゃったし。

ぼくなんかが、戦場に行っちゃ
ダメなのかなぁ……ぼくじゃ、
陛下みたいにはなれないのかなぁ？

……うぇえ……ぐすっ……！

……〇〇、
ぼくのこと、励ましてくれるの？

ありがとう……
なんだか、元気が出てきたかも。

……行っちゃいけないって言われたくらいで
諦めたら、そっちのほうがダメだよね！

それじゃ、陛下のような
偉大な人物にはなれないよね！

よぉし！　ぼく、諦めないぞ！
高貴に活躍して、陛下に認めてもらうんだ！

ふっふっふ……まぁ、心配しないで
〇〇！
未来の皇帝に任せておいてよ！

このままじゃ、あのバカの言う通り……
ぼくらふたりで一人前、
ううん、それ以下だもん。

そうと決まれば、さっそく……
よし、いいこと思いついた！

ノエルに話してみようっと！
またね、〇〇！

あ、〇〇！　あのね、あのね？

今日の作戦で、ぼくとノエルが
いっぱい活躍したんだよ。
陛下をお助けしたんだ！

ぼくら本当は、
基地に残るよう言われてたんだけど。

ふっふっふ……大人たちバレないように、
こっそり作戦について行ったんだ！

戦場では、物陰で様子をうかがってたの。
そうしたら、陛下が敵に囲まれちゃって！

ぼくとノエルは、思わず声を上げちゃった。

敵に気付かれたけど、ぼくらは心銃で、
やつらを蹴散らしたんだ。

陛下のピンチを救えたんだ！
ぼくとノエルがだよ！

最初、大人たちに言われた通り、
基地に残るつもりだった。

ぼくは、陛下のようにはなれないんだって、
思い込みそうになってたから……。

でもね、
〇〇が励ましてくれた！

だから、勇気を出して行動できたんだよ。
まるで、陛下みたいに！

そのおかげかな？　心銃が強くなってた。
もっと、高貴になってたみたい。

あのね？　えへへ……
陛下にも、褒められたんだよ。

ぼくらふたりが揃えば、知恵と勇気は
大人３人分にも匹敵する……って！

ふふん！　もう、ふたりで一人前なんて
言わせないもん。

〇〇のおかげで、
ぼくはまた一歩、陛下に近付けた。
ありがとう！

これからもノエルと一緒に、
もっともっと頑張って……。

陛下みたいに、偉大な人物になるんだ！

っ、ひゃああああ！　お化けぇ！

あ、あれ？
なんだあ、〇〇かぁ。

え、えへへ……
夜中に大声出して、ごめんね。

ええと、その……
ぼく、トイレに行ってきたところなんだ。

陛下のお部屋で、
ノエルと一緒に本を読んでたんだけどね。

あのね、ノエルがラップを連れて
トイレに行くのを見たら、
ぼくも行きたくなっちゃって……。

でも、陛下はもう寝ちゃってるし、
ノエルも、帰ってきてすぐに
陛下のベッドにもぐりこんで寝ちゃったし。

ぼくはひとりでも、夜中のトイレくらい
平気で行けるんだけど……。

ラップのやつが、ついてくるって
うるさいから、仕方なく
ついてこさせてやったんだ！

こいつ、子供は早く寝ろって
しつこいんだよ。自分だって、
こんな時間まで起きてるくせにさ？

この間の作戦ではしっかり活躍できたけど。
陛下のように連戦連勝するためには、
もっと上を目指さなきゃ！

だから、もっと勉強したいって言ったら、
陛下がご本を貸してくれたんだ。

あとちょっとで、読み終わりそうなの。
だから、もうちょっと頑張るよ。

明日の朝、陛下が起きたら……
もう読み終わりました、って
ご報告したいから！

えへへ……陛下に褒めてもらえるかなぁ？

見て見て、〇〇！
クレープだよ。

陛下が、ラップに焼かせたんだ。
〇〇もこっちで食べようよ。

このクレープは、
ぼくとノエルへのご褒美なの。

陛下がくれたご本を、ぼくもノエルも
ちゃんと読み終わったから。

それを陛下にご報告したら、陛下が
お祝いにクレープを食べようって
言ってくれたんだよ！

えへへ……
ぼく、やっぱり陛下のこと大好き。

〇〇も陛下のこと好き？
えへへ……陛下も〇〇のこと、
好きって言ってたよ！

えっとね、えっとね。
ぼくはいちごのクレープが好きなんだ。

〇〇にも、ひと口あげるね。
はい、召し上がれ。

いちごは、近くの森で摘んできたんだよ。
ノエルと一緒に！

ノエルは、アップルシナモンの
クレープが好きで……あ！

〇〇、お洋服にクリームを
つけないように、気をつけてね？

あのね、ぼくがクレープが食べるとき、
陛下がいつも……。

リボンにクリームをつけないように、
こうやって声をかけてくれるんだよ。
真似っこしちゃった。

ね、〇〇。
クレープ、おいしい？

〇〇の顔、ぼくとノエルと、
おそろいだね。嬉しそうな顔してる！

〇〇、ちょっといい？
見てほしいものがあるんだ。

あのね、これ……！　ノエルとふたりで、
陛下に宛ててお手紙を書いたんだよ。

この間、陛下がクレープを焼いてくれた
でしょ？　それでね、ありがとうの気持ちを
形にしたくって。

今から、陛下にお渡しするんだけど、
その前に〇〇にだけ
見せてあげる。内緒だよ？

えへへ……どうかな？　ここの表現、
おしゃれで素敵でしょ。
ここはね、ノエルが考えてくれたんだ。

ノエルは、言葉の選び方が上手なんだよ。

細かいことによく気が付くし、ひとつの
アイデアを深く考えることができるんだ。

ノエルには、ぼくとは違ういいところが、
いっぱいあるんだよ。ふふ……！

あの、あのね、〇〇。

ぼく、〇〇への
お手紙も書いたんだ。

これは、ぼくだけで書いたんだよ。
ノエルにも内緒なんだ。

陛下も、大切な人に気持ちを伝えるには、
お手紙が一番だって言ってたから……。

〇〇、受け取ってください！

えへへ……、ありがとう！

それじゃあ、次は陛下のところに……
あ！　いけない、〇〇に
言い忘れてたことがあった。

大事なことなんだ。
えっとね、ぼくからのお手紙は……。

ひとりきりのときに読んでね？　絶対だよ？

ねえねえ、〇〇！
今度の休暇は、〇〇も
一緒にお出掛けなんでしょ？

えへへ、さっき陛下に聞いたんだ！

陛下とご一緒できるだけで、
とっても嬉しいのに……。

〇〇も一緒なら、
もっと楽しい旅行になるよ！

ただ、ひとつだけ……。

ラップのやつまで付いてくるのが、
納得できないんだよね……！

陛下の決めたことだから、ぼくもノエルも
わがまま言わないけど……あーあ。

でもね、大丈夫だよ！
ノエルが教えてくれたんだ。

旅行中だからこそ、
仕掛けられる悪戯もあるって！　えへへ！

さっそく、ノエルと計画を立てなくちゃ。
またね、〇〇！

はぁ……
おいしかったね、〇〇！

ぼく、コース料理っていうのを食べたの、
初めてだよ。

ノエルも、すっごく満足してたみたい！

……あのね、〇〇！
ここのご飯は、すっごくおいしいけど……。

〇〇とふたりで食べると、
もっとおいしいよね！

えへへ……旅行って、楽しいなぁ。

そうだ！　あのね、宿のお部屋も
すごかったの！

ベッドがふかふかで、
枕もふわっふわなんだよ！

思わずほおずりしてたら、ノエルとふたりで
うとうとしちゃった……えへへ。

今日は、あのベッドで……陛下と
〇〇と一緒に、ぎゅっとくっついて寝たいな！

もちろん、ノエルも一緒だよ！
ね、ね？　いいでしょ！？

ねえ、〇〇。
今度、基地でお祭りがあるって、ほんと？

……わあ、本当なんだ！
『ハロウィン』って、本で読んだことは
あるけど……よく知らないんだ。

死者の日とかお墓参りとは、
ちょっと違うんだよね？
〇〇、どんなことするの？

仮装した子供が、
大人からお菓子をもらう……？
ふぅん……。

子供扱いされるのは……。でも、
お菓子がたくさんもらえるのかぁ……。

えっ！
お菓子を持ってないやつには
いたずらしていいの？

それじゃあ、ノエルと一緒に考えた
新しいいたずら、いっぱい試せそう……！

よーし！
ノエルと一緒に作戦練ってこよーっと！
陛下から教わったことも活かしたいなぁ。

そうやって、ラップのやつから
お菓子をいーっぱい奪って、
いたずらもしてやる……。ふっふっふ……！

……あ。仮装したら、
〇〇に見せにくるね！

……〇〇！
『Des bonbons ou un sort』！

えへへ……これ、陛下に教わったの。
『お菓子くれないと魔法かけちゃうぞ』って
決まり文句なんだよ。

ぼくの仮装はね、双子の悪魔だよ。
ノエルとおそろいなの。……素敵でしょ？

……それで、〇〇はどうする？

お菓子？
それとも、ぼくに魔法かけられちゃう？
……なんてね！

〇〇がお菓子用意してくれてる
ことも、陛下に聞いたんだ。

えへへ……〇〇、ありがとう！
大切に食べるね！

あ、そうだ。ラップのやつがね、
ハロウィンだってのにお菓子も持ってないし
いたずらもやめろって言うんだ。

だから、ぼくとノエルで
あいつにいたずらしてやったよ！

ほっぺに猫のヒゲを描いてやったんだ。
ふふっ……〇〇も、
あとで見に行ってね！

発生場所：井戸付近

発生場所：森の奥