キャラクター/モーゼル の編集 Top > キャラクター > モーゼル &size(18){''Alles klar, マスター。&br;あなたの邪魔をする者は、&br;全て排除します。''}; #contents //------------------------------------------------ *自己紹介 [#introduction] 僕のコードネームはモーゼル。世界帝に呼び覚まされた最初の貴銃士です。 陛下の秘書官として常にお側に控え、護身のほかあらゆる職務を行っています。 最初期のセミオートピストルなので、現代銃としてはかなり古い部類の銃ですが…… 正確な射撃には定評をいただいていますよ。 敬愛する陛下に逆らう愚か者は、見つけ次第ただちに始末しますので、ご了承を。 //------------------------------------------------ *世界帝軍エピソード [#episode] **第1話:「始まりの日」 [#episode1] #region(ネタバレ注意) ──約15年前、国連軍入隊式にて。 |司会|続いて、宣誓を行います。&br;代表者、アシュレー・サガン、前に。| |アシュレー|はい。&br;私たちは、世界の平和と秩序を守る&br;国連軍として──| |国連軍兵士A|(おぉ……あれが世界帝のご子息か……。&br;志望して軍に入ったって聞いたぜ)| |国連軍兵士B|(飛び級で大学に入って主席で卒業した&br;秀才だろ? 引く手数多だったろうに、&br;立派なもんだな)| |アシュレー|──の象徴たる世界帝への忠誠と尽力を、&br;ここに誓います。&br;……礼!| |世界帝|アシュレー。| |アシュレー|あ……、父さん。| |世界帝|入隊式での宣誓、立派だった。&br;これは、私からの入隊祝いだ。| |アシュレー|ありがとうございます。&br;……とても洒落た拳銃ですね。&br;少し古い……20世紀初頭のものですか?| |世界帝|そうだよ。私が若い頃、&br;知り合いから譲り受けた特注品だ。&br;大事にしなさい。| |アシュレー|はい。有難く頂戴します。| |世界帝|では、明日から軍務に励むように。| |アシュレー|──父さん!| |世界帝|……なんだ?| |アシュレー|僕はずっと、父さんの理想を──&br;争いのない、完全なる平和世界実現の&br;助けになりたいと、強く思ってきました。| |アシュレー|今日はようやく、念願が叶い……&br;この胸は、未来への希望と喜びに&br;満ちあふれています。| |アシュレー|父さんと母さん、&br;そして平和を愛する民衆のため──&br;このモーゼルと共に、邁進いたします!| |世界帝|……期待している、我が息子よ。| |アシュレー|──はい!| |国連軍兵士A|急げ! この街にサガン少佐が視察に&br;来られるぞ! お迎えしなくては!| |国連軍兵士A|万が一に備え警備網を敷くんだ!| |国連軍兵士たち|はっ!| |アシュレー|いい街だ……。&br;この景観を瓦礫の山にするのは&br;忍びないと思っていたよ。| |国連軍兵士|サガン少佐に敬礼!| |アシュレー|君たち、ご苦労。&br;占領統治の具合はどうだい。| |国連軍兵士|はい、概ね順調です。&br;ただ郊外にはまだレジスタンスの残党が&br;潜んでいるとの情報があり、捜索中です。| |国連軍兵士|市街地でもしばしば反抗的な住民との&br;衝突が生じ、すべて収監しております。| |アシュレー|ふっ、収監ね。反抗勢力をわざわざ&br;収監してさしあげるとは、父さんも甘いな。&br;全員極刑で構わないだろうに。| |アシュレー|視察の間、モーゼルに汚い血を&br;流させることもあるかもしれないね。| |国連軍兵士|モーゼル……と言いますと、&br;半世紀前の拳銃でしょうか……?| |アシュレー|そうだ。入隊祝いに父からもらった&br;僕の愛銃なんだ。&br;見せようか、ほら──美しいだろう?| |国連軍兵士|なるほど……しかし、性能としましては、&br;その……最新の銃を使用された方が&br;よろしいのでは……?| |アシュレー|またそれか。&br;側近にも散々言われているが、&br;僕の相棒はこのモーゼルと決めている。| |アシュレー|軍人としての始まりの日から、様々な経験を&br;共にしてきた。それはこれからも、&br;理想の未来を築くまで変わらない。| |国連軍兵士|は、はあ……。| |アシュレー|いい街だ。&br;母さんを案内してあげたいなあ……。| この数日後、アシュレーの母親は&br;レジスタンスの暴徒によって殺害される。&br; 事件をきっかけに、アシュレーの&br;レジスタンスに対する弾圧の姿勢は&br;苛烈を極めていった。&br; その頃、核戦争跡地で未知の鉱石が&br;発見される。のちに、核に代わる強大な&br;エネルギー源であることが明らかになり、&br; 反乱勢力に対する制裁の切り札とするべく、&br;アシュレーらは新たな鉱石を使用した&br;爆弾の研究を密かに開始した。 #endregion **第2話:「反逆の銃声」 [#episode2] #region(ネタバレ注意) 完成したミルラの威力を目の当たりにした&br;世界帝は、非人道的であるとして実用化を&br;断固認めなかった。&br; 病魔に侵される中、世界帝はアシュレーの&br;急進的な思想に危機感を強めていく。&br; ある日、アシュレーは事故に遭い&br;一命を取り留めるも、&br;それが世界帝の指示だったと知る。&br; そしてついに、アシュレーも&br;実の父親に対して刃を向ける──。 |アシュレー|ぐっ……ああああああ!!| |アシュレー|くそッ……失敗した……!&br;卑劣で、腰抜けの、世界帝め……ッ!!| |アシュレー|あんな男を、金輪際父親だとは&br;思わない……! 母さんの無念を晴らさず、&br;僕の作ったミルラを否定し!| |アシュレー|実の息子の暗殺を企んだ畜生……!&br;殺してやる……!&br;絶対に、殺してやる──ッ!| |アシュレー|──ぐ!&br;ゴフッ……!&br;ハァ……ハァ……。| |アシュレー|僕は……どうなる……。&br;世界帝を手にかけようとした──&br;重大な反逆罪だ。死刑は免れない、か……。| |アシュレー|……いや、戦ってやる……!&br;何があっても、僕の正義を&br;証明してやる……ッ!!| |アシュレー|そのために今まで準備してきた……!&br;僕には新時代を待ち望む&br;多くの支持者がいる……!| |アシュレー|惨めで愚かな父親、&br;そしてそれを養護する保守派の連中……!&br;奴らごと成敗してくれる!!| |アシュレー|思い知れ……この僕、そしてミルラこそが&br;人類を素晴らしい未来へと導く&br;福音なのだと!!| |アシュレー|う……、くっ……&br;めまいが……ッ、……。| |アシュレー|どこか、休むところは……、&br;ああ、そうだ……。| ||──ギィ……| |アシュレー|僕の部屋……久しぶりだな。&br;学生の頃のまま……、変わっていない。| |アシュレー|うぅ……ゲホッ、ゴホッ……ハァ。| |アシュレー|モーゼル……。&br;僕の味方は、お前だけだ。&br;愚かな人類を……世界を導く、ために……。| |アシュレー|父を踏み越える、力が……欲し、い……。| ||………………。| ||………………。| |アシュレー|……ん……。&br;眠っていたのか……。| |アシュレー|なんだ……?&br;憑き物が落ちたような……&br;千里先まで見渡せそうな感覚だ。| |アシュレー|──!?| |???|お目覚めですね、アシュレー。| |アシュレー|……っ、君は誰だ?&br;部屋の鍵は閉めていたはずだが。| |モーゼル|僕はモーゼル。この拳銃ですよ。&br;あなたの強い意志に導かれて、&br;目覚めた貴銃士。| |アシュレー|モーゼル……? 貴銃士……?| |モーゼル|これまでと同じく、あなたのために&br;すべてを捧げます。&br;どうぞ、なんでもご命令ください。| |アシュレー|いったい、何を言って──| ||──ガチャ!| |国連軍兵士|鍵が掛かっているぞ!&br;下手人はこの部屋にいるに違いない!| |国連軍兵士|よし、鍵を壊すんだ!| |アシュレー|ああ、客が来たようだ。──君。&br;なんでも命令を、と言うなら、これから&br;入ってくる奴らを殺してみろ。できるか?| |モーゼル|はい。| ||──バキッ!| |国連軍兵士|いたぞ! 動くな、ッ……!?| |国連軍兵士|ぐァ……ッ!!| |モーゼル|完了しました。| |アシュレー|眉間に正確に一発ずつ……やるな。| |アシュレー|モーゼル。&br;本当に、私にすべてを捧げると?| |モーゼル|はい。| |アシュレー|世界帝を殺せるか。| |モーゼル|はい。| |アシュレー|私の母を殺した反逆者を、世界の果てまで&br;行って探し出すことができるか?| |モーゼル|はい。| |国連軍兵士|銃声はこっちだ!| |国連軍兵士|アシュレー・サガン!&br;貴様を世界帝殺害未遂の容疑で確保する!| |アシュレー|──ならば、ここはひとまず……。| #endregion **第3話:「崩壊の序曲」 [#episode3] #region(ネタバレ注意) |看守|とっとと歩くんだ!| |アシュレー|くッ……。| |看守|ここが貴様の独房だ。&br;さぁ、入れ!| |アシュレー|……この私に手荒な真似をするとはな。&br;名は何というんだ?&br;覚えておいてやろう。| |アシュレー|そして喜びたまえ。&br;近い将来、君と君の一族は皆、&br;安らかな眠りにつくことになる。| |看守|ふざけたことを言うな!&br;貴様は世界帝に危害を加えた重罪人!&br;何があろうと未来永劫許されることはない!| |アシュレー|ふ……。&br;永劫となると暇だな。&br;本を持ってきてくれ。ありったけのな。| |看守|アシュレー・サガン。面会人が来ている。| |アシュレー|名前は。| |看守|フレデリック・サガン。&br;世界帝の身辺警護を担う人物だが──&br;貴様にとっては義理の弟というわけか。| |アシュレー|……待っていたよ。&br;フレデリック。| ||──数日後。| |看守|あ……が……ッ。| |モーゼル|アシュレー、準備ができました。&br;こちらが起爆装置です。| |アシュレー|ありがとう。&br;さぁ……時を刻む針の音が聞こえるか。&br;世界が生まれ変わる、その瞬間へ!| |アシュレー|父さん、ああ……&br;私の憧れのすべてだった、世界帝……。| |アシュレー|これまで私を育ててくれて、ありがとう。&br;そして、……さようなら。| ||──カチッ!| |モーゼル|…………。| |モーゼル|こちら帝都拘置所。&br;国連軍本部、応答せよ。| |無線|ジ──ガガ──| |無線|こ──ら本部──&br;総会中の──ネにて原因不明の大爆発──| |無線|生存者──見当たらず!| |モーゼル|了解。| |モーゼル|さあ、行きましょう。陛下。| |アシュレー|──ああ。| フレデリック・サガンを利用した爆破により&br;世界帝を含む国連軍の主要人物の多くが&br;死亡し、世界帝府は混乱を極めた。&br; そんな中、牢を出たアシュレーは&br;国連軍本部に赴き、&br;臣下らと共に事態の収束を図る。&br; その後2代目世界帝として即位すると、&br;手始めにレジスタンスに対して&br;ミルラによる大粛清を行った。&br; そして世界は、新たな世界帝による&br;武力支配の渦へと飲み込まれていく──。 #endregion ページの更新 ビジュアル編集モードに切り替える &size(18){''Alles klar, マスター。&br;あなたの邪魔をする者は、&br;全て排除します。''}; #contents //------------------------------------------------ *自己紹介 [#introduction] 僕のコードネームはモーゼル。世界帝に呼び覚まされた最初の貴銃士です。 陛下の秘書官として常にお側に控え、護身のほかあらゆる職務を行っています。 最初期のセミオートピストルなので、現代銃としてはかなり古い部類の銃ですが…… 正確な射撃には定評をいただいていますよ。 敬愛する陛下に逆らう愚か者は、見つけ次第ただちに始末しますので、ご了承を。 //------------------------------------------------ *世界帝軍エピソード [#episode] **第1話:「始まりの日」 [#episode1] #region(ネタバレ注意) ──約15年前、国連軍入隊式にて。 |司会|続いて、宣誓を行います。&br;代表者、アシュレー・サガン、前に。| |アシュレー|はい。&br;私たちは、世界の平和と秩序を守る&br;国連軍として──| |国連軍兵士A|(おぉ……あれが世界帝のご子息か……。&br;志望して軍に入ったって聞いたぜ)| |国連軍兵士B|(飛び級で大学に入って主席で卒業した&br;秀才だろ? 引く手数多だったろうに、&br;立派なもんだな)| |アシュレー|──の象徴たる世界帝への忠誠と尽力を、&br;ここに誓います。&br;……礼!| |世界帝|アシュレー。| |アシュレー|あ……、父さん。| |世界帝|入隊式での宣誓、立派だった。&br;これは、私からの入隊祝いだ。| |アシュレー|ありがとうございます。&br;……とても洒落た拳銃ですね。&br;少し古い……20世紀初頭のものですか?| |世界帝|そうだよ。私が若い頃、&br;知り合いから譲り受けた特注品だ。&br;大事にしなさい。| |アシュレー|はい。有難く頂戴します。| |世界帝|では、明日から軍務に励むように。| |アシュレー|──父さん!| |世界帝|……なんだ?| |アシュレー|僕はずっと、父さんの理想を──&br;争いのない、完全なる平和世界実現の&br;助けになりたいと、強く思ってきました。| |アシュレー|今日はようやく、念願が叶い……&br;この胸は、未来への希望と喜びに&br;満ちあふれています。| |アシュレー|父さんと母さん、&br;そして平和を愛する民衆のため──&br;このモーゼルと共に、邁進いたします!| |世界帝|……期待している、我が息子よ。| |アシュレー|──はい!| |国連軍兵士A|急げ! この街にサガン少佐が視察に&br;来られるぞ! お迎えしなくては!| |国連軍兵士A|万が一に備え警備網を敷くんだ!| |国連軍兵士たち|はっ!| |アシュレー|いい街だ……。&br;この景観を瓦礫の山にするのは&br;忍びないと思っていたよ。| |国連軍兵士|サガン少佐に敬礼!| |アシュレー|君たち、ご苦労。&br;占領統治の具合はどうだい。| |国連軍兵士|はい、概ね順調です。&br;ただ郊外にはまだレジスタンスの残党が&br;潜んでいるとの情報があり、捜索中です。| |国連軍兵士|市街地でもしばしば反抗的な住民との&br;衝突が生じ、すべて収監しております。| |アシュレー|ふっ、収監ね。反抗勢力をわざわざ&br;収監してさしあげるとは、父さんも甘いな。&br;全員極刑で構わないだろうに。| |アシュレー|視察の間、モーゼルに汚い血を&br;流させることもあるかもしれないね。| |国連軍兵士|モーゼル……と言いますと、&br;半世紀前の拳銃でしょうか……?| |アシュレー|そうだ。入隊祝いに父からもらった&br;僕の愛銃なんだ。&br;見せようか、ほら──美しいだろう?| |国連軍兵士|なるほど……しかし、性能としましては、&br;その……最新の銃を使用された方が&br;よろしいのでは……?| |アシュレー|またそれか。&br;側近にも散々言われているが、&br;僕の相棒はこのモーゼルと決めている。| |アシュレー|軍人としての始まりの日から、様々な経験を&br;共にしてきた。それはこれからも、&br;理想の未来を築くまで変わらない。| |国連軍兵士|は、はあ……。| |アシュレー|いい街だ。&br;母さんを案内してあげたいなあ……。| この数日後、アシュレーの母親は&br;レジスタンスの暴徒によって殺害される。&br; 事件をきっかけに、アシュレーの&br;レジスタンスに対する弾圧の姿勢は&br;苛烈を極めていった。&br; その頃、核戦争跡地で未知の鉱石が&br;発見される。のちに、核に代わる強大な&br;エネルギー源であることが明らかになり、&br; 反乱勢力に対する制裁の切り札とするべく、&br;アシュレーらは新たな鉱石を使用した&br;爆弾の研究を密かに開始した。 #endregion **第2話:「反逆の銃声」 [#episode2] #region(ネタバレ注意) 完成したミルラの威力を目の当たりにした&br;世界帝は、非人道的であるとして実用化を&br;断固認めなかった。&br; 病魔に侵される中、世界帝はアシュレーの&br;急進的な思想に危機感を強めていく。&br; ある日、アシュレーは事故に遭い&br;一命を取り留めるも、&br;それが世界帝の指示だったと知る。&br; そしてついに、アシュレーも&br;実の父親に対して刃を向ける──。 |アシュレー|ぐっ……ああああああ!!| |アシュレー|くそッ……失敗した……!&br;卑劣で、腰抜けの、世界帝め……ッ!!| |アシュレー|あんな男を、金輪際父親だとは&br;思わない……! 母さんの無念を晴らさず、&br;僕の作ったミルラを否定し!| |アシュレー|実の息子の暗殺を企んだ畜生……!&br;殺してやる……!&br;絶対に、殺してやる──ッ!| |アシュレー|──ぐ!&br;ゴフッ……!&br;ハァ……ハァ……。| |アシュレー|僕は……どうなる……。&br;世界帝を手にかけようとした──&br;重大な反逆罪だ。死刑は免れない、か……。| |アシュレー|……いや、戦ってやる……!&br;何があっても、僕の正義を&br;証明してやる……ッ!!| |アシュレー|そのために今まで準備してきた……!&br;僕には新時代を待ち望む&br;多くの支持者がいる……!| |アシュレー|惨めで愚かな父親、&br;そしてそれを養護する保守派の連中……!&br;奴らごと成敗してくれる!!| |アシュレー|思い知れ……この僕、そしてミルラこそが&br;人類を素晴らしい未来へと導く&br;福音なのだと!!| |アシュレー|う……、くっ……&br;めまいが……ッ、……。| |アシュレー|どこか、休むところは……、&br;ああ、そうだ……。| ||──ギィ……| |アシュレー|僕の部屋……久しぶりだな。&br;学生の頃のまま……、変わっていない。| |アシュレー|うぅ……ゲホッ、ゴホッ……ハァ。| |アシュレー|モーゼル……。&br;僕の味方は、お前だけだ。&br;愚かな人類を……世界を導く、ために……。| |アシュレー|父を踏み越える、力が……欲し、い……。| ||………………。| ||………………。| |アシュレー|……ん……。&br;眠っていたのか……。| |アシュレー|なんだ……?&br;憑き物が落ちたような……&br;千里先まで見渡せそうな感覚だ。| |アシュレー|──!?| |???|お目覚めですね、アシュレー。| |アシュレー|……っ、君は誰だ?&br;部屋の鍵は閉めていたはずだが。| |モーゼル|僕はモーゼル。この拳銃ですよ。&br;あなたの強い意志に導かれて、&br;目覚めた貴銃士。| |アシュレー|モーゼル……? 貴銃士……?| |モーゼル|これまでと同じく、あなたのために&br;すべてを捧げます。&br;どうぞ、なんでもご命令ください。| |アシュレー|いったい、何を言って──| ||──ガチャ!| |国連軍兵士|鍵が掛かっているぞ!&br;下手人はこの部屋にいるに違いない!| |国連軍兵士|よし、鍵を壊すんだ!| |アシュレー|ああ、客が来たようだ。──君。&br;なんでも命令を、と言うなら、これから&br;入ってくる奴らを殺してみろ。できるか?| |モーゼル|はい。| ||──バキッ!| |国連軍兵士|いたぞ! 動くな、ッ……!?| |国連軍兵士|ぐァ……ッ!!| |モーゼル|完了しました。| |アシュレー|眉間に正確に一発ずつ……やるな。| |アシュレー|モーゼル。&br;本当に、私にすべてを捧げると?| |モーゼル|はい。| |アシュレー|世界帝を殺せるか。| |モーゼル|はい。| |アシュレー|私の母を殺した反逆者を、世界の果てまで&br;行って探し出すことができるか?| |モーゼル|はい。| |国連軍兵士|銃声はこっちだ!| |国連軍兵士|アシュレー・サガン!&br;貴様を世界帝殺害未遂の容疑で確保する!| |アシュレー|──ならば、ここはひとまず……。| #endregion **第3話:「崩壊の序曲」 [#episode3] #region(ネタバレ注意) |看守|とっとと歩くんだ!| |アシュレー|くッ……。| |看守|ここが貴様の独房だ。&br;さぁ、入れ!| |アシュレー|……この私に手荒な真似をするとはな。&br;名は何というんだ?&br;覚えておいてやろう。| |アシュレー|そして喜びたまえ。&br;近い将来、君と君の一族は皆、&br;安らかな眠りにつくことになる。| |看守|ふざけたことを言うな!&br;貴様は世界帝に危害を加えた重罪人!&br;何があろうと未来永劫許されることはない!| |アシュレー|ふ……。&br;永劫となると暇だな。&br;本を持ってきてくれ。ありったけのな。| |看守|アシュレー・サガン。面会人が来ている。| |アシュレー|名前は。| |看守|フレデリック・サガン。&br;世界帝の身辺警護を担う人物だが──&br;貴様にとっては義理の弟というわけか。| |アシュレー|……待っていたよ。&br;フレデリック。| ||──数日後。| |看守|あ……が……ッ。| |モーゼル|アシュレー、準備ができました。&br;こちらが起爆装置です。| |アシュレー|ありがとう。&br;さぁ……時を刻む針の音が聞こえるか。&br;世界が生まれ変わる、その瞬間へ!| |アシュレー|父さん、ああ……&br;私の憧れのすべてだった、世界帝……。| |アシュレー|これまで私を育ててくれて、ありがとう。&br;そして、……さようなら。| ||──カチッ!| |モーゼル|…………。| |モーゼル|こちら帝都拘置所。&br;国連軍本部、応答せよ。| |無線|ジ──ガガ──| |無線|こ──ら本部──&br;総会中の──ネにて原因不明の大爆発──| |無線|生存者──見当たらず!| |モーゼル|了解。| |モーゼル|さあ、行きましょう。陛下。| |アシュレー|──ああ。| フレデリック・サガンを利用した爆破により&br;世界帝を含む国連軍の主要人物の多くが&br;死亡し、世界帝府は混乱を極めた。&br; そんな中、牢を出たアシュレーは&br;国連軍本部に赴き、&br;臣下らと共に事態の収束を図る。&br; その後2代目世界帝として即位すると、&br;手始めにレジスタンスに対して&br;ミルラによる大粛清を行った。&br; そして世界は、新たな世界帝による&br;武力支配の渦へと飲み込まれていく──。 #endregion データ参照プラグイン 入力支援ツールを表示 ▼参照先ページ選択:データを表示 元データの書式(インラインプラグイン)を継承する