イベント/氷の柩でそよ風は眠る/エピソード のバックアップ(No.5)


第1話 The Snow Queen Edit

+  ネタバレ注意
村人1おーい、馬車はまだ出ないのか?
御者もう少し待ってくれ。この雪だからな、
いつもより準備がいるんだよ。
アリ・パシャ……こんな山の中に、本当に奴らの拠点が
あるものか? まあ、極秘の施設なら
あり得ん話でもないが。
エセンはい。色々と情報を集めてみましたが、
ほぼ間違いないかと。
軍の車両を見た人も複数います。
アリ・パシャほう……ならば期待はできそうだ。
極秘というからには、
漏れるとまずい情報があるのだろうな。
アリ・パシャ俺様が手に入れて、
有意義に使ってやるとしよう。
くくく……。
マフムトエセン、アリ・パシャや。外を見てごらん。
雪であたり一面が真っ白だ。
とても綺麗だよ。
アリ・パシャチッ……
なぜ貴様までついてきたのだ、マフムトよ。
エセン雪山に興味があったから……だそうですよ。
アリ・パシャはぁ……なんだそれは。
少しでも邪魔になるようなら
置いていってやる。
御者みんな、待たせちまってすまないね。
馬車の用意ができたよ。
どんどん乗っとくれ!

 

──ガタッ!
エセン痛……っ、
随分揺れますけど、
この馬車大丈夫なんですか?
アリ・パシャこうして走っているからには
問題ないのだろう。
滑ったりでもしない限りはな。
マフムトしかし寒いなぁ。風よけもないとは……
ふかふかの毛布を持ってくればよかったよ。
御者はっはっは。
お客さん方、好き放題言ってくれるねえ。
御者馬車はどうにもならないが、
お詫び代わりに面白い話を聞かせてやるよ。
──雪の女王伝説って知ってるかい?
アリ・パシャ雪の女王? なんだそれは。
このあたりの権力者か?
御者まさか! 人間かどうかも怪しいもんさ。
こういう吹雪の日に現れては、
男を攫うっていうんだからな。
御者去年の吹雪の日も、何人か
いなくなっちまったってよ。それも、
お客さんたちみたいな美男ばっかりねぇ。
アリ・パシャはっ……下らん噂話だな。
だが、軍の施設に人を近付けさせないために
奴らが流した噂だとしたら……。
エセン……なるほど、
そういう可能性もありますね。
御者へ? お客さん、なんか言ったかい?
──ガタガタッ!
エセンうわっ!
マフムトおっと、すごい揺れだね。
アリ・パシャ呑気なことを言っている場合か!
これは……!
御者だ、駄目だ、制御が利かない!
お、落ちるっ! ひぃぃぃ……!

 

マフムト…………う…………。
マフムトエセ、ン……ア、リ……。
…………。
謎の女…………。

 

村人2おい、大丈夫か!?
しっかりしろ!
御者う……ここは……?
ああ、馬車が落ちて……ったたた。
お客さんたちは無事かい!?
村人2お客さん──“たち”?
客は1人しかいないようだったが……。
御者そんなはずは……あと3人いて、
確かに喋ってたんだ。
なんてことない噂話を……。
…………。
御者ま、まさか……
雪の女王は本当にいるのか……?

第2話 視察任務へ Edit

+  ネタバレ注意
ライク♥ツーふっ、
ライク♥ツーふっ、ふっ……っ、と!
ラブ★ワンおっ、ライたん!
今日も筋トレ頑張ってんね~。
ヒュ~! 腹筋バッキバキー★
ライク♥ツー当然でしょ、僕ら軍人だし。
お兄ちゃんも一緒にどう?
鍛えたら、ジャムる癖も直るかもよ。
ラブ★ワンおおっと! 弟が今日も手厳し~い!
ラブ★ワンそんなストイックなライたんに、
モーゼルから
お仕事のオーダーだよぉ~ん★
ライク♥ツーモーゼルから?
ってことは、あの人絡みかな。
ラブ★ワンイエース! 最近お疲れな世界帝の
リフレッシュお忍び旅用に、
イイ感じのホテルを予約しとけってさ。
ライク♥ツーホテルか……それなら僕、
気になってるとこがあるんだよねー。
ライク♥ツーお兄ちゃん、アイスホテルって知ってる?
建物がぜーんぶ氷でできてる、
超ゴージャスなホテル。
ライク♥ツー景色は神秘的でー、
リッチなバーもあってー……
セレブなあの人にはぴったりだと思わない?
ラブ★ワンおっ、いいんじゃない?
ライたんのチョイスなら、間違いナシ!
ライク♥ツーじゃ、さっそく僕らで下見に行こ。
世界帝が泊まる場所に相応しいか、
ちゃんと確認しないとね。
ライク♥ツーふふ、こんな任務が回ってくるなんて、
超ラッキー! 楽しみだなー。
ホクサイだねぇ~!
ボクちゃんもホントに楽しみだよ~。
ライク♥ツーわっ!?
ホクサイさん、いつからいたの!?
ホクサイさあね~? それより、
ボクちゃんもそのホテル知ってるよ~。
近くにブルーアイスケーブがあるからね!
ラブ★ワンブルーアイスケーブ……
って、青い氷の洞窟? 何ソレ?
ホクサイふっふっふーん。
分厚くて密度が高い氷は、
赤の可視光線を吸収するのさ!
ホクサイそういう特別な氷でできた洞窟の中は、
青い光が透過して一面が
綺麗なブルーに……! アハ、アハハハ!
ライク♥ツー……。はぁ……。
ホクサイおおっと!
そんな冷たい反応しないでほしいな~!
お目当てはもう1個あるのさ。
ホクサイホテルの地下には、
世界帝軍の極秘研究施設があるからね。
そっちにも顔を出すよ。
ライク♥ツーそのあたりはどーでもいいけど、
行くなら早く準備してね。
ホクサイはいはーい。
んじゃ、10分後に集合~!

第3話 地下での目覚め Edit

+  ネタバレ注意
エセンう……。
あれ……、僕は……。
エセン……くっ、足が……。
うわ、すごい色になってる。
骨は──一応大丈夫そう、か。
エセンでも、……っ、あばら、かな……。
こっちは〇〇に
治療してもらわないと、厳しいかも……。
エセン……僕、なんで
こんなところにいるんだろう。
馬車が落ちたことまでは覚えてるけど……。
エセン気味が悪い場所だな……。
銃もないし、アリ・パシャと
マフムトを、探さな、いと……。
???──いやあ、実に光栄です!
特別幹部の方々に、
私の研究の成果をお見せできるとは!
エセン誰か、来る……!

 

博士……さあ、どうぞ。こちらが、
コールドスリープの実験室ですよ。
博士先ほども新たな実験体が届きまして。
それも、良質なものが3体も……おや?
博士い、いない!? 最初の1体を
ここに保管しておいたはずなのに!
博士ああ、なんということだ。
あの実験体は必ず捕獲しなければ……!
おい! 誰か来い!
ラブ★ワンなーんか騒がしくなっちったねえ、
ライたん。
ライク♥ツーっていうか僕、コールドスリープとか
興味ないんだけど。
先にホテル見に行こ、お兄ちゃん。
ホクサイあれれ……実験体がいないなら、
先にブルーアイスケーブに行ってくるよ~。
エセン(今のは、敵の貴銃士……!?
まずい……
世界帝軍の実験施設だったのか……)
エセン(あいつらに、見つかる前に
……逃げ、ない、……と……)
──ドサッ!
博士……ん? 今、何か音が……。
博士おや! こんなところに隠れていたのか。
もう逃しませんよ。ふふふ……。

 

???……シャ、アリ・パシャよ。
起きておくれ……!
アリ・パシャん……。なんだ、ここは……倉庫か?
……っく、一体どうなっている……?
アリ・パシャおい。馬車が落ちたあとに何があったのか、
貴様は何か覚えているか?
マフムトうむ……余も気を失っていたようでね。
倒れていた余たちを誰かが運んだことは、
薄ら記憶にあるのだが……。
アリ・パシャ問題は、それが誰かだな。
……今わかるのは、間違いなく
よからぬ相手だということだけだ。
アリ・パシャ……この怪我を放置して、
物置じみた場所の床なんぞに
寝かせられていたのだからな。……っ。
アリ・パシャチッ……〇〇の
いない場所でこの深手は響くな。
……動けるうちに、ここから出るぞ。
アリ・パシャエセン、来い。
…………おい、エセン?
マフムト余が目覚めたときには、
もう姿がなかったのだよ。
様子を探りにでも行ったのだろうか……。
アリ・パシャ……いや。見ろ、エセンの銃と荷物がある。
目立つとはいえ、
得体の知れぬ場所で銃を置いていくか?
マフムトでは、エセンは……
もしや、どこかに囚われているのか……?

第4話 女王の正体 Edit

+  ネタバレ注意
ラブ★ワンアイスホテル、良い感じじゃーん!
さっすがライたん、外さないねー★
ライク♥ツーでしょ? サービスもセキュリティも
いいし、これならあの人が泊まっても
問題なさそーだよね。
ラブ★ワンんじゃ、さっそくモーたんに連絡連絡~★
そういや、ホクちん戻ってきてないけど……
まだ洞窟にいるのかねぇ。
兵士ラブワンさん、ライクツーさん!
大変ですっ! ホ、ホクサイさんが……!
兵士アイスケーブで氷漬けになっているのを
発見しました!
おまけに、何故か全裸でして……。
ライク♥ツーはぁ? ホクサイ何やってんの……
どうせ、青に夢中になってる内に
寒さでおかしくなったんでしょ。
ラブ★ワンおいらたちはそう簡単に死なない
だろうしさー、とりあえず解凍して、
駄目なら帝都に送ればOKっしょ★
兵士は、はい、了解しました。それから
もう1つ、ホクサイさんが出掛ける前に、
気になることを仰っていて……。

 

ホクサイさて、アイスケーブにしゅっぱーつ!
あ、そこの兵士クン。研究所に残るなら
気を付けた方がいいかもよ~?
兵士……と言いますと?
ホクサイ“雪の女王”に捕まっちゃうかも
しれないからさ!
だって、彼女の正体は──。

 

ホクサイおや~? キミ、上のホテルの従業員
だよね。この研究所のことを知ってるのは
一握りのはずだけど……キミは?
女性従業員……! 私は、その……
清掃のために特別に立ち入りを
許可されていまして……。
ホクサイへぇ~、そうなんだ。
掃除道具は持ってないみたいだけど……。
その紙袋の中身はなーに?
女性従業員あっ……!
ホクサイおおっと、結構なお金だねぇ。
もしかしてキミ、泥棒サン? ボクちゃんの
実験台にもらっちゃおうかな~?
女性従業員ひっ……! ど、泥棒じゃないわよ!
この金は、博士にもらった報酬なんだから!
ホクサイ報酬って、なんの?
女性従業員実験体よ! 博士好みの人間を
雪山で見つけてここに運ぶの。今日は
3人分だから額も多かった、それだけ!
ホクサイんー? 実験体なら
軍から提供してるはずだけど……
アハハ、彼の悪いクセが出ちゃったのかぁ。
ホクサイボクちゃんもそうだけど、科学者ってのは
こだわりがあるからねぇ~。
ま、雪山ならバレないだろうしいっか!
ホクサイでもザンネン。“雪の女王”の正体は
キミだった、ってわけだね。
がっかりだよ~。
女性従業員と、とにかく!
私は何も悪いことなんかしてないんだから、
文句なら博士に言ってよ!

 

ホクサイ──ってことがあったんだよ~。
でも、変なんだよね~。
ホクサイ博士も彼女も、実験体は「3人」って
言ってたのに、確認したら
1体しか見つからなかったんだってさ~。
ホクサイもしかしたら本物の“雪の女王”が
いるのかも……アハハハ!

 

ライク♥ツー雪の女王なんているわけないし……
つまり、逃げた実験体が
地下のどこかに潜んでるかもってことね。
ラブ★ワンこの施設の存在って、部外者に
知られるのはマズイんだったよね。
どーする? ライたん。
ライク♥ツーはぁ……面倒だけど、休日出勤確定かぁ。
そいつら、ちゃちゃっと見つけて
始末しちゃおー。

第5話 地下での邂逅 Edit

+  ネタバレ注意
マフムトうむ、誰もいないようだ。
……アリ・パシャ、こちらへ。
アリ・パシャハァ……ハァ……わかっている。
妙に人気はないくせに、部屋数は
やたら多いな。どこかに潜んでいるのか?
アリ・パシャエセンを探すにしても……くっ……
“ハズレ”を引いて
敵に出くわすと厄介だぞ。
マフムトむ……それもそうだね。
その怪我では、アリ・パシャは
満足に戦えぬだろうし……。
マフムト……そうだ。余の怪我はまだ軽い方だから、
余がエセンを探して共に外へ出るとしよう。
マフムト君は先に出て、
〇〇や恭遠に連絡しておくれ。
助けが必要だ、と。
アリ・パシャ祈るしか能のない貴様に、
この場を任せておけるならそうするがな。
……っ、おい、隠れろ!
兵士おい、見つかったか?
地下だけでなく上階の捜索も行え!
マフムトあれは……世界帝軍の兵士か。
ううむ……これはいけない。
この状態の我らだけでは……。
アリ・パシャ……っ、やむを得ん。ここで2人共
倒れてはどうしようもない。
まずは脱出して態勢を立て直すぞ。
アリ・パシャ奴らは今『地下』と言っていたな。
ならば、地上へ出る階段は──あれか。
くっ……おい、さっさと行くぞ!
???はーい、そこまで。
順番に始末してあげるから、
あんまりうろちょろしないでくれる?
アリ・パシャ……! 何だ、貴様は!
ライク♥ツーこれから死ぬ奴に
名乗る必要なんてないでしょ。
……あれ、殺さない方がいいんだっけ。
ライク♥ツーまあいっか。実験体なんて
いくらでも用意できるし。
ってわけで、バイバーイ。
アリ・パシャ……っく!
マフムトうぐっ……!
アリ・パシャよ、扉まで走るぞ!
ライク♥ツーったく、逃げんなっつってんだろ!
ちゃんとトドメさせないじゃん!

 

ライク♥ツーうわっ……何この吹雪!
こんなとこいたら、銃と皮膚が
張り付いちゃうっての……!
ライク♥ツー雪山装備にチェンジしてから追うかー。
でも、何発か撃ち込んだし、
この寒さならあいつらも死ぬでしょ。
ライク♥ツーあとで一応、
兵士に死体確認させればいっかぁ。

 

アリ・パシャくっ……、足が動かん……!
クソッ……血を流しすぎ、た……。
──ドサッ!
マフムトアリ・パシャ……!
う……、余も……あまりに
深手を負ってしまった、よう……だ、な。
──ドサッ!
マフムトああ、もはや……奴らより先に……
皆が来ることを、祈ること、しか……。
マフムト……余の髪と服が……
白くて、よかった、なぁ……。
マフムト雪に紛れて、
同朋(とも)を、守れ……る……。

第6話 反撃の狼煙 Edit

+  ネタバレ注意

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第7話 凍える心の片隅で Edit

+  ネタバレ注意

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第8話 永久の眠り Edit

+  ネタバレ注意

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第9話 憤怒の鉄槌 Edit

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第10話 いつかの終わりに思うこと Edit

+  ネタバレ注意

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第11話 戻るべき場所 Edit

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